帝国主義者に死を//コリアンコネクション
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──帝国主義者に死を//コリアンコネクション
東雲と八重野はコリアンギャングであるトーキョー・ボーイズの利用している倉庫の前に立った。清水はここにあるいくつかの建物にトーキョー・ボーイズが韓国から送られた荷物があると言っている。
「おうおう。入り口から危なそうな連中がいるぞ」
「型落ちながら軍用の
「無人警備システムは？」
「いつでもジャックできる」
「じゃあ、おっぱじめてくれ」
東雲がそう言うのと同時に八重野が倉庫に設置されている無人警備システムをジャックして侵入が許可された人間のリストを全て削除し、東雲と八重野を加えて稼働させた。
「────！？」
無人警備システムが突如としてトーキョー・ボーイズの構成員たちに牙を剥き、ガトリングガンやショックガンが構成員たちを吹き飛ばす。
「最高。無人警備システムの相手をしないでいいどころか、無人警備システムが仲間になってくれるなんてな。じゃあ、ぶちのめそうぜ！」
「ああ」
東雲と八重野が倉庫に向かう。
「止まれ！ 近づくんじゃない！」
「ぶち殺すぞ！」
トーキョー・ボーイズの構成員たちが銃火器の銃口を東雲たちに向けて来た。
「そいつはこっちのセリフだ。ぶち殺してやるよ！」
東雲は展開させた“月光”を高速回転させてトーキョー・ボーイズの構成員たちに突っ込んでいった。
放たれる機関銃や自動小銃からの射撃を弾きつつ、東雲が相手に肉薄。
「ミンチになりな！」
“月光”が敵を斬殺し突破口を作る。
「いくぞ」
それから八重野が突っ込む。超電磁抜刀で相手を引き裂き、銃弾よりも早く動いて敵を切り裂き続ける。
「クソ！ サイバーサムライだ！ どうにかしろ！」
「無人警備システムがイカレちまってやがるぞ！」
警備ボットと警備ドローンがトーキョー・ボーイズの構成員たちに銃弾を浴びせるのに、トーキョー・ボーイズの構成員は遮蔽物に隠れながら東雲たちを銃撃する。
「楽な
東雲は情け容赦なく突っ込んでは敵を切り裂いていく。
鮮血が舞い上がり、“月光”が敵の血を吸う。
「東雲。先に進みすぎるな。援護できない」
「大丈夫だ。こっちはこっちでどうにかする」
八重野が苦言を呈するのに東雲が進み続ける。
「吹っ飛ばせ！」
「マジかよ」
そこでトーキョー・ボーイズの構成員たちが対戦車ロケット弾を持ち出した。
ランチャーからバックブラストが吹き荒れ、サーモバリック弾頭の対戦車ロケット弾が東雲に向けて突っ込んでくる。
「やられてたまるか！」
東雲は“月光”を投射して対戦車ロケット弾を迎撃。空中でサーモバリック弾が炸裂して衝撃波が辺りに撒き散らされる。
「撃ちまくれ！ 進ませるな！」
「海兵隊の連中を連れてこい！ 急げ！」
それから対戦車ロケット弾を乱射乱撃して東雲を吹き飛ばそうとする。
「クソッタレ。殺す気かよ」
「それはそうだろう。私が道を切り開く。ついて来てくれ」
東雲が必死に叩き込まれる対戦車ロケット弾の迎撃に追われるのに、八重野がトーキョー・ボーイズの構成員の立て籠もる急ごしらえの陣地に向かって突っ込んだ。
「サイバーサムライがもうひとりいるぞ！ 気を付け──」
「遅い」
八重野のヒートソード“鯱食い”がトーキョー・ボーイズの構成員の首を超電磁抜刀によって刎ね飛ばした。
「オーケー、八重野！ テンポ上げていこうぜ！」
