また、こちら側にきたあなたに…

夢があった私は、よく友達や姉と占いの館みたいなところへ行っていました。

19歳の頃に、その占いの館でめちゃくちゃ当たる人に出会います。その人に色々占ってもらいました。恋とか仕事とか…。


そしたら、その人に「あなたは、私側にいずれ来そうですよ!占いの先生に弟子入りして」と言われました。

「興味ありますか?」と聞かれて、その時は何となくと答えました。


「また、こちら側になったあなたに会えるのを楽しみにしています」と言われて占いは終わりました。


縁ってやつですね。彼女に再び会いに三ヶ月後に行くともう彼女は在籍していませんでした。

私がなぜ彼女にもう一度会いに行ったかと言うと、彼女が言った未来が的中したからです。

順調に働いていた仕事場が潰れる事や大好きな彼との関係が、全て当たっていたからです。たった、一つの石を手に取るというだけの彼女の占いは私の未来を当てていました。

彼女の名前で、他のお店に行ったのかも検索したのですが…。私は、彼女を二度と見つける事が出来ませんでした。


そして、彼女が言ったこちら側にはなっていません。確かに、私は昔から直感能力に優れていました。

誰と誰が付き合い、別れてしまう事も、写真を見せられただけで言い当てられるような人間でした。

高校の頃です。友人が、私の彼氏なのと言って連れてきました。当時、年上の女の人と7人ぐらいでよく話していました。その人と友人を見て妙な違和感を感じます。

本当に付き合ってる?嫌、付き合ってると話してる。目の前で、確かに二人は手を繋いでいたし、見つめ合って話していました。でも、私には何かがおかしかった。それを見てる時でした。違和感の正体がやってきました。

「授業長かったー」いつものメンバーの一人であり、彼氏を紹介した彼女の親友が彼氏と一緒に入ってきました。その人を見た瞬間でした。

あっ!そっか!彼は彼女の彼氏なんだ。私の違和感の正体がハッキリと浮かび上がりました。

一週間…嫌、五日以内に彼は彼女の彼氏になるか…。そんな事を思って帰宅時間になります。その仲で仲が良かった友人二名と私は帰宅します。

「ねぇねぇ、あの子と彼氏続きそう?」

同時、特に仲の良かった二人には、この不思議な能力を話していました。実際に、当たるかを数人の学校生徒で勝手に試していました。そして、見事的中したので二人は信じてくれるようになります。

「私の感覚では、五日以内に別れて、親友と付き合うよね!浮気しちゃうんだよ。あの彼氏」

「えっ!本当。当たるか楽しみー」

「私も楽しみ」

何て二人は、ニコニコ笑っていました。そして運命の五日目がやってきました。


「あぁー、皆聞いてよー」

いつも話してる場所に泣きながら彼女が現れました。あっ!もうとられたか。私は、そんな感覚でした。

彼女は、二日前に彼氏から親友と体の関係をもったと話をされたと言いました。親友も彼が好きで、彼も親友が好きだから別れてくれと今日言われたと言います。

やっぱりか…。早めに言ってあげればよかったかな?何て思ったのですが…。占い師でもない私の言葉など聞いてくれはしないと思っていました。

その日の帰り仲がいい友人が、「◯ちゃん、これで全勝だね」と言ってきました。「いやー、何となくだよ」そう言った私に、「私も◯ちゃんに見てもらおうかなー。彼と続くかー」何て言ってきました。「でも、それで悲しい結末だったら嫌じゃない」「確かに!」何て話して笑いました。

そして、もう一人の子も「好きな人の事見てもらおうかなー」って言ってきました。「付き合えないって言って好きな気持ちなくなる?無理だよねー」「無理だわ」「じゃあ、今のままでいいんじゃない」何て話しながら帰りました。


そして、次の日彼女はお休みをして彼女の親友が彼を連れてやってきます。あー、こっちがしっくりくる。違和感がない。私は、見た瞬間にそう思いました。うん?でも、待てよ!何か変。私は、そう言って二人に集中しました。あー、この彼氏また浮気するわ!もって半年?いや、違うな。さらに集中すると三ヶ月だ!これは、決定。間違いないね何て一人で心の中で納得していました。

