無意識に、
沙夜ちゃんに会ってからは部活だからと謎の義務の様に4日ほど病院に通った。
毎日沙夜ちゃんは、暖かいふわふわした笑顔で迎えてくれて、
1年の時、ナナ達と喋っている時の私の顔はこんな感じだったのかもしれないと思った。
毎日、沙夜ちゃんとたくさんのことを話して、沙夜ちゃんのことをたくさん知って、
沙夜ちゃんも私のことをたくさん知ってくれた。
私と彼女が話しているのは、ごく普通の女の子の女の子と変わらない風景。
私がトモダチレンタル部で、部活として彼女に会いに行っている事と、
話しているのは彼女が入院している病院だということを除けば。
それでも沙夜ちゃんとのお喋りは、すごく、すっごく楽しかった。
でも学校のみんなからすれば、私は友達が居なくて、トモダチレンタル部に入って、
レンタルされた人の所に毎日通い詰めてる子。そんなイメージだったんだろうね。
ある日、いつもみたいに沙夜ちゃんのところに行こうと思って教室を出て、廊下を歩いてた。
そしたら、女子トイレから
「ほんっと、やばいよね〜!」
って、ナナの声が聞こえてきた。無意識に私は立ち止まると
私が一年の時仲良くしてた子達の声も聞こえてきた。
「わかる〜!トモダチレンタル部入るとか、マジで恥ずかしく無いのかな?」
「ウチだったらそんなこと絶対できないな〜。」
「っていうか、私1年の時から穂乃果のこと嫌いでさ、
ナナが一緒にいるから私も仕方無く仲良くしてたけど、本当アイツうざかったわ〜。」
「いやいや、私だって居たくてアイツと一緒にいた訳じゃ無いしw、
アイツちょっと話しかけたら変に勘違いして着いてくんのマジウザくてさw」
「うわ、ナナ悪女〜www」
頭が、真っ白になった。何も考えられなくて、考えたら分かっちゃう気がして怖くて。
そうだったんだ、嫌いだったんだ。 無理して一緒にいてくれなくてもよかったのにな。
友達だと思ってたのにな。 友達じゃなかったんだな。
私は、大好きだったのにな。
校門を出た私の足は、無意識に病院じゃなく、家のほうに向かっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます