動画投稿
チューナーとレコード、二種類のノイズを録音したヒロシはアパートに戻って編集を始めた。
「余裕を見て長さは30分にしておくか。トラックをこう重ねて、レベルのバランスを取ってと」
デジタルの世界であればヒロシのお手の物であった。マウスの操作ですいすいと音声データを作りこんでいく。
1時間もかからずに30分のMP3ファイルが出来上がった。
「ファイル名は『ザ・ホワイトノイズ』と……。はい、完了!」
あまりにも順調に作業が終わったため、ヒロシはもう少し手を加えたくなった。やめ時を知らないのがアマチュアの欠点である。
「せっかくだから、動画にしてアップロードしてみようかな」
世の中では睡眠導入やリラクゼーションのためにホワイトノイズを聞く人たちがいるらしい。ならば、このファイルに画像を付けて動画サイトに投稿してやろうと思いついた。
動画はスマホカメラで撮影した。部屋の白壁にライトを当てて、わざとピンボケで撮影する。
奥行きも広がりも定かでない、茫漠とした空間が広がるように画面には映った。
動画エディタで画像に音声トラックを載せ、タイトル、エンドロールを付けてやれば動画は完成だ。
人気の動画サイトに30分の動画ファイルをアップロードし、適当にコメントを付けると、ヒロシはベッドにもぐりこんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます