第5話 監禁

 クラスはやけに静かで、寒かった。

『デスゲームのルールを明日説明するよ〜!みんな楽しみにしててね〜』

 そう言い残し、放送は止まった。

 

 何分か経ってある人が、

「今すぐ、逃げよう。」

と言った。

「今なら、まだ間に合う…と思う。何かに巻き込まれる前に逃げよう。お家へ帰ろう。」

 と言った。すると、他の人も、

「賛成だ。ここに居たらもしかしたら死ぬかもしれない。だったら逃げた方がマシだ。」

「そうだね。」

 と賛成の意見が続く。そこで私は少し嫌な予感がした。

「もし昇降口とか閉まってて学校から出られなくなってたら、どうしよう。」

 独り言だったつもりが全員に聞かれたらしくまた沈黙が続いた。

「とにかく、行ってみよう。まだ分からないし、」

「そうだね、」

 するとみんなは早足に昇降口へと向かった。

 だが、

「あれ?、ここに階段あったはずなんだけど、、」

 と女子は言った。

 もしかしたら、

「こっから先は行けなくなってるんじゃない?」

 と私が思っていたことを変わりに言い放った。

 みんなは目を大きく開けた。

「俺達まさか監禁されたのか…?」

「…そういう事になるね。」

「私たち、家に帰れないの…?」

 皆んなはもう混乱状態だった。勿論私もだけど。これからここで生活するのかデスゲーム本当に始まるのか分からないけどまるでアニメや小説の中に入ったみたいで少し面白いなと言う気持ちを持ってしまった。

 ってバカ。そんなこと思っちゃいけないなに…。


 ——この頃から、おかしくなったのかもしれない。———

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る