第8話 武器を探しました

「シャドウ・ウルフの討伐……確認しました。こちらが達成報酬の5000メアになります」

「ありがとうございます!」


 思いがけないミスをしてしまったが、クエストはしっかりと達成した。1番の功績はやはりサバイバーの受け身スキルだろう。

 スキルの発見が早く済んだのはラッキーだった。

フレイム・ウルフも倒してしまったがまぁいい経験になったと思っておくことにしよう。


「この街でいい武器屋ってあります?」

「武器屋ならここの地下にありますよ。」


 笑顔でそう答えてくれる受付のお姉さん。

 ギルドに地下室があるのか……早速行ってみるとしよう。

 昨日と今日のクエストで結構金が貯まってきている。まだ2日しか冒険者やってないけどサバイバーを手に入れたのだからナイフ系の武器を買いたい。

 そんなことを考えていると、地下に着いた。そこには2つのドアがあってそれぞれ〔武器屋〕〔道具屋〕と書かれていた。

 今回の目的は武器なので、道具屋も気になったが迷わず武器屋のドアを開けた。

 中は結構広く、数多くの武器が並べられていた。

 系統分けはしていないらしく何処に何があるのか全くわからん。

 とりあえず聞くとしよう。


「ナイフ系の武器を探してるんですがおすすめとかあります?」

「ん?あぁナイフね……長さはどれくらいが好みだ?」

「そうですね……大体20cm程でしょうか?」

「ならいいもんがある。最近仕入れたんだがな……銘は<ファントム・ナイフ>魔剣の1種だが能力が問題でよ……なかなか売れねぇのよ」

「問題?何があるんですか?名前からして幻を見せるとかそういうのだと思うんですが……」

「正解だな、このナイフの攻撃は認識出来ん。何故なら攻撃を自動で複製して多角的に攻撃してくる。あくまで幻だからダメージは無いが、どれが本物の攻撃か分からねぇって代物だ」


 問題ないじゃん!!むしろ超強いレア武器だろ!


「それ……何で売れないんです?」

「魔獣だよ……この魔剣は対象の視覚に偽物を作り出す。つまり質量も匂いも無い。」


 そうか……魔獣の五感は人間よりも格段に上だ。視覚に偽物を作っても匂いでバレるんだ。

 要するにこの魔剣は対人間用で、戦争の少ない街では需要が無い。それこそ盗賊から身を守る程度にしか使えないのだろう。

だけど……


「おじさん……これ貰うよ」

「いいのか?勧めといてなんだが使えんぞ?」

「普通のナイフとしての機能は問題ないんでしょ?なら大丈夫ですよ。」


 これが僕と僕の最初の愛剣との出会いだった。

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