第2話 初めてのガチャ

 転生チケットという謎のアイテムと、見慣れない草原で目を覚ましたこの状況……異世界転生ですかそうですか。

 だとすれば夢で聞こえたあの声は本物だったんだろうか?確かガチャとかいうスキルを獲得したって……。


《転生チケットの効果により、転生が完了しました。これによりチュートリアルガチャが引けるようになりました》


――は?――


 突如脳内に響いたアナウンス、これが幻聴でなければこれは夢でも幻でもない、本物の異世界転生となる。

 にわかには信じられないことだ。夢にまで見た異世界転生も実際に起こると現実味が無さすぎてさほどテンションが上がらないな……。


「さて……どうしたもんかねぇ」


――うん。――


 とりあえず引こう。


《ガチャを回しますか?》


YES


《チュートリアルガチャにより、スキル【マップ】を手に入れました。このスキルは中位スキルです》


「おおっ!!」


 マップ……名前からして地図に関係するスキルだろう。


《スキルはスキル名を声に出したり、念じると使えます》


 こんなことも教えてくれるのか・・・まるっきりゲームじゃん。


--〈マップ〉--


 スキルを発動させると、脳内に自分を中心とした一定範囲の地形等が立体的に映った。大体150メートルくらいだろうか?結構な距離だけど地図と呼ぶには狭いかな?

 熟練度とかに関係してくるんだろうな……。


「冷えてきたな」


 気にしていなかったが今はもう夕方だ。大体4時頃だろうか?夕焼けとまではいかないが、日が傾いている。

 服装はシンプルな黒いTシャツと紺色の半ズボン、肌着は着ているが夏物だから薄い。靴はスニーカー1つと軽装だ。これで寒くないはずがない。

 とにかく街を探すとしよう。金は持ってないが異世界ならギルドとかあるだろうし、簡単な依頼でもこなせば1晩は越せるだろう。


「なんて思っている時期が僕にもありました」


 甘かった……夕方に探し始めてその日のうちに街につけるなんて考えが甘すぎた。

 野宿するしかないか……と言っても野営をする道具はもとより、食料すら持ってない……。


「どうしたもんかな?」

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