第4話 ねぇ起きて……パパ ACT2
「朝げのみそ汁は一日の活力源なのだ」
活力!
気が付けば男の性は素直に反応している。
スエットのズボンが見事な山脈を隆起させていた。
ま、まずいこれは悟られてはいけない。
起きたての男性生理現象とこの状態? 目に飛び込んでいる生の生女子高生の姿に、見事にストライクしている。
このままではまずい!
異世界への入口があるのなら今すぐに飛び込みたい。
だがそんなものはないことくらい、この二十代折り返し地点の俺だ。わかり切っていることじゃないか。
異世界と言うのは逃げ場なのだ。
現実社会からの逃避できる自分だけの世界を、異世界と俺はそう思っている。
いや、今はそう言うことを思想している場合じゃない。
上掛けにしている毛布が唯一の防御アイテム。
しかもだ、次第に襲い掛かる排尿感の危機。
毛布をはぎとり、スエットをあらわにすれば、当然ながら俺の下半身の山脈は彼女に見られてしまう。
それはなんとも……。阻止したい。
見られるのは恥ずかしいではないか!
「あっ、ええっと……。そのぉ」
「な、なにかな?」もじもじとした感じで彼女は俺に話しかけてくる。
もしや……。俺のこの危機的状況をこの子は知っているのか?
こんな清楚で可愛らしい子なのに、察知しているというのか?
つまりは誘導されているのはこの俺であり、俺が今、悶絶感を徐々に高めているのを楽しんでいるとでも言うのであろうか。
確かにこのプレイ。展開、俺は嫌いではない。
エロゲのドMプレイに最近はまっているからこそ、その、なんだ。こうしてもし彼女が俺にお仕置きをしているのなら、何とかこのもんぜつかんに耐えねば。
そのあとに来るあのなんとも言えない快感を得たいという欲望にシフトしつつある俺。
「あ、あのですね。すみません勝手にお台所使って、お料理しちゃって。食材も勝手に使ってしまって申し訳ありません。朝ご飯は作ってあげたかったんで」
「んっ、べ、別に構わないけど。謝ることじゃないよ。こっちこそ、ありがとう。ほんと美味しそうなこの香りで目が覚めたのは久しぶりのことだよ」
「そ、そうなんですか? うち、お母さん朝ものすごく弱いんで朝ご飯はいつも私が作っているんで、つい」
「へぇ、そうなんだ。秋穂の奴朝弱かったんだ」
その一言で彼女、
にんまりと笑うこの顔。正直言って可愛い。今までシャープな感じの美人顔が一気にゆるキャラのような人懐こい顔に変わっている。
またこの表情もいい。すごくいい。
可愛いのだ。
余計に意識してしまう。……。いけない、こんな表情で『早く起きてよパパ』なんて囁かれてみろ。俺の山脈。いや、活火山は大噴火を起こしてしまうぞ。
でなくともただいま予兆噴火がすでに始まっている。
「そうなんですよパパが生きていた頃なんか、お母さんを起こすのがパパの役目で、パパだと起きるんですけど、私が起こしに行っても起きないんですよね。でね、いつも……」
そう言いながら優奈はつかつかと秋穂が寝るベットに向かい。
「お母さん、いい加減に起きてよもう何時だと思ってんの? 起きないといつものやっちゃうわよ!」
んっ? いつものって?
「うんんんん。まだ寝ていたぁい。秋穂ちゃんはまだ夢の中にいるんですぅ!」
おいおい、寝言か? いや違うだろ。秋穂ちゃんって自分で言うか? 寝ぼけているにしてもなんだ、今までの彼奴のイメージが崩れるんだけど。
はて、俺は秋穂にどんなイメージと言うか思いを抱いていたんだっけ? もうそんなことすら思い出せねぇな。
「またぁそうやって、ほんと起きなさい! お母さん」
バサッと秋穂がかけていた毛布をはぎとる優奈。
今だ! 今なら、この膨れ上がり予兆爆発を起こしかけているこの活火山を、山脈を見られずにトイレに駆け込むことが出来る。
さっと、立ち上がろうとした時、俺のこの目に飛び込んできた。ベットに横たわる秋穂のその姿。
ぜ、全裸! 裸? ……ほっ、パンツは履いていた。
いやいや、そう言うことじゃねぇんだけど。
でも目に飛び込んできたその姿は上半身は間違いなくスキン。何もまとっていない。
で、思わず凝視してしまう男の興味の第一番と言ってもいいくらいの、女への視線と言うか目が必ず行ってしまう場所。
むっくりと寝ぼけながら、秋穂はベッドから上半身を起こした。俺からは真正面の位置にある。
そうなのだ、ばっちりと秋穂の生おっぱいをこの目にしている自分が今いる。
――――まだ垂れてない。で、服を着ていた時のあのふくらみと今何もつけていないこの生の状態では本当に同じものであったのかというくらい。インパクトが違いすぎる。
でかい! 想像していたものよりでかい。
女のおっぱいって、生だとこんなに大きいんだ。
初めて見る女の生おっぱい。母親以外の。ちょっとそれは思い出したくねぇな。あれは別物なんだ。
思わず俺は無意識に立ち上がっていた。
俺のこの凝視過ぎているその視線を感じたのか? いやこの俺の視線を感じたのは自分のおっぱいを見られている秋穂自身ではなく、優奈であった。
「ちょっと、お母さん。隠してよ。ここ、お家じゃないんだから」
「うにゃ、何隠すの? それよりまだねむたぁい」
で、俺はその凝視する視線を鏡で返されるように優奈からの視線を感じた。
ん、この熱い視線はなんだ?
ふと優奈の顔を見ると真っ赤な顔をしている。
優奈の顔が赤い? どうしてだ?
そんなことを考え、その答えの行先にたどり着くまで一秒もかからなかった。
すでに山脈を隆起させていた俺の下半身。立ち上がっているこの状態。
膨れ上がる隆起は座っていた時よりもリアルであり、かつ、その大きさは半端ないものになり果てている。
しかも噴火口の先は軽く水蒸気が発している。
「あ、あのぉ……。……。」
優奈の口がパクパクと動いているが声は発していない。
ああああああああ! 見られてしまった。現役女子高生に。
体は硬直していたが、ロボットのように体が動くというこの挙動を俺は初めて体験しながら、トイレのドアを開け、高まる排尿感もろもろいろんな想いも込めてトイレの水と共に流した。
すっきりした半面、気まずさと恥ずかしさが、一気に押し寄せているのは言うまでもない。
あああ、さらば昨日までの俺の平穏な生活よ。
これからいったい俺はどんな生活を送ればい良いのか。
途方に暮れる。
しかし、突如舞い込んできた二人の女。生の2次元じゃない3次元の温かみの人肌を感じることのできる実在する女がこの俺の部屋にいるんだというこの実感をどこかしら、かみしめ、にんまりと顔が緩んでいるのが自分でもわかる。
そして素直な反応を起こす男の性のこ奴。
手をだしちゃいけねぇのは当たり前なことだ。
でも――――なんか期待感にそそられているこの俺がいる。
この狭いトイレの中で俺は今、現実を仮想化している。
頭の中に爺さんの声が聞こえる。
「女の体は男の心を惑わす麻薬じゃ」
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