なんの不満もなかったはずなのに……

2話合計 10000PV記念。

SDKさんのコメントより執筆。

徹夜の勢いで、短め、ソフトです。

物足りない方ごめんなさい。

皆さん、お読み頂き有難うございます。

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私と彼の付き合いは高校二年から六年に及ぶ。

周りからは『いつ結婚するんだ』と揶揄われるほど。


同棲を初めて三年、性格に不満はない。

彼とは細かなことでも話し合い、互いに関係を良好に保つ努力をしている。

一番の懸念であった味覚の違いもなく、生活は平穏に過ごせていた。


私も彼も容姿は平凡より上くらい。

そこそこには持てたけれど、彼以上に私を求めてくる人はいなかった。


彼も私を大切にしてくれるその事に不満はない。

夜の性活も不満はない。

彼も、私もレスになる事なく過ごしている。


そんな彼に浮気の疑惑が出てきた。

帰りが遅くなり、お酒を飲んでくることが増えてきた。

友人から彼と女の人が夜の街を歩いていたとの報告。


彼のジャケットについた知らない匂い。


それとなく彼に聞いてみる。


「最近、帰りが遅いけど、仕事が忙しいの?」

「ああ、もうしばらくは遅くなりそう」

「気をつけてね」

「ありがと」


会話だけ聞くとその心配はなさそうだけど、ジャケットの匂いが気になる。


そういった思いを抱きながら三ヶ月ほど過ぎた頃、彼の財布の中から一枚のメモが出てきた。


メモには連絡先と『今度はゆっくりしましょうね』の言葉。

この時、私は彼の浮気を確信した。


その後も時々あの匂いをつけて彼が帰ってくる。

その日はいつも遅い。

先にベットに入っていた私が彼を求めても『疲れてるから』と拒まれる。

それ以外の日には朝から求められることもある。

私は彼が初めてだった。

彼の求める行為にはほぼ全て応じてきた。

私の身体は彼によって開発されたと言っても間違いじゃない。

それなのに私以外の女を抱いたのだろうか?

いや、状況的には抱いている。


私は私たちの先輩に彼の浮気について相談した。

先輩は、私の話を親身になって聞いてくれた。

話をするうちに私は溢れる涙を堪える事ができなくなった。

先輩は私の頭を優しく撫でて涙が止まるまで何も言わずに私を支えてくれた。

涙が止まり、先輩に縋り付いていることに恥ずかしさと、久しぶりに人に甘えられたことから私は先輩の唇を求めた。


戸惑っていた先輩も私を受け入れ、最初は啄むように口づけを交わし、次第に貪るように互いの唇を犯していく。

次第に昂まっていく私たちは互いの身体を弄り合う。

先輩が私の双丘を求めてくれば、その頭を胸に抱き、快楽に身を任せる。

彼の触り方と違う、彼ならここを弄ってくれる。そう言った思いがよぎるが、優しく求められることを拒むことが出来ずに先輩を受け入れる。


私の身体は彼との違いを受け入れ、蜜壺からは愛液が滴る。

ゆっくりとその蕾に触れられた時に甘い喜びを感じた。


お互いそういうつもりがなかったから避妊具はない。

それでも私は我慢できずに彼の上に腰を下ろす。

昂ぶる先輩を蜜壺の中に導く、彼より細いけど奥まで届く。

奥にあたるのが気持ちよくて何度も腰を振る。

今、先輩は私の中で欲望を吐き出すのを我慢している。

優越感が私を満たす。

逝きそうだという先輩に『膣内出なかだしするんですか?』といい、我慢を強いる。

私の中で先輩が膨らんでくる。

もう、我慢できなくなっているんだろう。

必死に我慢する顔が愛おしく思え先輩の唇を貪る。

それと同時に私の膣内なかで先輩の欲望が弾けた。


余韻に浸るように抱き合っていた私たちは熱が冷めると共に冷静さを取り戻す。

お互いに一夜の過ちという事にして別れた。

私は翌日アフターピルを飲み平凡な日々に戻ってゆく。


背徳感はドキドキしたけれど、

私は先輩より彼を愛している。

彼との行為の方が私は好き。

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俺には六年間付き合っている彼女がいる。

俺に尽くしてくれる彼女。

性格に惚れて付き合い始めた。

あの頃ほど情熱的に求めることは無くなったが今も仲はいい。

『いつ結婚するの?』と揶揄われることもあるがもう少しお金を貯めてから。


山場を越えた仕事帰りに同僚と飲みにいく。

彼女のいない同僚はお姉ちゃんのいるお店を好む。

そんなある時、珍しく女性が一人呑みしている。

そこまで、客層のいい店じゃないから酔客に絡まれている。

気まぐれから女性に声をかけ酔客を引き離す。


それだけの関係、名前も聞かない、教えない。

ある時、彼女に『寂しいから一緒にいてほしい』と言われた。

この時はただ一緒に過ごしただけ。

俺と彼女は偶に酒場で出会い酒を酌み交わし、身体を寄せ合うそれだけの関係。


そんな関係もどちらかが踏み入ると簡単に砕ける。

彼女が俺を求めてきた時、俺は受け入れた。

お互いその気になっていたから最初から激しく求め合う。

舌を絡め、涎を垂らしても気にせずにお互いを求め合う。

何度も何度も腰を打ち付けあい俺と彼女は絶頂を迎える。


事が終わってから家で待つ彼女のことが頭によぎる。

一夜限りのことと割り切り家路に着く。


彼女が財布の中に連絡先のメモを忍ばせた事にも気づかずに。

____________________________________


彼は浮気をしている。

それでも私の元に戻ってくる。


私と彼は性格も、食事の好みも、体の相性も悪くない。

だから一緒に過ごしている。

愛してもいる。

将来は結婚する事だろう。


私は先輩と一度だけ関係を持った。

だから、彼のことは度が過ぎなければ見守っていこう。


先輩との関係で私は少し変わった……

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