彼と会えなくなってから初めて彼を恋しいと思った……

3万PV有難うございます。

====================================


俺は今、決断を迫られていた。

彼女と幼馴染どちらを選ぶのかと。


この状況の原因は俺にある。

俺と幼馴染は別に付き合っている訳では無い。


思春期を迎え性に興味を持った俺と幼馴染のアイツはそういう雰囲気になり興味本位に身体を重ねた。

お互い初めてということもあり二人きりになると何度か行為に及んだ。

それが去年の事。


今年になり俺の事を好きだという子が現れ告白を受けた。

同学年の中でも綺麗な子。彼女がいない俺はその告白を喜んで受けた。


GWには以前から計画されていたうちと幼馴染の家族合同でのキャンプに行く為、彼女とは逢えなかった。

この時には特に幼馴染と何かがあった訳ではない。

ただ、頻繁に彼女とトークをしている俺を面白くなさそうに見ていた。


夏休みになり度々彼女がうちにやって来た。

それも別段おかしな事じゃない、彼女が彼氏の家に遊びに来ているだけのこと。

まあ、平日は両親ともに仕事に行ってるので行為に及ぶ事もある。

思春期の性はそういうものだろう?


彼女とキスをしている時に幼馴染がうちに入ってきた。

いつもの様にインターホンも押さずにやって来た。

うちの親もその事については何も言っていないのでそれを咎めるつもりも無い。

ただ、タイミングが悪かった。


彼女は幼馴染に対して険しい表情を向け、『あなたは彼とどういう関係ですか?』と詰め寄り言い放つ。

幼馴染は彼女に対して『私は、彼の幼馴染で、初めての相手よ』といらん事を言いやがった。


彼女に対してマウントをとりにきた。

慌てて俺は『それはお前と行き合う前の事だと』弁解をする。

苦々しい表情を浮かべた彼女だったがなんとか納得してくれた。

これでこの話は終わりにしたかったのだが、そこへGWキャンプの話を投下され、二人で同じテントで寝たと話し始めたものだから再び彼女の機嫌が悪くなった。


早く帰ってもらうために要件を聞くが『暇だから来た』と言って帰るそぶりを見せない。

俺は彼女と出かけるからと言って幼馴染を追い返した。

そこから彼女の機嫌を取るのに苦労した。


それでもこの夜に起きた事を思えば生易しいものだったと言える。


その日の夜、俺は日中に彼女とはしゃぎ過ぎ早々に眠りについた。

それはもう地震がきても起きない程に。

そんな泥睡状態の俺だが、強烈な解放感に襲われ目を覚ました。

俺はその感覚に覚えがあった。

去年、何度も感じた幼馴染と身体を重ね、欲望を吐き出す時の感覚。

ただ、あの時よりも感じる刺激が大きい。より直接的に感じる。


目を開けるとそこには俺の上に跨り背を仰け反らせている幼馴染の姿。

俺の上で何度も腰を痙攣させ俺の息子を締め上げてくる。

痙攣がおさまり俺の上から身体を浮かせた幼馴染からは俺の放った欲望が滴り落ちて糸を引いていた。

コイツは避妊せずに俺の上で腰を振り、俺の欲望をその身に受けた。

俺はその事をコイツに詰め寄るがはぐらかして自分の家に帰っていった。


翌朝、俺のうちに険しい表情をした彼女が訪ねてきた。

俺にはなぜ彼女がそんな表情をしているのか分からなかった。

彼女は自分のスマホの画面に俺と幼馴染の情事の画像を表示させ『昨日、何度も連絡したのに……』と言う。

身に覚えのない俺はスマホを確認したが電源が切れていた。


俺は昨晩に起きた事を包み隠さず話し、俺が眠っている間にスマホのロックを解除して彼女に写真を送った後、電源を切られたんだと説明した。

俺が好きなのは彼女だけなんだと。

必死に弁解をした。


彼女からは幼馴染と会う事を禁じられた。

その事について俺に逆らう意思はなかった。

彼女の前で幼馴染に『もう俺に関わるな』というメッセージを送信させられ、部屋の扉には内側からかけられる鍵を取り付けさせられた。

それでも、彼女に与えた不安な思いに比べれば大した事ではないと受け入れた。

彼女は俺の意志で行った行為ではないと溜飲を下げてくれた。

本当はそれでも納得がいっていないのかもしれない。

それでも俺のそばにいてくれる事を選んでくれた。


俺は彼女に頭を下げ謝罪した。

そうする事が必要だと感じたから。




それから四ヶ月が過ぎ、彼女との約束通りに幼馴染とはあれ以来会っていない。

彼女とは良好な関係を築けていると思う。

明日、クリスマスイブもデートをする予定だから。


そうして迎えたデートの日、彼女と待合せてデートを楽しんだ後、夕飯を作りたいと言う彼女と共に俺のうちへと戻って来た今、幼馴染がうちの前で待っていた。

怪訝な表情を浮かべる彼女と不満な表情を浮かべる俺の前で幼馴染は、『妊娠17周目なの』と言って来た。

俺と彼女は驚いた表情を浮かべて幼馴染の顔を見た。


「私はあなたの子供を身籠ったわ。だから、その女と別れて責任をとって」

「お前が…「あなたが寝込みを襲ってできた子供の責任を彼に追わせるの?馬鹿にしないで」


俺が言葉を挟む前に彼女が幼馴染の頬を叩いた。

乾いた音が響いた。


「それでも、この子の父親はあなたよ」

「妊娠の可能性も考えずに性行為をしたの?そうじゃないでしょ?初めから、彼を奪うつもりでヤったんでしょ?」

「だとしたらどうなの?」

「それなら自業自得でしょ、彼に責任を求めないで!」

「この子の父親はあなたよ、あなたはどう責任を取るの?」

「俺は………」

「そんな責任、取る必要は無いわ。この子が自分で責任を取ればいいのよ」

「それはそうだけど……」