八重野が陣地に乱入したことによって対戦車ロケット弾が飛来しなくなり、その隙に東雲も陣地制圧に向かった。
「クソ、クソ、クソ！ サイバーサムライってのはこんなに化け物なのか！？」
「文句言うな！ 殺せ！」
銃弾が吹き荒れ、50口径の大口径重機関銃が東雲と八重野を狙って乱射される。
銃が大口径化する中でもこの口径の銃火器は健在だ。50口径でも当たれば生身の人間は殺すことが出来る。十分なのだ。
「機関銃を制圧する。八重野、お前は雑魚を頼む」
「任された」
東雲が重機関銃陣地の射手に向けて“月光”を叩き込み、その隙に八重野が遮蔽物に隠れるトーキョー・ボーイズの構成員たちを切り裂く。
「後退、後退！ 白兵戦になれば負ける！ 制圧射撃を行いながら後退しろ！」
有象無象の素人たちが後ろから現れた軍人上がりと思われる構成員に指揮される。
「おっと。噂の韓国海兵隊上がりか？ いいぜ。ぶち殺してやる」
「同時に突っ込もう」
「ああ！」
八重野と東雲が統率を取りながら後退するトーキョー・ボーイズの構成員たちに向けて突っ込んでいく。
制圧射撃の機関銃射撃を“月光”が弾きつつ、身体能力強化で加速した東雲と高度軍用レベルの
「死ね、サイバーサムライ」
「来やがったな、韓国海兵隊の
口径14.5ミリの中国製電磁ライフルを握った元韓国海兵隊所属の
電磁ライフルが火を噴き、東雲がそれを高速回転する“月光”で弾き飛ばす。
「八重野！ 用心しろ！ そこそこの練度の
「らしいな。だが、この程度！」
八重野は果敢にもトーキョー・ボーイズの
「照準が合わない。どうなってる」
「インプラントと限定AIに任せるな。手動でやれ」
八重野にはヘレナの呪いがかかっている。因果は捻じ曲げられ、八重野は指定された時間まで決して死ぬことはない。
だから、電磁ライフルがいくら叩き込まれようと八重野は無傷だ。
「突っ込むぞ」
八重野が一気に
「本当に無人警備システムの相手しないでいいと楽だぜ。血がみなぎる。残らず八つ裂きにしてやるよ」
「東雲。何人か生かしておかなければ情報を聞き出せない」
「はいはい。分かりました。だが、
東雲は八重野に肉薄されて混乱する韓国海兵隊上がりの
「よし。あらかた片付いたな」
「だが、ここにはそこまで武器は蓄積されると言えない。確かに武器はあるが、旧式のもので数もギャングの構成員の分だけだ」
「ふうむ。清水はいくつかの倉庫を指定してる。残りを当たるか」
「油断するな」
「あいよ」
東雲が倉庫街のマップをAR上で開き、現在地を確認し、進むべき道を判断する。
「こっちだ」
東雲が倉庫の裏口を蹴り破る。金属製の扉が音を立てて開く。
「敵はいないな。妙に静かだ」
「無人警備システムが焼き切られた。敵は復旧を諦めたようだな」
「じゃあ、頑張って進みますか」
東雲が次の倉庫に向かい、倉庫の扉を蹴り破る。
同時に銃弾が嵐のように吹き荒れた。
「クソッタレ！ やっぱり待ち伏せかよ！ どうする、八重野！？」
「私が突っ込む。支援してくれ」
「了解！」
八重野が扉から突入し、倉庫に山のように設置された機関銃陣地に向けて突き進む。銃弾の中を進んだ八重野が超電磁抜刀で陣地にいるトーキョー・ボーイズの構成員を叩き切った。
「東雲！ 今だ！」
「オーケー！」
八重野が一時的に機関銃陣地を黙られ、その隙に東雲が“月光”を高速回転させながら突入していく。
「ぶち殺せ！ 鉛玉を叩き込め！」
「撃て、撃て、撃て！ 接近させるな！ 相手はサイバーサムライだ！」
