鏡音リン・レンライブ「Two You」に行ってきたよレポ
なのさP
ライブ感想
2022年7月7日、世の中は七夕であったが、私は豊洲にある「豊洲pit」と呼ばれるライブハウスに向かっていた。この日は『鏡音リン・鏡音レン Happy 14th Birthday Party 「Two You」』に参加をするためだ。鏡音リン・レンの二人にとって初めてとなるオンリーライブであり、7月7日~8日の2日間、合計4公演が行われた。私は、7日の最初の公演である「RIN PARTY」に参加をしてきた。今回はそのときの感想を書いていきたい。
まず会場に着いて驚いたのは、ほとんどの人がオレンジや黄色のグッズを身に付けていたことである。リンレンが登場するライブは基本的に初音ミクのライブであることが多かったため、会場に行くとミクのグッズを身に付けた人で溢れるのだが、やはり今回はオンリーライブであり、圧倒的にリンレンのグッズ率が高かった。参加者全員が筋金入りの「鏡音廃」ということだ。
到着後手早く入場をし、自分の座席を探した。幕張メッセほど大きな会場ではないため、すんなり見つかった。比較的後方の席だったが、ステージがはっきり見える距離であり、開演前からワクワクが止まらなかった。
ここからは実際の演奏について、いくつか楽曲をピックアップしながら語っていきたい。セットリストのネタバレになるため、見たくない方は今のうちに閉じていただきたい。
0曲目『しっくおぶはうす!』
この表記に戸惑う方もいるだろう。今回のライブでは、クリプトンが運営する楽曲レーベル「KARENT」で配信している楽曲を開演前の場内BGMとして流していた。そのうちの一曲がこの『しっくおぶはうす!』であった。単なるBGMと思って油断していたが、この曲だけは様子が違った。
BGMとして流れていたはずの楽曲が、突然大音量になったのだ。そして誰もいないはずのステージのライトが楽曲に合わせて激しく明滅し始めた。会場にいたファンは驚きと興奮を隠せないままペンライトを点灯し振りまくった。開演前の「0曲目」として、会場を盛り上げた。
実は、この楽曲の歌詞は「嫌なこと忘れてさ 踊り明かせ」「歌え叫べ」と歌っている。リンレンのライブとしてこれ以上ないメッセージ性を持っていたことが、「0曲目」として最大限に機能したのではないだろうか。こんな「腐っちまった世界」だからこそ、私はリンレンの2人に狂っていたいのかもしれない。
1曲目『おこちゃま戦争』
先述の『しっくおぶはうす!』が会場を十分以上に盛り上げたあと、正真正銘の1曲目として演奏されたのがこの『おこちゃま戦争』であった。イントロの段階で会場からはどよめきが起きた。2人のアグレッシブなパフォーマンスと歌唱、バンドアレンジされたクールな演奏、その全てが会場の熱量を最大にした。大音量で聴く『おこちゃま戦争』の迫力は相当強く、1曲目にもかかわらず50曲分の体力を消耗した気がする。この曲が聴けただけでもこのライブには価値があると感じた。
2曲目『ロキ』
1曲目のあと短いMCを挟み、その後演奏されたのが『ロキ』であった。みきとPのパートをレンくんが担当するライブ限定バージョンであり、これも会場を盛り上げた。元々がVOCAROCK系統の楽曲であるため、ライブでの演奏で一段とクールな印象になる。コール&レスポンスにような箇所も多いので、ペンライトを振るのがとても楽しかった。2人の振り付けもかわいく、「死ぬんじゃねえぞお互いにな」の部分でお互いを指さす振り付けには悶絶した。『おこちゃま戦争』に続き、会場を大いに沸かせてくれた。
3曲目『炉心融解』
正気を疑った。おいまだ3曲目だぞ!?クライマックスが早すぎるだろ… リンオリジナル曲として相当に人気のある楽曲のため、確実に演奏するだろうと予想はしていたが、まさかこんな序盤で演奏するとは思わなかった。私と同じく予想を裏切られた人が多かったのか、会場のあちこちでどよめきが起きた。
また、この曲では衣装も変化があり、MVのリンちゃんが着ているものをモチーフにした白と黒の衣装に、髪型はツインテールとなっていた。この衣装を生で見るのは初めてであったので、私としてはかなり感動した。
力強いボーカルはライブ会場では一層響き、ペンライトを振ることすら忘れるくらいに聴きほれてしまった。
5曲目『メランコリック』
泣いた。リンちゃんが可愛すぎてマジでヤバかった。元々の楽曲がいわゆる「かわいいリンうた」であり、非常に人気のある楽曲であるが、ライブ会場で聴くと、リンちゃんの可愛さが一層強く感じられる。動悸が止まらない。このリンちゃんを見て恋に落ちないリン廃はいないだろう。私はとっくの昔に堕ちているが。リンちゃんの可愛さを再確認した1曲であった。
8曲目『メインキャラクター』