俺は幼馴染に告げられた『この子の父親はあなた』と言う言葉に衝撃を受けて思考が働かない。


俺は今、決断を迫られていた。

彼女と幼馴染どちらを選ぶのかと。


結局、彼女の提案で俺の両親と幼馴染の両親を交えて話をする事となった。


両親の帰宅までは時間がありそれまでの間、俺たちは気不味い雰囲気の中過ごすことになった。


両親達が帰宅し、俺のうちに集まった後、事の経緯を彼女が説明してくれた。

俺の両親も幼馴染の両親も難しい顔をしていた。

俺の意志で行為に臨んだのであれば両親は責任をとって彼女と別れろと言っただろう。

だが、俺は寝込みを襲われた立場だ。

流石に両家の親共に俺に責任をとれとは言われなかった。

その代わり、俺と幼馴染を引き離す為に俺は一人暮らしをする事になり、幼馴染は高校を退学させられる事になった。

子供をどうするかは幼馴染と向こうの両親で話し合う事となった。


その後も俺と彼女の関係は続いている。

ただ、幼馴染との件があってから、俺の行動を逐一確認して来る様になった。

束縛が強くなったように感じるけど、彼女の心情を考えると、それも仕方のない事と俺は受け入れている………

____________________________________


私の初めての相手は幼馴染、別に好きだったわけじゃない。

ただ、お互いに思春期になりそういうことに興味を持って、そういう雰囲気になったから身体を重ねた。


小さい頃から一緒にお風呂に入ったりしていたから、そんなに抵抗なく肌を晒した。意外と逞しく男の体になっていた事にドキドキしてしまった。


初めての行為は痛みの方が強く、クラスの女子が言う様にこれが気持ち良くなるのかと思った。

ただ、彼は気持ち良かったのか、その後も私を求めてきた。

拒む理由もなかったから、夏休みの間に何度か身体を重ねた。

そのうちにお互いの気持ちいい所が分かってきて、私も気持ち良くなって来た。

その関係も秋になり、私に彼氏ができて終わりをむかえた。


彼氏の浮気が原因で年末には別れた。

クリスマス前の出来事、二人で過ごしたかったのに……



春になりGWを迎え、幼馴染の彼の一家と私の両親で恒例のキャンプに出かけた。

彼に彼女ができたようで頻繁にトークをしている。

なぜかモヤモヤした気持ちになった。


夏休みを迎え、退屈だった私は幼馴染の彼のうちを訪ねた。

いつもと同じ様に勝手に入っていくと彼と彼女がキスをしていた。

彼女は私に対して『あなたは彼とどういう関係ですか?』と詰め寄って来た『私は、彼の幼馴染で、初めての相手よ』と言ってやった。

彼は慌てて『それはお前と行き合う前の事だと』と弁解していたからGWに一緒のテントで寝たことを告げた。

彼女は険しい表情を浮かべていたけど、彼が『彼女と出かけるから』と私を追い出した。ムカムカしたこの気持ちはなに?


その晩、私は彼の部屋に忍び込んだ。

ぐっすりと眠る彼は私が触れても起きない。

彼の下着を下ろし、舌を這わす。刺激を受け血流が集まって硬さを増してゆく。

十分な硬さを帯びたそれを私の中に導く。

ずっぷりと入ったそれを彼のスマホで写す。

ロックがかかっていたけど指紋認証は彼の指で解除した。

綺麗に撮れた結合部の写真を彼女とのトークにあげた後、電源を切る。

その後は彼が達するまで腰を振った。久しぶりの彼に私も興奮して歯止めが効かなかった。

彼の欲望が私の中に染み渡っている時に彼が目を覚ました。

彼を見下ろしゆっくりと腰を上げる。私の中から溢れた彼の欲望が糸を引いている。彼が私を問い詰めようとしたが私はそれを無視して家に帰った。

どうしてこんな事をしたのか私にもわからない。

私の中にある暗い気持ちがそうさせたように思う。


翌日、彼から『もう俺に関わるな』とメッセージが届いた。

連絡しても繋がらない。トークにも既読がつかない。あの女の入れ知恵に違いない。窓から彼の部屋を伺えば、あの女の姿が見える。


この日を境に彼と会う事ができなくなった。

私は彼と会えなくなってから初めて彼を恋しいと思った。

失ってから気づく、よく言われる言葉、それを自分が味わうとは思っていなかった。


秋になっても生理がこない。

彼を失い精神的に参ったことで生理不順になったと思い気にしなかった。

十月になり、つわりが始まった。

まだ、両親には気づかれてない。


クリスマスイブをむかえた今日も彼の姿を求めて窓の外を眺めていると彼とあの女が手を繋いで帰って来ていた。

そこは私の場所だったのに……


私は彼の家の前で彼らを待ち『妊娠17周目なの』と彼に告げた。


その後は両家の両親とあの女を交えて話し合いになった。

私は子どもを身籠っているのだから父親の責任を果たしてと懇願した。

それを両親たちは彼の意思が無い状況で寝込みを襲ったのだから彼に責任を求めるなと言ってきた。

目の前が真っ暗になった気分だ。その後はどういう話をしたのか覚えていない。


彼はあの家を出て、私は退学する事になった。

父親からは子どもを堕ろせと言われた……この子だけは奪わせない。


私の元に残った宝物、絶対にこの子を私は産むの、そしていつか………


====================================


浮気癖のある男をモノにするために狙って妊娠した女性がいたもので。

(そのカップルは無事に?結婚して現在も旦那は尻にしかれ——)

寝取りの手段としてそういう行動を起こす人がいてもおかしくないかなと思って綴りました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る