第2話街の様子おかしくね?

 ―――ん?

 

 ゆっくりと目を開けた。

 そこには見慣れない景色と血も何もついていない私の身体があった。

 

 あれ?ここは……どこ?

 

 見た感じは中世のヨーロパみたい感じだけど。

 

 ……私たしかに死んだよね。

 

 いや、死んだのとかはわからないけどあの高さから落ちたんだから生きてられるわけが…………それに、もし生きてたんだとしても普通目を覚ますとしたら病院とか崖の下とかじゃないの?

 

 あたりを見回しても私が飛び降りた崖もないしあるのは建物ばっか。

 今の状況は両端に建物があって、真ん中に道がある感じ。

 建物は全体的に灰色で四角い。


 誰も歩いてない……ここの世界にいるの私だけとかないよね?

 

 普通にありそうなのが怖いんですが。

 もしそうだったらどんな地獄だよ!


 そもそも死んじゃった時点でイレギュラーだから何起こってもしょうがない気もするけど。


 ……いやーどうしよ。

 もう一回死ぬ?


 これ自殺失敗したわけだし。

 それで、なんの怪我もなくここにいるんだから絶好の自殺するポイントだと思うけど。 


 いやーでも自殺するときめっちゃ悩んできめたしな〜。

 だからそう簡単に死ねるわけじゃ―――

 



 ―――そうやって考えること10分

 

 

 

 よし死のう!


 1普通に死ぬことを決意した。

 

 え?即落ち2コマ?

 知らないね。

 

 でも、死ぬとしてもあんま苦しまずに死にたい。

 やっぱ飛び降り自殺がいいと思うんだけどこのあたりに高いところなんてないし……さて、どうしようか。

 あ、グロいのはNGで。

 

 うーん…………やっぱ、崖か。

 崖しか勝たん。

 

 ……ほんとすいません。

 流行りみたいのに乗りたかったんです。

 これでも一応華のJKなんです。

 

 さて、そんなことはおいといてそうと決まったら崖探さないと。

 あ、いや、崖じゃなくても高かったらなんでもいいけどね。

 

 結構遠くまで見回しても低いの建物しかないし結構歩かなきゃっぽい?

 最低でも学校の校舎2階分くらいはほしい。

まあ、大体10mくらいか。

 あくまで私の体感だから校舎に関してはもっと高いかもだけど。


 でも、歩くのなら最近全然運動してなかったしキツそー。

 体力なんか元からなかったから更に悪化してそう。

 

 なんだっけ?

 たしか、体力回復するのにアミノ酸が必要なんだっけ?

 アミノ酸が何の食材から取れるのかわかんないけども!


 ―――あ、そもそも食料どうしよ。

 ご飯もってない……

 

 まあ、最悪餓死……でいっか。

 苦しいんだろうからできるだけしたくないけど。

 

 よし!

 餓死で死にたくないしさっさと高い建物見つけますか。


 そして私はとりあえず少し足早に歩き始めた。








 

 んー体感一時間くらい歩いたと思うけど高い場所がない。

 ずっと同じような大きさの建物が続いてる。

 

 この国―――というか場所にはあんまり高い建物を作ったりできるほどの技術力はないのかな?

 

 いや、そんなことないか。

 日本ですら1000年以上前に十数mくらいの建物作ってたんだし。


 まあ、そんなことより人が誰もいないことの方が問題だけど。

 

 一時間大通りらしきところ歩いてるはずなのにひとりも人が歩いてないのはやばくない?

 歩いてて私恐怖感じてきたもん。

 

 あ、でも人が誰もいないってことはもう人類絶滅した後の世界だったり?

 崖から落ちたときの大きい衝撃加わったことでタイムスリップしたとかじゃ……

 

 ……まあ、考えててもしょうがないか、とにかく今は足を前に進めないときゃ―――


そんなことを考えていた時だった。

 



 ドンッ



 

 ―――痛!

 何?

 なんか硬いものにぶつかったよ?

あと、顔面からいったよ?

だいぶ痛いよ?


……スマホも何も無いのに正面から何かとぶつかれるとか才能じゃ?


 顔をあげると今までの建物よりかなり大きい建物があった。 

 ずっと真っすぐ歩いていたはずだからこの建物が突き当たりにあってそれにぶつかったってことか。


………この建物結構高い。

 信号の2倍くらいあるんじゃない?

 

 でも……ここ他の建物となんか違う。

 いや、大きさじゃなくてなんというか……形というか……雰囲気?


 なんか重厚な感じがする……ような気がする。

 

 いや、形とかも違うんだよ?

 今までは灰色で四角かったのにこの建物は真っ白で凸みたいな形になってるんだもん。

 

 でも、形以外にも明らかに他とは何かが違うんだよ。

 ここが何かしらの神聖な場っていうことがそういうことに全然興味ない私でもわかる。

 この中に入ったらダメだって感覚が訴えてくる。


 神聖な場所……か。

 もしかしてここって死後の世界だったりする?

 だとしたら誰も外にいないことも説明がつく。

 まあ、もしそうだったとしてもだから何だっていう感じだけど。

 

 あれ?ってことはこの上から飛び降りても意味ない?

 ……いや、まだ確定したわけじゃないしね。ね?

 

 さて、死ぬためにはここを登る必要が……あーきつそ。

 

 ―――よし。

 やるしかないか!


 私は建物の掴めそうな場所にゆっくりと足をかけた。







 ふぅ登りきった。

 神聖な場所かもなのに不謹慎?

知らないね。


 それにしてもだいぶ時間かかったけど意外と登れるもんだね。

 よく私これだけの高さ登れたな。


 下へのぞいてみると下から見ていた通り結構な高さがある。

 

 つかみやすい突起物が結構あって助かった。

 

 さて、頑張って登ったわけだしさっさと落ちますかねぇ。

 さっさと落ちるっていうパワーワードよ。

 

 ま、別に上に登ったからって何もすることも考えたいこともないし。

 強いて知りたいことがあるとすればなんでこんなところにいるのかってことだけどもう考えてても答えなんか見つからないでしょ。

 やっぱ目的を見失っちゃダメっすよ。 

死ぬならさっさと死ぬ。

それくらいキッパリしとかなきゃ。


 そして私は覚悟を決めた。


 それじゃあ、逝きますか。

 

 一気に飛び降りる地点から後ろに下がると全力でダッシュして走り幅跳びの要領で思いっきり跳んだ。 

 なんかの雑誌の表紙とかで今の私みたいな状況のイラストとかありそうだな。

 

 そんな事を考えながら私は2回目の自殺を終えた。

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