そして、その日の帰宅時間。こうれいのあの時間です。

「◯ちゃん、あの二人続く?」

「あー、あの彼氏。また浮気するよ!もって、三ヶ月じゃないかな」

「えー、また浮気すんの?」

「うんうん。何かもうすでに好きも薄れてる感じなんだよねー。だから、続かないよねー」

何て話しながら、帰宅します。そして、時間は流れていってこうれいの答え合わせがやってきます。

彼を取られた彼女と彼女の親友が仲良く一緒にやってきました。皆は、仲直りしたの?って小さな声で言っていました。私は、違います。やっぱりきたなって感じでした。


「ねー聞いてよ、みんな」

「何、なに!」

「あいつさー。また浮気したの」

「最悪じゃん」

「昨日知って、別れて!二人で責めたんだよ」

「うわー。ないない」

また、予想は的中しました。二人は、それから親友にまた戻りました。


そして、帰宅時間になりました。

「やば!◯ちゃん、すごすぎ」

何てその日は、帰宅しました。


そして、仲良しの彼女達の事も結局見る事になりました。

「やっぱり、私も付き合えるか見てよ」

「えっと、彼だったよね?」

「そう!」

「告白したらいいよ!あの人好きだよ」

「えっ?本当!でも、向こうから」

「それは、絶対に無理!向こうから待ってたら一生来ない。彼は好きだけど告白は絶対にしないから」

「何でわかるの?」

「こないだ見た時にね。思った」

「いや!喋ってなかったよ。立ってただけだよ」

「いいじゃん!告白してみなよ」

そう言って、私はニコニコ笑いました。彼女の告白は、見事成功しました。初めて会った時から彼も好きだったと言ってきたと話してくれました。二人は、三ヶ月後に別れてしまいました。それも、私にはわかっていました。お互いの価値観のズレで別れてしまう事が…。


「じゃあ、私も…。はい、写真」「結局、見ていいの?」

「いいの、いいの。◯ちゃんは信じれるから」私は、そう言われて彼女から彼とのツーショット写真を見せ

てきます。

「どう?」

「どうって、めっちゃ愛されてるよね」「破局は?」

「今はないよ!確実な事を言えるなら三ヶ月以内は絶対にありえない。だって、彼はめちゃくちゃ愛してるもん。◯ちゃんを」

「どこに書いてるの?」

「ここに書いてる」

私は、そう言って彼の写真の顔を指差して笑いました。

「うそー。書いてないでしょ?全然笑ってないし」

「笑ってる。めちゃくちゃ幸せだって愛してるって言ってますよ」

「そんなの言ってくれないよ」

「言ってみたら!シャイだから喜ぶ。そして、言ってくれるよ」

「えー。何でシャイって知ってるの?会った事ないよね」

「ない」

「いやいや、◯ちゃん怖いわ!凄い」何て話をして笑い合いました。彼女は、帰宅してから彼に愛してると伝えます。そしたら、彼も愛してると言ってくれたそうです。二人は、ある女の子が現れて破局します。それも、私には彼女が現れてすぐにわかりました。


学校を辞めてからは、芸能人とかで遊んでいました。これ付き合ってるねーとか、別れちゃうねーとか、一人で遊んでいました。すれば、するだけ、的中率は高くなるのが楽しかったです。そして、いつの間にか自分自身にもそれは使えるんです。あっ!この人私を気に入る、気に入らないとかね。

ただ、占い師さんが言ったような道にはいきませんでした。そして、忙しくなり研ぎ澄まされなくなって、この能力はホコリにまみれて消えていきました。


占い師になっていたら、成功率はあがっていったと思います。

ただ、この能力はかなり力を使いました。私が消耗していくだけです。

結局、私が消耗していったとしても誰も私の話など聞く事はないのではないかと思いました。そんな考えの中で、ある霊感を持った電話占い師に出会いました。彼女は、1日に数人しか見れません。そんな彼女が私に言いました。「もうね、色んな人を見るとね!疲れちゃうんです。でもね、皆さんには関係ないでしょ?だから、お酒を飲むしかなくてね。普通に働いてると色々見えたり感じちゃったりするからOLも出来なくなっちゃってね。わかってもらえないし大変なんですよ」私は、彼女の言葉がよく理解できました。

その言葉で、よけいに占い師にはならない方がいいのかな?と思いました。


私が、消耗し体力を磨り減らした所で、誰も私の言葉になど興味をもたないでしょう。駄目だと言われたって人間は続けるわけですよ。結局は、自分で経験するまでやめないわけです。止まらないわけです。

なのに、それを仕事にするとどうなるかな?何て考えたら…。やめておこうかなが結論でした。

少なからず、占いは大好きだから占い師には興味がありました。ないと言えば嘘になります。


でも、大変な仕事だと言うのがわかります。言葉だって選ばないといけないわけですし…。一生懸命占っても当たっていないと言われるわけで…。誰かの事を思っても、受け入れてもらえないわけで…。


私には、無理かもしれない。そう思いました。なぜなら、私は人との距離感の取り方がうまくないですし。関わった人には、幸せになって欲しいと思ってしまうからです。感情に流されるような人間に占い師は向いていない気がしますね。


変な話と思って読んでもらえたら嬉しいです。






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