第二十二話無知は罪也、と誰かが言った

「おはよーっす」


「おはよう」


立派な校門を抜けると、丁度そこには蓮がいた。


「本日は快晴也」


「そうか? 疎に雲が見えるけどな」


「四捨五入して快晴だよっ」


そんな他愛もない会話をしながら、圭太達は校舎に向かっていく。


距離はないが、何かもう一つ話題を話すのなら、十分に足りるだろう。


「・・・・・・なぁ圭太」


「うん」


やはり来たか、と身構える圭太。


勿論、来たのは「決闘」についてのことだろう。


「この前は、悪かったーー突然あんな話されたら、困るよな」


「いや、全然いい、というか寧ろ話してくれて嬉しかった」


そう言って、少し微笑む少年。


この一言が蓮にとって、どれだけ救いになったかは、言った本人にも分かっていた。


「そういえば、どうやって蓮は「決闘」の情報を手に入れたんだ?」


「あぁそれはーー失礼ながら名前は分からないけどーーだよ。俺と同じで、今のクラスの現状に危機感を持って、独自に調べたんだとか」


同じクラスの女の子、という言葉を聞き、身体がピクリと震えた。


(そうだ……蓮は知らないんだ、)


しかし、彼はそんなことに気付かず、そのまま話を続けていく。


「で、その子が教えてくれたんだ。

・・・・・・勿論、俺が一人で調べたことも、情報の中心にはなってるんだけど」


「あぁ」


「でも、その女子から昨日、ヤバい事を聞いてしまった」


そう言って、蓮は真剣な顔付きになった。


これから言うことは冗談じゃないぞ、と警告するかの様に。


「……どんな事?」


圭太は既に身構えていた。








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戦闘力5は53万に「ざまぁ」する~恋敵に惨敗してすべてを奪われたので、復讐のために1年間修行したら拳で一方的に語れるくらい強くなってた~ Tommy @20061018

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