第13話 試技の開始と観戦者P子
挑戦者の4人は、チルダン師を交えての直前作戦会議をしている。
受けて立つ
「そろそろバイトに向かうマグレブの時間じゃない?」
と、中指で彼のおでこをツンと突く。
そして、「マグレブは30分に1本なんだから……ほらほら、出発、出発」
と、
同学年の幼馴染。
が、
自然、姉と弟のような関係となったのかもしれない。
道場の出口まで歩んだ
「ありがとうございました」
チルダン師は
「たけきり物語、がんばろうね」
続き、お嬢様三人組は肘を曲げハッスルポーズを決めた。
居合の竹筒斬りで締めるため、彼らの演題は「竹斬物語」の名。
「試技の方はどうせ私が勝つんだから、見なくても大丈夫よ」
四人組は立ち上がり、着替えに向かう。
✧
四人はそれぞれが準備運動の後、模擬刀を手にアップを進める。
戻ってきた
次いでパッと制服を脱ぎ、半袖短パンの体操着姿となる。
左の太腿のベルトに、短い警棒……いや、小刀の模擬刀が在る。
その小刀を抜くと共に、左手のみで器用に太腿のベルトを外した。
軽く小刀を一振りし、背を伸ばすと準備完了。
剣術家の娘、
常在戦場ということか。
最後に全員で透明なヘッドガードをつける。
まもなく、演舞の開始だ。
そう思った刹那、
いつの間にか、小柄な能面の子がいた。叡智學院の制服姿だ。
が、全く氣取れなかった。
もう一人、小柄な女性が歩み寄ってくる。
「はじめまして、
「學院長の秘書を仰せつかりました、堀
と続け、丁寧なお辞儀をする。
「はじめまして、堀先生」
「こちらは、トランスフェレーシャのP子ちゃんです」
と
能面少女はペコリとお辞儀をした。
P子? 金星姫の宣託にあった?
何か聞いたものか、と彼女達を見つめ直すと、
「試技が始まりますよ」
と、微笑む。
慌てて試合場の方を見る。
四人組と
道着の四人と体操着の一人の分かりやすい対比だ。
お嬢様三人組の一人、
視線はまっすぐ能面少女に向く。
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