第16話 きっと、わたしの片想いだ
「
そう言って、
「だからちょっと、車椅子のサイズを測らせてほしいんだ。車椅子に取り外しできるようにして、ドローンを操作する時だけ装着できるように作るから。斑鳩、ちょっと車椅子から降りてくれないか?」
「うん」
わたしは、車椅子を動かして、工房に置いてある椅子に座ろうとした。すると、
「せまいし、工具も散らかっているから危ないよ」
と言って、わたしの前に手を広げて立った。そしてわたしはあれよあれよと言う間に抱き抱えられた。お姫様だっこだ。胸がこれでもかとドキドキする。耳まであつくなっているのがわかる。
ドキドキしているのがバレないかな?
顔が赤くなっているのがバレないかな?
そしてわたしは、楽しそうな
わたし、やっぱり
「今から斑鳩の車椅子に合わせて、アルミの切り出しをするけど……見る?」
「うん!」
わたしが、笑顔で言うと、
「……ありがとう」
って、言った。だっこしてくれたお礼を、勇気をふりしぼって言った。すると
「お礼は完成してから言ってくれ」
って、言って、うれしそうにアルミ板を切り出す機械の方へ向かって行った。
わたしは、そんな
わたし、やっぱり
でも……これはきっと、わたしの片想いだ。
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