書いてみたよ【第2話】
さて、この問いになんて答えようか。
俺はあるテレビ番組を思い出した。
昔は巡礼が通ると、ご飯とか恵んでくれたらしい。
俺は何も持ってない。
恵んでほしいよ。
「おじさんは巡礼だ」
「ステータスを見せて」
「ああ良いぞ。ステータスオープン」
――――――――――――――――――――――――
名前:ショウセイ
職業:バーガー女神店員
魔力:5/5
残高:0円
筋力:F-
瞬発:F-
防御:F-
魔臓:F-
スキル:
スマイル100円 S+ 消費0
――――――――――――――――――――――――
「女神様の使徒なのね。弱いけど、スキルがピカイチ。Sランクプラスなんて初めて見た。私のステータスも見せてあげる。ステータスオープン」
――――――――――――――――――――――――
名前:クロエ
職業:村人
魔力:77/77
筋力:F
瞬発:F+
防御:F-
魔臓:F+
スキル:
家事 F+ 消費15
農作業 F+ 消費15
体当たり E 消費50
――――――――――――――――――――――――
くっ、ステータスで負けている。
しかも体当たりという戦闘スキルもある。
スキルの数でも負けている。
10歳の子供に負けるなんて、俺はなんて弱さだ。
クロエちゃんに案内されて家に入る。
「お母さん、巡礼者だって!」
クロエのお母さんは美人だった。
外国人を見るとみんな美人に見えるという事だろうか。
「あらあら、珍しいわね」
「ショウセイです。ステータスオープン」
ステータスのパネルが表示された。
「わざわざご丁寧に。始めまして、ジェシーよ」
「お母さん、ショウセイは女神様の使徒なの。泊まる所と食べる物が無いんだって」
「変わったご職業だけど、女神様の名前が入っているから、使徒には間違いないわね。クロエ、使ってない小屋に案内してあげて」
「うん。ショウセイ、こっち」
クロエちゃんに案内されて物置小屋に連れて来られた。
寝台もあるな。
乗ってみるとギシギシ音を立てた。
壊れかかっているから、ここに置いたのか。
会社で徹夜の時に、椅子や机で寝たのに比べたら、極楽だ。
スマイル100円を稼がないと、どうやらこれが俺の生命線らしい。
とりあえずは情報収集だ。
「クロエちゃん、ステータスの項目ってどうやったら上がるのかな」
「そんな事も知らないの。教えてあげる。クロエ先生って呼んで」
「頼むよ。クロエ先生」
「えっへん、体を鍛えても上がるけど、モンスターを倒すと早く上がるんだよ。スキルはね、使うと上がるの」
ええと、クロエちゃんの話を聞いたら知識が浮かび上がった。
スマイル100円の効果で、モンスターを倒してもステータスは上がらないらしい。
買わないといけないみたいだ。
どうやら、あの女神はスマイル100円を使わせたくて仕方ないようだ。
スキルは買うか使用でランクが上がると知識にある。
使用には魔力が必要だから、回数制限がある。
どっちが得かな。
努力で上げてから課金する方が良いだろう
「お世話になったお礼に、仕事を手伝いたい」
「じゃ、薪割りして。あれ、大変なんだ」
俺はクロエちゃんに案内されて、家の裏にある切り株の前に立った。
錆が少しある年季の入った斧が置いてある。
薪は納屋にあるようだ。
クロエちゃんが運んできてくれた。
薪を切り株の上に立てて斧を振り下ろした。
薪は割れずに斧が刺さり、コテンと横に斧が倒れた。
餅つきで同じようになって、『お辞儀してらぁ』とからかわれた事があったな。
「私とおんなじ」
「力不足って事か」
腰をいれて、餅つきの要領で。
薪は割れた。
柄の端っこの方を持つと威力が上がるが安定しない。
短く持つと安定はするが、威力が出ない。
まあ、ちょうどいい所を模索すれば良いだけだ。
薪割りは二時間ほどで終わった。
握力がもうない。
手が震える。
これでもう今日は他の仕事が出来る気がしない。
クロエちゃんが、お母さんと叫んで、ジェシーさんを呼びに行った。
「ご苦労様。気兼ねなんかしなくても良かったのに」
ジェシーさんに笑顔と共に労ってもらった。
ピロンとスマイル100円が入る。
「ご苦労さま。えへへ」
クロエちゃんからも、スマイル100円が入る。
「お世話になったら、お礼だよ」
初めてのスマイル100円が入った。
さて、初めての買い物はなんにしよう。
使い方は分かっている。
買い物と念じると検索画面が出た。
ステータスが買えるのなら、スキルも買えるかも。
スキルと打ち込むとずらずらとスキルが並んだ。
多すぎるな。
『スキル 100円』と打ち込む。
それでも多い。
『挨拶』から始まって『笑う』なんてものもある。
だがどれも、スキルでなくても出来る物ばかりだ。
最初だから、考えずにいこう。
薪割りに苦労したから、『スキル 薪割り』で検索。
あった。
初めてはこれにしよう。
購入をぽちっと。
「ステータスオープン」
――――――――――――――――――――――――
名前:ショウセイ
職業:バーガー女神店員
魔力:5/5
残高:100円
筋力:F-
瞬発:F-
防御:F-
魔臓:F-
スキル:
スマイル100円 S+ 消費0
薪割り F- 消費1
――――――――――――――――――――――――
ええと使用魔力は1みたいだ。
5回しか使えないのか。
しょぼいな。
追加で薪を運んできた。
「まだやるのかい」
「薪割りのスキルを覚えたので試したいんですよ」
「スキルが芽生えたのね。今日はお祝いしなくちゃ」
「やった、ご馳走だ」
クロエちゃんは笑顔になったが、スマイル100円は入らない。
俺の言葉で笑顔になったわけじゃないからか。
スキルを早く試そう。
「【薪割り】」
何にも意識しないのに勝手に体が動き、薪を割った。
疲れてもう力が入らないはずなのに、問題ないみたいだ。
残りの魔力全て使って薪を割った。
5回のスキル終了。
あと残高が100円ある。
何を買おう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
テーブルによれば、クロエの体当たりはEランクになるまでに、1518回繰り返された事になります。
一日5回使ったとして、1年と5ヶ月。
実はクロエの裏設定として体当たりは移動に使ってます。
それでこんなに鍛えられたんですね。
喧嘩に使っていたわけではありません。
ちなみにEランクの威力は2.2倍。
大人をぶっ飛ばせるぐらいですね。
モンスター相手だと少し心許ない。
この後の話でそれが出て来ます。
数値から色々と想像するというのも、以外と出来るものです。
そのランクに至るまでの、ドラマみたいな物を想像すると、設定が面白い。
今はまだテーブルが足枷にはなってないですけど、話が進んでいくとそういう場面も出てくるような気がします。
その場合は、テーブルトークでGMが確率設定を若干無視したり、お助け要素を加えるなどしますが、そんな感じでやりたいですね。
テーブルを設定するにあたって、考えている事は、序盤と最後です。
序盤は、物語の取っ掛かりなので、テーブルの影響が大きい。
レベルが5ぐらい上がるまでは、細かい数字の描写が必要だと考えます。
ここが、上手くいかないと、書くのが難しくなります。
5以降はチートの本領発揮でインフレを起こして解決なりなんなり出来ます。
そして最後が重要なのは、これが最後のハードルだからです。
高すぎてもいけないし、低すぎてもしらける。
上手く考えないとですね。
これを考えてテーブルを設定すると良いかも知れません。
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