三人のドローン部

第7話 非常勤部員

 わたしは、ドローン部の部員になった。そして一週間がたった。部員は、まだ代田だいだくんとわたしのふたりしかいないから、正式なクラブ活動とは認められてはいないけど、なぜかクラブ活動ができている。それは、三人目の「非常勤部員」がいるからだ。


「もう! また僕がビリだ! ふたりとも上手すぎるよ!」


 ドローン部の顧問をしてくれる予定になってくれた校長先生は、クラブ活動が正式に認められていないのに、毎日かならずと言っていいほど、ドローン部の教室に来る。

 わたしたちの部室は三階の空き教室だ。その教室で、ドローン部の代田だいだくんとわたし、あと非公認部員の校長先生は毎日ドローンを飛ばしている。


 今使っているドローンは、VRゴーグルが使えるタイプじゃない。小型の手のひらサイズで、お値段もお手頃。なぜか校長先生がポケットマネーで、三セット購入してくれた。(月のお小遣いが三万八千円の校長先生には結構な出費だってなげいていた)


 レースのルールは、チェックポイント式。三人で一斉にスタートして、一番早くすべてのチェックポイントを通過した人が勝利。

 コースは、代田だいだくんの手作り。机を三箇所に配置して、椅子も三箇所配置して。そのうちひとつは、テーブルの上に乗っけてある。三つの机と、三つの椅子、そこを全てくぐり抜けるレースだ。


 くぐりぬける順番は、どこからでも良い。そしてその戦略を練るのが面白い。なかでもテーブルに乗った椅子。これがクセモノ。ひとつだけ高さが違うし、そのうえテーブルよりもくぐり抜けるのが難しい。ここをいつくぐり抜けるかが、勝負のポイントになる。


 一番強いのは、やっぱり代田だいだくん。なんといっても経験値がちがう。小学四年生の時のクリスマスプレゼントにもらってから、もう三年以上もドローンを操作しているベテランだ。わたしは、たまーに代田だいだくんに勝てるけど、でも本当にたまにしかに勝てない。十回に一、二回くらい?

 代田だいだくんは、「ハンデをあげようか?」って聞いてきたけど、わたしはお断りをした。わたしは、真剣勝負が好き。手加減されるのって好きじゃない。


 ちなみに、校長先生は代田だいだくんの申し出をよろこんで受けて、一人だけ、床に置いた椅子は通らなくてOKってハンデをもらっている。そしてそれでも、今日はもうずーーーーーっとビリだ。

 でも、校長先生って、本当に楽しそうにドローンを操作する。いつもニコニコしながら、ドローンを飛ばしている。わたしだったら、負けばっかりの勝負なんてイヤになっちゃうと思うけど。


 でも、さすがの校長先生も、ビリがつづいてつらくなってきたみたい、


代田だいだく〜ん。もうちょっとだけハンデをくれない?」


 って、手を合わせてお願いしている。


「しょうがないですね……じゃ、校長先生が机の上の椅子を通るまでは、俺と斑鳩いかつがはスタートしないってことで」

「本当? やったあ、これでやっと代田だいだくんに勝てるかも!」


 校長先生は、無邪気に喜んだ。

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