惑星間をつなぐもの③
だが、その
「だいじょうぶ、それをなんとかするためにここまでかけまわって、たくさんあつめてきたんだから」
ソラはそう言って、僕を宇宙船の中へとやさしく押しこんだ。
「ちょっとだけ、宇宙船ごと
言われた通り船を
「ちょっと、ソラくん! 私たちをおいて先にいかないでよね! 女の子に気をつかうとか、そういう
「ああ……ごめん、ごめん。後は俺がやっておくから」
「しかしお前、こんなに
「……まあ、
「ふーん。なんか
「はいはい、
「いわれなくてもそうするっての。じゃあな、ソラ!」
「また明日ね、ソラくん!」
あれがソラの言っていたクラスメイトだろうか? 言い
「よし、行ったか。……もういいぞ」
僕はおそるおそる宇宙船から身をのりだす。そこにあったのは、ソラが持ってきたものよりもさらに大きくてたくさんの袋の山だった。
「ウソ……。これ、
「ああ、これだけあれば、むかえに来る
その言葉の意味がよくわからず、僕はコテンと首をかしげる。
「えっと、つまり……。一人じゃとても持ちかえれそうにないことを通信で伝えて、この短冊を
「……すごい、すごいよ! もしかして、そのために一日中がんばってくれたの?」
ソラの
「……ありがとう」
「いいって、それよりも通信……」
『その必要はない』
とつぜん、宇宙船の中からひびく声。それと同時に、僕らの
「父さん!? これは……?」
『お前から報告を受けた時、すぐにそっちに宇宙船を向かわせた。今は星の
そうか、「星もお前も救う」という言葉。あの時から、父さんは僕のことまでちゃんと
開かれた穴から、仲間の船がよく見える。
帰れる。僕は、ふるさとに帰れるんだ。
「よかったな。お前の父さん、すごいじゃん」
「ソラだって、まけてないよ」
「たしかに」
母星に帰る。それは、この最高の友だちとのわかれを意味する。ずっとずっと
なごり
「なあ、ずっと聞き忘れてたんだけど……」
「うん」
「最後にさ……お前の、名前。おしえてくれよ」
船はすでにうき上がり始めた後。その
「……ユウ。僕の名前は、ユウだよ!」
地面がどんどんと
「ユウー! ありがとう! 俺、がんばるから! お前とまた会えるように、ちゃんと夢叶えるから! だから、お前も……」
かすかに聞こえる友の声。僕は大きく手をふりかえして、空気なんかに負けないように、ソラにちゃんと
「こちらこそー! ありがとう……! またね、ソラ!」
いつか、また……。そんな日を夢見ながら、願いと僕をのせた宇宙船は、どこまでも続く空の向こうへと吸いこまれていった。
船は、広がる
帰ったら、一番にしたいこと。それは
窓ごしに、
『……もうすぐ着きそうね』
母さんからの通信が、僕をゆるやかに
『おかえり、ユウ』
「……ただいま!」
船が
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