第十五話 彼女の話 その二
「教室」で話そう、「隅」で話そう……
奇妙なことばかりだ、と圭太は眉を顰めた。
新島の話は続く。
「それで、不思議に思ったけど、取り敢えず隅に行ってから話したの。
ーーこの時も、最初は普通だった。
いつもと同じ、他愛もない会話をして、笑って…詩の言う、「聞かれたくないこと」っていうのは話さなかった」
「……うん」
少年が相槌を打つ。
「そして暫く話して、少し間が出来た時に、
・・・・・内容は、【会ってほしい人がいる】」
これもまた奇異なものである。
その事が果たして、余程聞かれなく無いことで、教室で最も声の届かない隅にまで行かなければならなかったのか。
静香は言葉を続ける。
「私が、誰? って聞いたら・・・・・・
それはいいから、とか会えば分かる、とか言って、一向に答えてくれなくて。
だから、「何年生かだけ教えて」って言ったんだ」
「・・・・・・そしたら、ああなったの?」
「……」
沈黙は、肯定の意だろう。
彼女は目を伏せた後、布団を頭から被る。
ーー今迄共に過ごしてきた友達が突然、瘋癲な行動を起こした。
その悲しみを受けても尚、涙を流さない彼女は本当に強いのだな、と圭太は感じた。
暫くの間、無言の時が続く。
刻は朝、更に来客も無い為、鳥の囀りが良く聴こえる。
新島は、未だ布団に隠れたまま。
圭太もベッド近くの椅子に座り、何かを考える様に俯いていた。
「ありがとう」
唐突に、彼女が口を開く。
圭太は直ぐに顔を上げ、静香の方を見た。
「田中君は、迚も優しいんだね」
彼女はそう言って、くしゃくしゃになった顔に無理矢理笑顔を作った。
圭太は、少し泣きそうになった。
♧♧♧♧♧♧♧♧
祝! 累計600PV、一日100PV突破!
感謝感激です!
皆さん、本当にありがとうございます!
特に、「一日100PV」は、僕の目標の一つだったので、迚も嬉しいです!
これからも、よろしくお願いします!
(本作を面白いと感じていただけたら、
★★★を頂けると、今後の最大の励みになります。もし良ければ、お願いします)
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
Tommyからお知らせです。
この度、新たにもう1.2作品程投稿する事に致しました。
一つは「ラブコメ」、
もう一つは「復讐」の話です。
何方も精魂込めて製作中です。
「戦闘力5」と共にお楽しみ頂けたなら、嬉しいです。
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