書いてみたよ【第3話】

「クロエ先生、魔力を増やす方法を教えて」

「むーん」


 クロエちゃんは教えるのに飽きたようだ。


「よっ、物知り博士。ご立派。大先生。知的美人」


 俺はおだてた。


「えへへ、教えてあげる。モンスターを倒すと、魔臓のステータスが上がる事があって、そうすると上がるの」


 ピロンとスマイル100円が入った。

 おだてた甲斐があったよ。


 魔臓のステータスを上げれば良いんだな。

 上げるぞ。


 買い物で『魔臓 ステータス』と打ち込む。

 購入金額は500円か。

 買いたいけど高いな。


「クロエちゃん、気配り上手」

「えへへ」


 ピロンと100円で200円。


「クロエちゃん、将来美人、間違いなし」

「えへへ」


 ピロンと100円で300円。


「クロエちゃん、ええと、頼りになる」

「えへへ」


 ピロンと100円で400円。


 変顔してクロエちゃんを笑わせた


「ふふふっ、はははっ」


 ピロンと100円で500円。

 ふぅ、買えたぞ。



「ステータスオープン」


――――――――――――――――――――――――

名前:ショウセイ

職業:バーガー女神店員

魔力:23/28

残高:100円


筋力:F-

瞬発:F-

防御:F-

魔臓:F

スキル:

 スマイル100円 S+ 消費0

 薪割り      F- 消費1

――――――――――――――――――――――――


 28に魔力量が上がった。

 あと23回の薪割りが出来る。

 魔力を使い切ってしまおう。


 合計で28回も薪割りスキルを使ったのにスキルのランクは上がらない。

 買い物で『魔臓 ステータス』と再び打ち込む。

 金額は1200円だった。

 そうだよな。

 簡単には上がらないよな。


 1200円の次は2400円ぐらいか。

 こりゃ一苦労だな。


 ジェシーさんがお茶を淹れてくれる事になった。

 喉が渇いていたので御呼ばれする。


「少し酸っぱいが、美味いお茶ですね。体に染み渡るようだ」


 薪割りの後だから、余計にそう感じるのかも知れない。


「そうでしょ、自家製のハーブティーだけど、自信があるわ」

「私、これ嫌い」


「もう、好き嫌いしたら、駄目でしょ。嫌なら飲まないでおきなさい」

「子供にはまだ早いのかもしれないな」


 俺も子供の頃はジュースなんかの方が美味く感じた。


「クロエ、芋の皮むき手伝ってくれる」

「ええっ、芋の皮むき。やりたくない」

「いいわね。手伝いなさい」


「俺も手伝うよ。お茶のお礼だ」


 三人で炊事場に立つ。

 芋はジャガイモみたいな感じだが、もっとごつごつしてる。


 ジェシーさんは危なげない手つきで皮をむいていく。

 さすが主婦だな。


 俺もぎこちないながらも包丁で芋をむいていく。


 クロエちゃんは小ぶりのナイフを手に悪戦苦闘している。

 そのうちクロエちゃんの手が止まった。


「【家事】、てへっ失敗しちゃった」


 クロエちゃんはスキルを使ったが、失敗したようだ

 二つに割った芋がクロエちゃんの手にある。

 スキルを使って失敗する事もあるんだな。


「こらっ」


 ジェシーさんがクロエちゃんを優しく叱る。


「うー、上手くむけない」

「最初のうちは誰でもそうよ。練習していくと上手くなるの。上手くならないとスキルの成功率も上がらないわよ」


 ああ、そういう仕組みか。

 本人の肩代わりなんだな。


「もう辞める」

「クロエっ! 最後までやりなさい!」


 涙目になって、逃げるクロエ。


「まあまあ。子供のうちは手がぶきっちょだからね。飽きっぽいのもよくある事」

「うちの子を甘やかさないでくれますか」


「俺が続けるように、言い聞かせてみるよ」

「じゃあ頼んでみようかしら」


 クロエちゃんは庭でいじけてた。


「仕事を投げ出すのは感心しない。でも気持ちは分かる。上手くいかないと、楽しくなくて苦しいだけだよな」

「うん」


「じゃこうしよう。皮むきの道具をあげるから使ってみて。誰でも名人になれる道具だ」

「本当? 私にも出来る?」

「ああ、出来るよ」


 買い物の検索で『ピーラー』と打ち込んだ。


 高いのから安いのまで選り取り見取りだ。

 100円ので十分だろう。

 出でよ100均のピーラー。


「これ何?」

「ピーラーさ。ここを芋に当てて滑らすと綺麗に皮がむける」


 持って来た芋にピーラーを滑らすと皮が綺麗にむけた。


「やらして。うわ、凄い。力が要らないし、薄くむける。えへへ」


 ピロンとスマイル100円が入る。

 クロエちゃんは気に入ってくれたようだ。

 そして、しばらくとりとめのない話をした。


「仕事に戻ろう」

「うん」


 芋むきに戻るとジェシーさんは自分の分が終わっていた。

 クロエちゃんがピーラーでシュッシュと皮をむくと、何か言いたげだった。


「私にも貸してみなさい」


 見ているだけでは我慢できなくなったのだろう。

 ジェシーさんが口を出した。


「すぐに返してよ」


 ジェシーさんがピーラーを使う。

 するすると皮がむける。


「便利なのね。これ、高いんでしょ。壊した時の事を考えると、怖いわ」

「いえ、安いから気にしないで」

「パン1個分だって」


 クロエちゃんがピーラーで芋むきをやると、あっという間に終わった。


「クロエ偉いわ。よく頑張ったわね。ご褒美にキュラスのドライフルーツを昼ごはんの後に出しましょう」

「やった。お母さん大好き」

「もうこの子ったら現金なんだから」


 ジェシーさんとクロエちゃんから、ピロンとスマイル100円が加算された。

 仲直りできたようだ。

 良かった。


「自慢してくる」


 クロエちゃんがピーラを持って出て行った

 それからピロン、ピロンと700円のスマイル100円が入った。

 俺がその場にいなくても入るんだな。

 クロエちゃんありがとう。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 段々とテーブルが活躍します。

 まずは魔力量。

 5の次は28。

 その次は77。


 この辺りまではテーブルを作るとき気にしました。

 魔力切れが起こるのは、ほとんど序盤です。


 次に出て来た要素はランクアップの価格。

 500円の次は1200円です。


 この小説の設定は笑顔で100円なので、感動が薄れて、徐々にお金が入らなくなります。

 なので厳しさは増します。

 常に新しい何かを探す必要に駆られるようにしました。

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