地球の一番長い日//核攻撃寸前
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──地球の一番長い日//核攻撃寸前
東雲たちが白鯨の攻撃を阻止しようとしている中で、ベリアたちは
「ディー。アメリカ海軍の構造物に
「できるぞ、アーちゃん。総当たり方式で
「オーケー。問題は構造物に侵入してからだ。アメリカ海軍の構造物に進入できても、戦略原潜を含めた核兵器のシステムはさらに超高度軍用
「ああ。そうだな。総当たり方式は確実だが時間がかかる。核攻撃前までって時間制限がある状態では、死者がもう死なないってメリットもそこまで生かせない」
ベリアが“ケルベロス”のハッカーチームが
「じゃあ、私たちも手を貸すよ。アイスブレイカーをありったけ準備する」
「頼むぜ。少しでも弾薬が必要だ。激戦になるからな。こいつは硫黄島のアメリカ海兵隊になって日本軍の陣地を攻略するようなものだ。支援は不足し、敵は強固。いくら砲弾を叩き込んでも巧みに反撃される」
「オーキードーキー。こっちには有利な点もあるよ。こっちには魔術由来の技術があるってこと。少なくともアメリカ軍の高度軍用
「いいニュースだな。少しでも迅速にアメリカ海軍の構造物を制圧しよう」
ベリアとディーがアメリカ合衆国はバージニア州の
以前、マトリクスの魔導書事件が起きたとき、マトリクスの魔導書の呪いを受けたハッカーがこの
「これは厳しい
「アスタルト=バアル! そっちの状況はどう?」
「今からアメリカ海軍の構造物に
「白鯨を相手に
「白鯨を説得? そりゃ猫耳先生がチューリング条約を死文化して超知能と共存する社会を作りたいっていうのは分かるけど、雪風と一緒でも今の暴走した白鯨を止めることなんてできるのかな……」
「分からない。けど、雪風はとんでもなく強力なアイスブレイカーを準備している。それで白鯨の超高度軍用
「じゃあ、東雲と猫耳先生、そして雪風が白鯨を止めてくれることを祈ろう」
ロスヴィータの言葉にベリアが頷いた。
「私たちは私たちの
「やろう。準備はできてる」
ロスヴィータも加わってベリアたちが
「トラフィックが多くて回線がラグりそう。プラチナ回線ってわけじゃないけどこのままじゃ不味いかもしれない」
「それじゃあ、プラチナ回線を乗っ取ろう。まずはそこからだ」
ベリアたちはまずは回線を切り替える。
「あった。アローが運用している通信衛星。
「オーケー。バンダースナッチはこの衛星を押さえておいて。じゃあ、回線を切り替えて再びバージニア州のマトリクスにジャンプだ」
ベリアたちがアクセスる回線を切り替え、良好な回線で
「さあて、あの高度軍用
「見せてくれ。俺も改良できるかもしれない」
「頼むよ、ディー」
ベリアがディーにアイスブレイカーを渡す。
「死者の世界でも俺たちは延々とアイスブレイカーや
ディーがそう言いながらアイスブレイカーを改良する。
「死者の世界で培った技術を組み込んでみた。良くも悪くも今の俺たち死者はある種のAIと同じだ。肉に影響されない純粋な情報生命体。だから演算力は人間より優れていると言えるだろう」
ディーは改良を終えたアイスブレイカーをベリアに返した。
「死者の世界で発展した技術を組み込んである。死者の世界には白鯨の開発に関わったり、マトリクスの魔導書の分析に関わっていたりしていながら、ASAとは距離を置いていた連中がいて、そんな連中が知恵を貸してくれた」
「イエイ。やってやろう!」
ディーから渡されたアイスブレイカーを手に
「ジャバウォック、やって」
「了解なのだ!」
ジャバウォックがアイスブレイカーを手に
AIキラーが複層式の限定AI制御の
「よし。
ベリアたちが
「まだまだ使える。いけるよ!」
「オーケー。でも、最大の難関はこの先だよ。核の制御システム」
ロスヴィータが歓声を上げ、ベリアが既に高度軍用
その中に戦略原潜の
「こいつは難関だぞ。魔術や死者の世界の技術ってのは一種のバグ技やチートみたいなもんだが、こいつはそれらの対策がしてある。昔のゲームに組み込んであった不正なプログラムの使用を制限するって奴だ」
「ここに来て。どうしたものかな。多分、国連チューリング条約執行機関の作ったAIキラーは動作する。ある程度はね。だけど、超高度軍用って称号は伊達じゃない」
ディーとベリアがそう言葉を交わす。
「でも、やらないと核攻撃が実施されちゃう。残り11分だよ」
「分かってる。けど、無為無策に挑んだってどうにもならない」
超高度軍用
つまり、下手に突っ込めば返り討ちというわけだ。
「お困りですか、先生?」
「エミリア。君も来たんだね」
「ええ。先生たちを狙っている軍隊はもう撤退しましたから。こっちをお手伝いできますよ。私を頼ってください!」
ロスヴィータが言うのにエミリアが胸を張った。
「ねえ、エミリア。君はいろいろな魔術を学んだんだよね? そして、君はマトリクスについてディーから教わった。なら、
「ええ。
「お願いしよう。任せたよ、エミリア」
「はい、先生」
ロスヴィータの言葉を受けてエミリアが純粋な魔術によって核の制御システムを防衛している超高度軍用
「まずは
エミリアが放った魔術が超高度軍用
この時点で超高度軍用
「そして、ここにローゼンクロイツ学派が得意とする通信魔術のうち、敵の通信を妨害する
エミリアが超高度軍用
「ラスト! 呪われた宝を守る守護者を抹殺する
超高度軍用
「凄い。凄いよ、エミリア! ボクたちの世界の魔術はここまで進化してたんだね! そして、君はそれを学び取った!」
「えへへ。頑張りました! 私は死んだ後もずっと魔術の研究者でしたので!」
ロスヴィータが絶賛するのにエミリアが照れながらそう返す。
「いよいよ核の制御システムをハックだ。核攻撃を止める!」
ベリアがアメリカ海軍の構造物内、さらにそのなかの核の制御システムの構造物内に入り、命令を受けて
「発射シークエンス、強制停止! システムを焼き切る!」
ベリアが戦略原潜の核発射システム及び命令送信のための通信設備の両方を停止させ、そして物理的に焼き切った。
「攻撃までのカウントダウン停止! やったよ!」
核攻撃までのカウントダウンが進んでいた核の制御システムが完全に停止するのにロスヴィータが歓声を上げる。
「まだだ。核兵器の使用が国家の存亡がかかった事態であり、核保有国は冷戦時代から確実な
「つまり、核の制御システムには冗長性があるということだね。バックアップのシステムが存在する。確実な核攻撃の実施のために」
ディーが言うのにベリアが頷く。
「ここにはないシステムで制御されてるってわけ? じゃあ、どうやって攻撃を止めるのさ? ここに
「少なくともバックアップシステムを起動して、再度攻撃命令を出すまでには時間がかかるはずだよ。だから、攻撃命令が再発令される前に
「命令が下される前に発令不能にするんだね?」
「その通り。通信衛星をぶち壊して、C4Iをハックして、命令を出させない」
「オーケー。やってやろう」
ベリアが言い、ロスヴィータが返して、彼女たちは今度は
「懐かしのTMC。ここに
「了解! やってやろう!」
ベリアたちが
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