死ぬために生きる?いや、生きるために死にます!
ゆめうめいろ
第1話 自殺って怖くない?
―――よし、死に……ますか。
目の前には崖が切り立っている。
夕方だからか周りには誰もいない。
あと数歩足を前に動かせばここから落ちれると思う。
それにしても……全然恐怖とかない。
てっきり怖くなって結局死ねなくなるのかなって思ったんだけど。
死にたいと思ってここに来たんだしむしろ足震えまくって飛び降りられなくなっちゃったら困るけどさ?
そして、私は一歩目を踏み出した。
うわ〜めっちゃ崖下が見える。
これ20m位あるんじゃね?
まあ、怖いとは思わないけども。
―――みんな元気にしてるかな?
私に関わった人たち。
私が死んだってわかったらみんな怯えたり混乱したりするのかな。
ふふふっ。
なんか考えたら面白いわ。
サイコパスになった覚えはないけど、変な高揚感見たいのがあって思考がそっち方面にいってるんだろう。
まあ、その状況見られないことだけが心残りだわ。
私をいじめた人間、見てみぬふりした人間、かばって自己肯定感を高めていった人間、さもそれを悲しい事件だという風に記事にするマスコミ、親、友達。
どうせ一年経ったら親も含めてほとんどの人の記憶からなくなっていくんだろう。
それでもさ、一人でいいから誰かの視点に立って誰が可哀想とか言うんじゃなくて客観的に私が死んだっていう事実を見てほしい。
誰かが悪いとかじゃなくてただ客観的に見てくれるだけ。
それだけで私は―――
もう一歩足を進めた。
もうこれ以上足を進めたら絶対に崖の外へ落ちることになるだろう。
―――それだけで、私は救われる。
更にもう一歩足を進めた。
ゆっくりと身体が傾いて言っているのがわかる。
あぁ、神様どうか、どうか来世では普通・・に生きられますように。
そこで私は意識を失った。
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