閑話 念願の、朝の…

*クリスマスの朝を妄想しました


*性的表現あり。苦手な方はご遠慮ください。


*順番を間違えて公開していたので、順番を入れ替えました。内容に変更はありません。一度読んだ下さった方には、申し訳ありません。





 腹の裏側で動く”それ”が与える快感をゆらめく意識の先で必死に追いかけていた。


 ――もっと…


 もっと奧を、そう言いたかったのに。

 それはするっと出ていってしまった。


 ――あ、、待っ…


「ん? どうしました?」


 耳元で囁く声は優しいけれど、どこか笑いを堪えているみたいだ。

 指が抜かれたそこが寂しい。早く熱いモノで満たされたい。


 ――なあ、意地悪すんなよ。もう入れてくれよ…。


 クスッと、吐息に乗って小さな笑い声が聞こえた。


「自分からお願いするの、珍しいですね」


 瞼への優しいキスの後、膝を抱えられた。

 期待に下腹がキュッと疼く。

 丸い尖端が蕾に触れ、メリ…と質量のある肉茎が後孔を押し広げてゆく。力のままに入り込んだかと思ったら、トンと強く突き上げてきた。


「あぁ⁈」


「あ、やっと起きた」


「……? え?」


 眩しい。

 窓辺からレース越しに日光が差し込んでいた。

 見慣れた天井。ここは俺の部屋だ。


「おはようございます」


 寝ぼけた耳に響く爽やかな声と、嬉しそうに目を細める年下の男。

 明るく健全な朝の景色に似合わない、裸の男二人。そして組み敷かれている俺。


「はは…俺、寝てるところを襲われたのか」


「だって。ナルさん全然起きないから。それに、夜と違って全部見えるし。そんなん、我慢できないでしょう?」


 拗ねたような態度と口調は、悪戯がバレた子どもの言い訳みたいだ。


 両手が脇腹から胸に向かってゆっくり這い上がってくる。じっくりと肌の感触を確かめるように。 


「ここ、ツンって尖ってる。色もピンクだし。エロいなー。

肌もキレイですよね、白い。日に当たらないからかな? もとからですか? 朝日に照らされてるからかな。ハートのアザも夜よりくっきりしてない? そっか。そもそも全身の毛が薄いんですね。頬も産毛が光ってる。ニキビ跡もないし、ほんとスベスベですね

朝っていいな。全部見える」


「や、あの……お前さ」


「恥ずかしいね」


「……」


 ショウが乳首を指で捏ねると、刺激がダイレクトに下半身を直撃した。

 体の覚醒とともに全身がどんどん敏感になってゆく。

 ゆるゆると勃ちあがったペニスを指でたどり、その先から蜜が溢れるのを見て満足そうに笑った。


「ちんこも意外とピンクなんですね。筋が張って、ぴくぴく揺れてる。かわいい。先っちょから出てるの、これ何ですか?」


「……うるさい」


 さっきから言葉にされ続けてさすがに恥ずかしい。柄にもなく、顔から火が出るかと思った。


 腹の中ではショウがドクドクと脈打っていた。じっとしているのもそろそろ限界だろう。


「ナルさんの中、すごく気持ちいい…」


 ショウが熱っぽく囁いた。


「も、ダメ。動くね……」


 は……と呼吸を整えるように息を吐いた後、まだ重い体へ容赦のない抽挿が始まった。ぎりぎりまで引き抜かれ、返す勢いのまま一気に貫かれる。


「うあ、…あ、あ、」


「ごめん。優しくできない」


 熱く猛ったモノが中を行き来し、敏感な部分を抉るたびに背中に痺れが走った。全身が快感に包まれ肌がザワザワする。


 目を開けるとショウと目が合った。眉を寄せて、こちらを気遣うような、でも余裕がない、ごめん、そう言いたげな顔をしていた。


 額がうっすら光っている。なんだかものすごく愛おしく感じて、親指で目尻の汗をそっと拭ってやった。


 そういえば。

 初めての時はこんな風に力任せにガツガツ突くだけだったな。最近は俺がイイと感じる場所を、角度を変えたり緩急をつけたり…セックスが上手くなっていたのに、今はすっかり戻ってる。


「――は、は、」


 荒い呼吸と、力強い抽挿。腰を打つピッチが上がると比例して快感が全身を覆う。

 若い雄の放つ熱に翻弄され、その渦に自ら身を沈めた。




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