*Luna氏のレンオリジナル曲であるこの楽曲は、レンくんの感情的な強い歌声が特徴的である。実際の会場では、バンド演奏も相まってさらに迫力を持ち、全身にビリビリと響く強さがあった。訴えかけるように歌うレンくんの表情に完全にやられた。「いつだって主人公は絶対に 特別な何かを持ってた」というフレーズがこの歌にはあるが、この会場、この時間はレンくんが主人公であり、我々に伝える何かを持っていたと感じた。
9曲目『孤独の果て』
イントロが流れた瞬間に意識が弾け飛んだ。好きな楽曲の一つであったが、まさか今回のライブで聴けるとは思っていなかったため、完全に予想を裏切られた。自分でも訳が分からなかったが、今演奏されているのが『孤独の果て』だと気付いたとき、目から涙が出ていた。どうやら自分が思っていた以上に自分はこの楽曲が好きだったらしく、ライブが終了してからも、この4分半の記憶がずっと頭に残っていた。
クールなバンドサウンドはライブでも健在で、豊洲pitのようなライブハウスで聴くのにふさわしい楽曲であった。タイムスリップできるならもう100回は聴きに行きたい。
12曲目『スキキライ』
思わずキュンキュンしてしまいそうになる、リンレンのデュエット曲であるが、ライブで聴くとそのキュンキュン度合いが凄まじく高くなる。恋する2人の感情を歌った楽曲だが、ライブでは手を繋いだり、目線を合わせる振り付けが多用され、見てるだけでこちらも笑顔になってしまう。2人がイチャイチャしているのを見守る木になりたい。
鏡音リンと鏡音レンの関係性には特に設定がなく、ユーザーたちに自由な解釈ができるようになっている。『おこちゃま戦争』では兄妹、『スキキライ』では両想いの男の子と女の子といったように、1つのライブで様々な関係性の2人が見られ、リンレンの可能性の大きさを改めて感じた。
15曲目『Fire◎Flower』
VOCALOID楽曲には様々な夏曲があるが、その中でも『Fire◎Flower』は人気の高い楽曲であろう。今回のライブでも演奏され、私の涙腺をぶっ壊してくれた。自分自身、ボカロにハマり始めた頃に出会った曲に一つであり、思い出がこみ上げてしまって思わず泣いてしまった。
歌詞の一節には「生まれも育ちもバラバラな僕ら 姿も形もそれぞれな僕ら 男も女もちぐはぐな僕ら それでも心をひとつに出来たなら」というフレーズがある。あの瞬間、ライブの時間だけは、あの空間にいた全ての人の心がひとつになっていたのではないかと思った。
アンコール
1曲目『劣等上等』
マジカルミライ2018において行われた「鏡音リン・レン10th Anniversary」のために書き下ろされた楽曲が、今回のライブでも演奏された。リンレンの2人が挑発的に歌うこの曲を聴かずにリンレンライブを終えることはできない。ライブで聴く『劣等上等』の迫力は凄まじく、五感の全てが支配される感覚があった。心臓を2人に握られているようなあの感覚は、一生忘れることができないだろう。
私自身の思いとして、マジカルミライ2018は行きたかったけど行けなかったイベントの一つであったため、今回初めてライブ会場で聴くことができて、非常に感動した。
2曲目『いいねってYEAH!』
最後の1曲として演奏されたのは、今回のライブ「Two You」のテーマソングとしてじーざす氏から書き下ろされた『いいねってYEAH!』であった。可愛らしいポップなこの楽曲は、ライブのラストを飾るにふさわしく、最後の最後まで会場を盛り上げてくれた。2人の掛け合いが非常に可愛く、リンレンの2人が交わることで最高のハーモニーが生まれることを改めて感じた。
レスポンスする箇所が多くあったため、ペンライトを振るのも非常に楽しく、本当に最後まで楽しませてくれた。
合計18曲(16曲+アンコール2曲)でライブは構成された。公演によってセットリストが異なるため、他の公演が気になる方はぜひ調べてほしい。
リンレン史上初のオンリーライブであったが、2人の楽曲のみで大いにライブを盛り上げることに成功したのではないだろうか。現状、ボカロのリアルライブでは複数キャラクターが一緒に出演するケースが多いが、今回の成功を足掛かりに、特定キャラクターにフォーカスを当てたイベントも増えていくのではないだろうか。
また、私個人としては今回のライブを通して自分の「好き」を再確認することができたと感じている。自分はやっぱりリンレンの2人が大好きで、2人の歌う楽曲が好きなんだということを改めて感じた。
最後になるが、このライブを作り上げてくれたスタッフの皆さん、バンドメンバーの皆さん、リンちゃん、レンくんの2人に感謝の意を述べたい。本当にありがとうございました。
鏡音リン・レンライブ「Two You」に行ってきたよレポ なのさP @mitya_nanosa
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