第3話
男三人で城内を見回ることに。ハッキリ言ってむさ苦しい。さてどこかに能力高い人いないかなー
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
いない、いないぞ、能力が高い人が。誰も彼も高くもなく低くもない人ばかりだ。するとモブがしたり顔で言った。
「北畠家は名門なんで、どうしても昔ながらの縁故主義による弊害が出ているものかと」
うん、なんか胡散臭いけどそれっぽい事言ってるぞ。
「なるほど、新しい血を入れたがらないからみんな平凡になっていくのか」
「それと北畠家の資料集めるのがめんどくさいから、このゲーム製作者がいい加減に適当に作ったのも原因かと」
「原因それだろ・・・適当に作りやがって」
俺がきよろきょろしているとしていると、面白いステータスがあらわれた。
戦闘/D
政治/D
武芸/B-
知略/C+
スキル/潜入、暗殺
おお、なんか武芸高いし、スキルも持ってる。どんな人だ。うーん、女中の女の子か。若くてなかなか可愛いぞ。まあ、この際だから声をかけるか。ナンパするみたいに声をかけたらいいか。へい彼女、お茶しない?
「声のかけ方が昭和ですな、今は令和ですよ」
「うるさい、モブ!そもそも今は令和じゃないだろ。へいそこの女中さん、ちょっといい?」
するとその女中さんがニッコリと微笑みながら振り向いてくれた。おおナンパって楽勝じゃん、前の世界でもやっとけば良かった。
「無理ですよ無理。せいぜい絵画とか売りつけてくる人ぐらいしか寄ってきませんよ」
「おい、モブ!俺の心の中読むんじゃない!おっと気にしないで。それより君なかなかステータスしてるよ、どっかでなにかしてたの?スキルも潜入とか暗殺持ってるし」
うん?さっきまでニコニコしてたのに急に怖い顔に変わったぞ。なんか変なこと言ったかな?
「ふん、只の能無しと思っていたが、そこまで知られているとは・・・もはやこれまで、お命頂戴!」
女中の女の子が、突然短刀だして切りかかってきたぞ。ちょちょおいおい危ない、おいモブ!くそアイツ隠れやがった。ひぃー誰かお助け!!!
短剣が俺に刺さろうかとした時、横からサッと手が出てきて女中が取り押さえられた。鳥屋尾さんが取り押さえてくれた。さすか忠臣頼りになります!
「貴様、どこの家のものか!まあとにかく牢にぶち込んでおくからな」
鳥屋尾さんは配下の兵士を呼んで、女中を連れていかせた。女は一言も話すことはなかった。
「さすがは殿ですな、間者をいとも簡単に見破るとは、感服いたしました」
鳥屋尾さんが目をキラキラさせながら頭下げてきた。完全に誤解してるけど、カッコつけたいから黙っておこう。
「ところで・・・もうあらかた家中の者あたりつくしました。あとはご子息だけですが・・・」
「ご子息って誰の?」
「殿のお子様ですよ」
ええー、俺って子供いるの!!!まだ結婚どころか女の子と手を握ったことないのに。うう、自分で言うと悲しくなる、なにせ年齢=彼女いない暦だから・・・
「殿には六角定頼殿の娘、北の方様を正室に頂いております。殿には勿体無い位の美人ですよ」
「おお、モブ解説ありがとう。そうか、ゲームだけど嫁いるんだな俺にも・・・ってかモブさっき逃げただろ!」
モブは口笛吹いている。突っ込んでも疲れるだけだな。まあ、ゲーム内の息子だけど見に行くか・・・
「・・・では、ご案内いたします・・・」
「なんか鳥屋尾さん、浮かない顔してるけどどうしたの?」
「いえ・・・、あっ、もう着きました」
鳥屋尾さんが部屋の襖を開けた。部屋の中に中学生ぐらいの男の子がすわっている。多分これが俺の子供だな。なんか童貞なのに子供いるのは複雑だな・・・しかしこの子どもぷくぷく太ってるし、大口開けて欠伸しているしどうもだらしがないなー
とりあえずステータスみるか、どれどれまあ俺よりは高いだろ。もしかしてこんな感じだけど優秀かもしれないし。
名前/北畠 具房
戦闘/D-
政治/D-
武芸/D-
知略/D-
スキル/肥満
・・・なんだこれはーーー。俺は思わず叫んでしまった。ってか俺より酷い。だいたいスキル/肥満ってなんだよ。
「後々の文献によりますと馬に乗れない程ブクブクしてたから、太り御所とか、大腹御所の餅喰らいとか無茶苦茶言われてたみたいですな」
「もっと第六天魔王とかカッコイイ名前ならともかく、なんだよ、その悲惨な通り名!」
どおりで鳥屋尾さんが渋い顔してたわけだ。どうもこれが跡取りらしい。どうしよう…まあ先の事はともかく来年の織田攻め困ったな。鳥屋尾さんだけだと不安だし …
「殿は能力が低いですから話になりませんし、鳥屋尾殿でも織田家チート軍団相手では苦戦は必死ですな」
「いちいち俺を煽るな、モブ!うーん困ったどうしよう」
俺が、部屋の真ん中で大欠伸している具房のまわりをグルグルしている。その時、俺の目に突然凄い数値が飛び込んでくる。
戦闘/A+
政治/B
武芸/A
知略/B
スキル/士気高揚アイドル
…なんだこれはーーー。俺は思わず叫んでしまった(三回目)すごい凄すぎるこの能力値。これなら勝てる勝てるぞ!って一体だれだ…
目の前には綺麗な着物を着ている女の子しかいないぞ。もしかしてこの子か。うーん、顔とか目はきりっとして美人顔だな。どことなくクールな感じがあるけど、まだ幼さものこってるな。君は誰だ!
「殿の娘の雪姫でございます。後々織田信雄殿の正室になられます」
モブが俺の耳にそっと耳打ちしてくれた。おっさんの息が耳に当たって気持ち悪い…
「うん、決めた。雪を武将として育てる。鳥屋尾さんが教育係ね!」
「殿、何をおっしゃいます。姫でござます。女子でございます。戦場に連れて行くのはあまりに不憫!」
鳥屋尾さんがそう言ってるが、かまわず雪に尋ねた。
「雪はどうだ?」
「・・・お父上が決められました事に反対はいたしません。もとより武芸や兵法の方が得意でございました」
うん、じゃあ、もう決まり。鳥屋尾さんが必死に反対してるけど、仕方がない。この子より強いのいないんだから。ああ、もう決まり、決まり!
俺は強引に話を終わらせた。これで武将登用成功だ。かなり強くなったぞ。うん、なんだモブ。
「・・・殿、とりあえず今から嵐がきますから、乗り切ってくださいね・・・」
俺はゾクッとしたオーラに包まれた。なんだこの強烈なプレッシーは・・・どんどん近づいてくる・・・
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