#5~7を読んで

【彼らの冷静さが『残酷』を物語るようで。】を読んで

 

 この回は泣けた。

 偶然は必然だったのかもしれない。


 主人公は人から受けた言葉を真剣に考える人。

 とても教師らしい教師だと思う。理想的な。

 ここで主人公の目的が明かされ、物語の方向性が理解できたと思う。

 主人公の存在は確実に彼らに影響を与えており、救いになっていると感じた。


 この回で思ったことは、日本は戦争をしていないので考えたことはなかったが、戦争をしている国は前線で戦って国を守ってくれている人たちがいるということ。

 殺し合い自体がやめるべきことだとは思うが、望まずしてその任務にあたる人もいるわけだ。自分の人生は自分で選んで当たり前だと思う。

 しかしながら、それが当たり前ではない国も存在し、当たり前を当たり前だと感じることが、どれだけ恵まれていて幸せなことなのか考えさせられた。

 その当たり前を、孤児だからという理由で奪われた彼らが自らの人生を選ぶことが出来る未来が訪れたらいいなと思った。


【#6 諸刃の剣はその心を。】を読んで


 人にはいろんな選択の仕方があると思う。

 仮に選ばれたとしても、そこにいる理由は違う。あり方も、もちろん違うだろう。

 しかしながら自分はここを読むまで、その当たり前の事実に気づかずにいた。

 それは最初に抜けた人物の印象が強かった為である。


 ”孤児”であることが生活への不安であり、子供だからこそ生きるすべを得られないのは当然のこと。現実の社会でも当然のごとく人身売買は行われている。

 人の命は軽く扱われているのだ。

 生活が苦しいから子供を売るという考え方は、理解することはできない。だったら産まなければいいだけなのだ。そんな当たり前のことが出来ない人はたくさんいる。

 そういう国は、出産自体にはそんなにお金はかからないのかもしれない。

 そう考えると、日本ではお金がかかるから出産を諦めるというのは、それもまた孤児を無くすための一つの在り方なのかもしれない。ただ、お金があるから子供をちゃんと育てられるかと言えば別の話しだ。


 つまり、この物語では自分の意志で残り続けたい人物もいる。

 主人公の良さは、誰のどんな考え方も尊重するということ。

 もっと大きな意味で、もう一度自分の未来、人生を選ぶことが出来たらいいと考えているのだと思う。それはもちろん、このクラスの意味を知っているからだとも思う。そんな彼に触れ、生徒や周りの人物がどんな選択をするのかが見どころの一つなのだと感じた。



【#7 どうして、こんなにも彼らは。】を読んで


 ここまでの物語は、主人公が彼らの姿を知るまでの経緯だったのかもしれない。

 ”人を殺すという任務を負いながら、初めて人らしくいられる瞬間”を主人公は見ていたのだと思う。(この回で)それは彼らが意識せずにしての姿。


 主人公と共にいることで変化をきたす彼ら。それでも彼らには組織に所属し続ける理由がそれぞれにあるのだと思う。

 もちろんそのことに疑問を抱かない者、楽しんでいる者もいるだろう。


 彼らが一緒に学ぶということは、それ自体に意味がある。

 今まで孤独だった彼らが”互いを仲間”と感じ、”信頼関係”を築くことに意味がある。それはリスクでもある。


 この物語の終着点は現時点では分からないが、そのリスクがこの先彼らの人生にどう影響を及ぼすのか? 

 人には心があって、思いやりや愛を知っているからこそ、他人を傷つけたいとは思わないものだ。孤独で他人に対して何も思わないから、他人を傷つけても何も感じない。彼らの任務を考えたら、その方が苦悩せずに済む。

 彼らを変え、自ら人生を選ばせたいと感じた人物は、彼らにその試練が乗り越えられると信じているのだろうか? そうならいいのになと思った。

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