冰翠 Å 貴族院が終わる日のトランスフェレーシャ

内偵隔秘事項 於 勘解由小路子爵邸

隔秘につき、安生（やすより）の手記のみを記す。

記　隔秘の打ち合わせには、勘解由小路子爵ご自身も参加

　（お顔は見せずに聞氣（きき）にて参加）

　（子爵以外の参加者は非公開とのこと）

【壱】　宿主（マスター）警護の件

記　金星姫の宿主（マスター）は四月より、上皇鴨場内の建屋に居住する。

　（宿主（マスター）の、性は当面秘密、名は冰翠（ひすい）様）

記　皇族・海外要人が立ち寄り鴨狩りをする上皇鴨場には平城のごとき備え在り

　（堀、二重の電気柵など）

記　上皇鴨場に常駐する軍人は従来の２０名から５０名へと増強。

　（対戦車砲など市街戦に耐える装備を配布）

　（野田からの空挺隊・陸戦隊らの応援部隊は１５分内に到着開始）

記　守りの切り札は、冰翠（ひすい）様と同行するルサンカ嬢

　（勘解由小路家縁の異能者、ルサンカ嬢は、通常兵器・核兵器の双方に対処可）　

【弐】　冰翠（ひすい）様転校前の安生（やすより）内偵の件

記　第一の接触先は、雪乃上夏目。

　（特警壱課　友永係長と同行のこと）

記　第二の接触先は、冰翠（ひすい）様が転校後、同級となる予定の者

　（対象者のプロファイルは追って配布）

記　第三の接触先は、雪乃上悠宇（ゆう）

　（夏目のハトコ。験氣（けんき）持ち）

付記　冰翠（ひすい）様を通じ金星姫の宿主（マスター）の以下の神託あり。

　「上皇鴨場に入りし後、Ｐ子を同行者に加えよ」

　※Ｐ子については、所在を調査中

【参】　冰翠（ひすい）様転校後の安生（やすより）内偵の件

記　冰翠（ひすい）様との直接接触は禁ずる

　（冰翠（ひすい）様の同級生を通じ、聞氣（きき）にて情報収集せよの意、か）

記　転校前内偵の報告時に、転校後内偵の内容・対象を指定する。