第16話 一悶着ありました
「全員気を抜くなよ!!こいつは強え!!」
「「「「「「おう!」」」」」」
……何やってんだ?
時間は少し遡る。
◆◇◆◇◆◇◆◇
ミルドから金貨4枚でグリモアを購入した後、クロガネの元へ帰り宿に帰ろうとしていた。
だが、何故かここで待っておけと命じたはずの場所にクロガネの姿はない。
トンズラされたか?とも考えたが恐らくそれは無いだろう。
名前をつけてもらっただけで忠誠を誓うのはどうかと思うが、この世界のモンスターにとって名前はそれほど重要なものなのだ。
だからトンズラはされてない……と願いたい。
そんなことを考えていると、森の方から複数人の声が聞こえた。
そして冒頭にもどる。
◆◇◆◇◆◇◆◇
『私は無闇に命を奪うような真似はせぬ。貴様ら……早急に立ち去るがいい!!』
クロガネがそう叫ぶと、ビリビリッと空気が振動した。
なんだよこれ!!声デカすぎるだろ!
いや?威圧されたような感覚はあったが、耳にあまり影響がない。多分あれもスキルなんだろう。
《あれはスキル〈威圧〉です》
……やっぱりか。
「あのー」
僕に声をかけられた6人の冒険者?は武器を構えたまま――
「あんた!ここは危険だ離れてろ!!!」
そんな事言われましても……。
『主よ・・・もうお戻りでしたか、しばしお待ちくださいこの者達を追い返しますので』
「その必要はないよ」
「「「「「「へ?」」」」」」
はい?
「あぁ心配しなくても大丈夫ですよ。ここに居るクロガネは僕の仲間ですから」
「あんた……テイマーだったのか」
そう言ったのは両手剣を装備している30代後半程のおっちゃんだ。
「えぇと言ってもテイマーの職業は持ってないのですが」
「テイマー職無しでテイムした!?」
「はい……そうですけど?」
「分かった。そういう事なら問題ない、武器を向けて悪かったな」
「いえいえ、大丈夫ですよ。」
◆◇◆◇◆◇◆◇
一悶着あったが、大きな問題は発生することなく街に帰ることが出来た。
クロガネは森に置いてきたけどまぁ大丈夫だろ。
ほんの数時間しか経ってないはずなのに妙に懐かしい感じがする
ただいま。
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