第23話 自己紹介とテクノロジー(5)
「初めまして。
(アイドルグループに所属してそうな人だなあ……)
真見は目を
「それにしても
「え?」
自分を表現するものとは程遠い賛辞に真見は戸惑う。その様子を見て佳史はふっと笑った。
「
「いえ、そんな。私はただ……」
直感が鋭いだけなんです。という言葉を飲み込む。佳史の言葉から
(温和な雰囲気なのに。何だろう。この
「そんな神野さんに是非とも『
そう言って佳史はにっこりと笑った。
(何だ……。部活動の勧誘か……)
「それって……何ですか」
瑠璃の背中から真見が問いかける。
「部活動みたいなものさ。セル社公認のね。主に命島学校の出来事を記事に
「へえ……。楽しそうですね」
「そうでしょう!
「裏で起こった出来事?」
真見が疑問を持つのも束の間、佳史が手を振る。
「じゃあ僕はこれで。中等部の皆は所属してるから親交も兼ねて活動に加わってくれれば嬉しいな」
「考えておきます」
佳史が立ち去った後で瑠璃が振り返った。
「広報部に入るの?」
「……
真見が2人の様子を伺うように答える。瑠璃はじとっとした目を向けてきたが良は手を叩いて喜んだ。
「いいね!そしたらクロと島周辺の調査もできるよ」
「泳ぐのは苦手だけど……。文章を書いたり、情報を纏めるのは得意かも。あのイルカのロボットも広報部の活動?」
良が首を縦に振る。
「うん。セル社の開発したものの試験運転を体験できたりするんだ!僕は島周辺の環境調査を手伝ってる。
良が瑠璃の方を見てくすくすと笑う。瑠璃は負けじと言い返す。
「私は陸上競技に忙しいから。でも、これからは顔出すようにする」
そう言って真見の方をちらりと見る。真見を
(天笠さん、絶対に相模君のことが好きなんだ。それと……私のことをライバル視している)
真見は引き攣った笑顔を作る。
(早く誤解を解いておこう)
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