閑話21:攻守逆転
【!注意!】
【第481話:あなたがわたしの祝福で】の、愛のお話です。
性的な話が苦手な人は、以下のリンクでお戻りください。
※読み飛ばしても、本編を楽しむのに支障はありません。
【第481話:あなたがわたしの祝福で】
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【ムラタのむねあげっ! 目次】
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「……最近、ずるくないですか?」
リトリィが、荒い息をつきながらしっぽを絡ませてきた。
「ずるいって、なにが?」
「……そういうところです」
リトリィが、ゆっくりと身を起こす。
「あなたって、こんなにたくましいかたじゃなかったですよね?」
「逞しくないだろ。相変わらず現場じゃヒョロいって言われ続けてるよ」
「うそです。……こんなに、たくましくなかったですよ?」
そう言って、俺の胸の上に頬を乗せ、そして今はひと働き終えて萎えている俺のものをいじってみせる。
「わたし、あなたの上で
「嫌か?」
たしかに、以前に比べれば夜の夫婦生活で主導権を握ることができるようになってきた、それは間違いないだろう。毎日三十メートルの塔を上り下りしていることは、きっといいトレーニングになっているに違いない。
「……いやだなんて、そんなこと」
そっとしっぽを持ち上げてみせるリトリィ。
なんだかんだ言って、彼女も楽しんでいるのだ。
いいともさ、もう一戦、付き合おう。
うむ、ビバ筋肉! 妻の夜を満足させるにも偉大な力を発揮するのは、やはり筋肉だな!
彼女を抱き寄せ、唇を重ねる。
すべすべの肌のマイセルと違って、リトリィの体はそのほとんどがふかふかの毛布のようだ。
特に冬毛の今はボリュームがあって、実に抱き心地がいい。
相変わらず長い彼女の舌に口内を占領されつつ、反撃とばかりに背筋をなでてやると、彼女のふわふわの毛が逆立って、よりボリューム感が増した。これがまた、彼女の体が悦んでいることを実感できて、楽しい。
彼女のスイートポイントは、探せばいろいろ見つかるものだ。結婚して一年が経つけれど、今でも彼女が敏感に反応するところが新しく発見できるのが面白い。
はじめのうちに敏感なところ、ほぐれてきたころに敏感になるところなど、いろいろと新しい発見がある。
子作りについて、日本にいた頃の職場の後輩――チャラ男コンビの三洋と京瀬らがスポーツだのコミュニケーションだのと言っていたことを思い出す。
童貞だったあの頃は、性的な行為に憧れをいだきつつも手の届かないことだと、挑戦する前から諦めていた。そのせいか変に神聖視していて、そんな例え方をするなんて、と眉をひそめていたものだった。
だが、今となってはそれが全てとは言わないが、そうした一面を持っていることを実感する。
相手が悦ぶポイントはどこか。
どんなタイミングなら、より甲高い声で鳴かせることができるのか。
相手が時に切なげに、時に激しく身悶えさせる、そんな姿がたまらなく愛おしくて、だから求道者の如く、今日も彼女の体――その反応と対話しながら、開発に勤しむのだ。
そう、夜の営みというやつは、二人のコミュニケーションが鍵となるのだ。より深い悦びを得るためには相手との緊密なコンビネーションプレイが欠かせない競技であり、本当に奥が深いのだ。
胸をつかんでパン生地をこねるようにして、なめてしゃぶって突っ込んだらはい放出、なんてものではない。
彼女の様子をよく観察し、悦びに打ち震えるポイントはどこかを探りながら、彼女が高まっていくその過程を楽しんでこそだ。
彼女の息も絶え絶えになってきたところで、しっぽをつかむとその付け根に指を這わせた。
しっぽがぶわっと膨らむのと跳ねるのが、同時だった。
「もう……ほんとうに、そこはだめっていつも言ってるのに……」
頬を膨らませてみせるが、けれど別に「怒ってみせている」だけで、怒りそのものは全く感じられない。跳ねたしっぽを、また愛撫してくださいと言わんばかりにすぐにまた俺の手に預けるところからも分かる。
自分の反応が俺を楽しませていることを理解していて、その上で彼女自身も楽しんでいるんだろう。もちろん、その期待に応えてやる。ああ、その悦楽を
したたるほどに蜜と種にまみれた指を彼女の口に押し込むと、彼女は嬉しそうに舌を絡めて舐め取った。やっといただけるんですね――散々に鳴いたせいか、息も荒く、ややかすれ気味の声。
それでも嬉しそうに俺に流し目を送りながらうつ伏せて、高々と尻を差し出してきた。その期待通りに彼女のしっぽをつかむと、彼女は自ら腰を押し付けてきて、悦びに打ち震える鳴き声を上げた。
ああ、さすがリトリィだ。ちゃんと自分が奉仕すべき高さを、よく分かっている。
熱くうねる胎内に、再び飲み込まれる。
「おかえりなさい……ま、せっ……!」
彼女の腰をつかみ、その奥までえぐるように、何度も突き込む。
あふれ出たものがぼたぼたと垂れてシーツに染みを作るが、なに、気にしない。こぼれた分だけ、また新しく注ぎ込めばいいのだから。
マイセルに、そしてフェルミにも先に与えてしまったものを、彼女にも早く与えるためだ。
なにせ、ナリクァン夫人から「おめでたの報告ができるまで出入り禁止」を宣言されたくらいの重要案件なのだから。
なに、これまではいつも最後には彼女に上に乗られ、明け方まで搾り取られていたのが、攻守逆転しただけだ。
俺たちは夫婦で子作りは義務ときたものだ。だからこれは仕方がない。種を搾り取られようがこちらから与えようが、どちらにせよ同じこと。
――そんな大義名分のもと、彼女の胎内を蹂躙した。し続けた。
彼女が許しを請うてきてもなお――いや、彼女が許しを請えば請うほど、より悦びに鳴かせるために。
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