第一話
恋心を流星に乗せて①
空をいろどるたくさんの流れ星。ほほを真っ赤に
「
ふりそそぐ
もうすぐ夜が開ける。少し前まで
支給されたコンパスには、小さくてほとんど使い物にもならないような星のカケラが入っているらしい。そんな「星くず」と呼ばれるようなカケラでも、僕を
「えっと……多分、ここだな」
コンパスが目の前の大きな家を指し示し、より
どのくらい時間がたったのだろうか。あまりに変化のない
「いってきまーす!」
いたむ
そうと決まればさっそく行動あるのみだ。僕は、重い足取りですすむ少女を
しばらく一定の
彼女は、はるか上空、
「今日こそ話しかけるんだ、私! おはよう、おはよう……! よ、よし」
「ははーん、わかったぞ。あれはズバリ、
ほぼ
「おはよー、ルカちゃん。今日は早いね」
「おはよう、まぁね……。明日は日直だから早起きに慣れておこうと思って。……あと、流石に
少女はやけに大きく広い建物に入ったかと思うと同年代の少女と何やら楽しそうに話している。僕のターゲットはルカという名前らしい。
「ねぇ、そういえばルカちゃんは昨日の流星群見た? すごかったよねー」
「あ、見た見た! 本当に、自分の目でちゃんと見たのは初めてかも……」
くつをはきかえ終わった二人は
「たしかに、映像の何倍も
「な、何?」
「ルカちゃんはさー、流れ星に何をお願いしたの?」
そう聞かれたとたん、彼女は顔を赤くしてムッと押しだまってしまった。なるほど、どうやらこの惑星にも、星に何かお願いをするという
「ねぇー、だまってないで教えてよー」
「む、無理無理、ぜったい教えないし! 逆にそっちは何をお願いしたの?」
「そりゃあもちろん……」
「おはよう、二人とも」
規則的に机が並べられた部屋に入ったところで、会話に夢中な少女たちに話しかけた
「ぅあ……お、おは」
「おはよー翔太郎! え、何? 翔太郎も早めに来た感じ?」
「まぁ、そんなところ。今日の日直オレだし、なのに遅刻したら恥ずかしいし」
「あはは! 恥ずかしいって、ルカちゃんと一緒じゃん! ね、ルカちゃん! ……ルカちゃん?」
「う、うん……そう、だね……ハハ」
先ほどまでの勢いはどこへやら、ルカはまだわずかにほほをピンクに染めつつ、つぶやくように相づちをうつばかりだった。
「……また、し
友達とはなれ
きっと彼女の願いは、翔太郎と呼ばれていた少年に「おはよう」と告げることにちがいない。恋の悩みという僕の見立てに
僕はさっそく、日を
こうして、見知らぬ惑星「地球」での最初のミッションがまさに今、スタートしたのだった。
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