トーキョー・ボーイズの構成員たちが狂ったように銃弾を東雲たちに浴びせる。
「クソみたいな歓迎だな。だが、ここに妙なものがありますって言ってるようなものだ。ぶっ潰して捜索するぞ」
「ああ。臭うな」
東雲と八重野がトーキョー・ボーイズの構成員たちを相手に立ちまわる。
「軍人上がりはどうした！ 連れてこい！ 連中の出番だ！」
「呼んでるが返事をしない！ 何してやがる！？」
トーキョー・ボーイズの構成員たちは軍用の
「ヘイ！ そんなんじゃ、殺せないぜ！ 頑張れよ！」
東雲が“月光”を投射してトーキョー・ボーイズの構成員を貫く。
「遊んでるな、東雲。あなたは私とは違うんだ」
「分かってるよ、ラッキーガール。真面目にやります」
呪いで絶対に死なない八重野と違って東雲はうっかり間違って頭を吹き飛ばされたら死ぬことになる。
「そりゃっと。ここには
「油断するな。あれで終わりとは思えない」
「そりゃそうだけど──」
東雲がトーキョー・ボーイズの構成員を叩き切りながらぼやいたとき轟音が響いた。
「砲撃！？」
「クソ。韓国軍の無人戦車だ」
倉庫の壁が吹き飛んで侵入してきたのは一両の無人戦車だった。
その戦車にタンクデサントしていた
「暴徒制圧装備の無人戦車だな。そこら中に機関銃が設置されている」
「見たことあるぜ、ああいうの。
「韓国の軍事政権もデモ制圧にあの手の装備を使う。気を付けてかかろう」
「オーケー！」
その間にも無人戦車は東雲を照準した。
砲声が鳴り響く。口径120ミリ戦車砲の砲声だ。
「
「分かった！」
倉庫になだれ込んできたのは無人戦車1両と
無人戦車が東雲を狙い続け、車載機関銃とガトリングガンも東雲を狙う。
「制御系をやれれば一番いいんだが、狙っている暇はなさそうだな！ クソみたいに銃弾を叩き込んできやがって！」
無人戦車は八重野を相手にせず、東雲だけを狙う。そう無人戦車の限定AIが判断したのは八重野の呪いと関係あるのか。
戦車砲から何までが東雲に牙を剥き、東雲は戦車砲弾以外の攻撃を弾きながら無人戦車の背後に回り込もうとする。
「戦車はケツの装甲が薄いんだぜ？」
東雲はそう言って無人戦車の後部のバッテリーに“月光”を突き立てた。
バッテリーが火花を散らして炎上するが、他のバッテリーがすぐに代わりの電力を供給して動き続ける。
「おいおい。勘弁してくれよ。俺の戦車豆知識は面白くなかった？」
東雲はすぐに後方に砲口を向けてくる無人戦車から逃げる。
砲撃。倉庫に轟音が響く。
「うんざりだぜ！ そのクソみたいな砲身をぶった切ってやる！」
東雲が次弾の装填を始めた無人戦車に正面から切り込む。
「とうっ！」
“月光”が戦車砲の砲身を叩き切り、無人戦車の主砲が使えなくなった。
だが、それでも車載銃火器は東雲に向けて銃弾を叩き込み続ける。
「く・た・ば・れ！」
東雲が身体能力強化で一気にジャンプし、俯角が取れなくなった無人戦車の火器が動きを止め、東雲が無人戦車の直上から砲塔を“月光”で貫いた。
制御系が破壊され、無人戦車が動きを止めた。
「オーケー！ 撃破！ 八重野、そっちはどうだ？」
「片付いた。ここはクリアだ」
「さて、ここにはどうやら妙なものがありそうだな？」
東雲はそう言って鋼鉄のコンテナがいくつも並ぶ倉庫の壁を見た。
コンテナは電子キーでロックされている。
そして、コンテナの側面にはハングル文字。
韓国から送られた品だ。
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