第3話 始まりの町

「やっと……見つけた……」


 転生してから2日間たち、ようやく街を見つけた。

 まさかこんなにかかるとは思ってもみなかった。

 当然飲まず食わずだ。なんでもいいから胃に入れたい、それだけを考えて歩いていた。

 街の周りには大きな壁があった。これが魔獣とかから街を守るものなんだろう。

 目指しているのはギルドだ。異世界で魔石まであったのにギルドがないわけがない!!


「着いた……ここがギルドか?」


 それは恐らくこの街の中で最も大きい建物だろう。木造りの二階建てで、入口は広く扉の上にはギルドと書かれた看板が見える。


「文字は同じなんだな……」


 異世界だから文字が読めないことを覚悟していたが杞憂に終わったようだ。


「いらっしゃいませ〜食事なら右側、クエストの受注なら左側、買取なら中央奥の受け付けにどうぞ〜」


 中に入るとゲームでNPCがよく言うセリフが聞こえてきた。買取は奥だったな……早く魔石を買い取ってもらおう。


「あのー魔石を売りたいんですが」

「かしこまりました、ではギルドカードを提示してください」


 ギルドカード買取でも要るのかよ!!


「すみませんこの街に来たばかりなのでギルドに登録してないんですよ」

「そうでしたか……では先に登録を済ませて、またお越し下さい。登録はクエスト受注受け付けで出来ますので」

「それって登録料とか要りますかね?」

「はい。登録料は500メアとなります」


 無一文!!

 ちくしょう!何も買えなくなったじゃねぇか!!

 はぁ……。


「異世界でも……現実は甘くない……か」

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