第11話 アリアちゃん
校長先生は、ちょくちょく保健室にいっては、
「今日聞いたら、
校長先生が話している中、
「そんなもん、やった方が早いだろ?」
そういって、
ドローンは楽しい。めちゃくちゃ楽しい。なにが楽しいって、ノーハンデで真剣勝負ができるから。極端なはなし、親指だけ動かすことができれば、ドローンは操作できる。まあ、わたしの場合、ふとももにはさんで操作するから、ちょっとバランスが取りづらいけど……。
あ、
わたしは、なんとなく
「校長先生、
「あ!
「いや別に(なんだかヘンにテンションが高いな……)」
「ト・イ・レ」
「あ、そうですか(くだらない……聞くんじゃなかった)」
本当にどうでもいい理由だったから、わたしが話を打ち切ろうとしたら、校長先生はゴキゲンで話をつづけた。
「
「うぇ!?」
し、しししまった! 突然のことで変な声がでちゃった。結構な音量でちゃった。
不思議そうに、
「
あ……なんだ……そういうこと……。
「
あのときか……
「だからさ、
そうだったんだ……。トイレのガールズトークならぬボーイズトークに花を咲かせていたのかと思ったら、ドローンの話だったのか。あ、でもその方が、いかにもボーイズトークって気がする。わたしのお父さんより年上の校長先生を、ボーイズと呼んでいいのかは知らないけど。
「
そうなんだ……ちょっとうれしい。それにしても
「よし! それじゃあ、ドローン飛ばしてみようか!」
「もっとスロットルをあげないと!」
「ご、ごめんなさい!」
おどろいた
「大丈夫、大丈夫、多少のことじゃ、壊れないから」
「大丈夫、大丈夫、最初はみんなそんなもんだよ」
校長先生も笑顔でフォローした。
「大丈夫、大丈夫、
わたしも笑顔でフォローした。
そしたら、
そしてわたしは、さっきからずっと言ってみたかったことを聞いてみた。
「ねえ、
そしたらね、
「よろしくね、アリアちゃん!」
わたしがそう言うと、
「ん、名前で呼ぶの? そんじゃよろしくな、アリア!」
「よろしく、アリアくん。ドローン部へようこそ」
「……よろしくおねがいします」
アリアちゃんは、顔をまっかにして、消え入りそうな声で返事をした。でも、そのはにかんだ笑顔は、とっても嬉しそうに見えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます