怖い
驚いた。こんな真夜中の公園に人がいるなんて。鼓動がだんだん早くなっていく。汗が頬を伝う。
怖い。この後どうなるんだろう。この人はどんな人なんだろう。そんな感情が握っていたブランコの鎖を私の中の主役にさせた。
どれくらい経ったのだろう。2秒?いやもっと短いかもしれない。
「怖がらせちゃってごめん。俺もう出ていくから。」
安心した。私襲われないんだ。
「待って。ここにいてもいいですよ。私が勝手にきただけだし。」
私がなんでこんな行動したのか私の中でもわからなかった。でも、私の中で申し訳なさみたいなものがあったんだ。
「うーん。じゃあもう少しだけ、君も早く帰った方がいいよ。女の子なんだし。」
「じゃあ、私も少しだけ。」
私はブランコを漕いだ。誰かがいると思うと、この沈黙は久々に会う同級生のような恥ずかしさがあった。ブランコを漕いでいるとさっきよりも高くまで漕げている気がした。気のせいだろうか?
ブランコを漕ぐ後に負けないように大きな声を出す。
「おじさんはなんでこの公園にいるの?」
行ったそばにまずいと思った、受取手の解釈によって、早く出ていけって言ってるようなもんだと思った。だから日本語は難しい。
「おじさんかー、まだ26なんだけどね。」
とおじさんは川の方向を見たまま苦笑いしながら答えた。
「26なんて私からしたらおじさんだよ。私、jkだもん。」
「確かに俺が高校生の時も、26はすごく遠い存在に感じたかも。」
私が26になるのもあっという間なのかもしれない。そして、30、40と加速度的に歳をとってしまうのかもしれない。そう思ったらなにか儚さみたいなものを感じた。一生懸命に頑張って生きてもあっという間に思い出に変わってしまうのか。それは嬉しいことなのだろうか。
「なんで、この公園にいたの?」しつこいかと思ったけど、聞いてしまう。
「うーん、悩み事があってね。それで少し自然でも見て考えようと思ってさ。」おじさんは、元気な自分を作ってるように見えた。
「私もそんな感じ。」
自分の悩みに触れさせたくなかったのか、お互いそこには言及しなかった。
おじさんは振り向いて、公園の時計を見た。初めて、おじさんの顔を見た。おじさんの顔は綺麗な鼻筋、目は一重だが、涙袋がぷくっとしていた。しかし、髪はボサボサに整えられてないのだが、綺麗な顔をしてることがわかった。
「もう、9時だから家に帰りな。家の前まで送って行くから。」
それから、家の前まで色んな話をした。いま、jkでは何が流行ってるのか、好きなYouTuberの話とか色んな話をした。
「ねえ、明日も公園にいる?」
おじさんは横目でこっちを見て、上斜めの夜空を見ながら
「どうだろう。」
「また、話をしようよ。」
おじさんは、困ったように私から目を背けるように横を見ていた。
「ねぇ。」と私が視線を合わせようと回り込む。
おじさんは渋々
「わかった。」
「私、家近くだから。ありがと。」
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