第185話ラブコメは存在するのよ。メンズデスゲームも存在するけど


 眞子視点


「雨乞いはどうなったのかな?」

「無理、あの三人が組むとぜってー勝てね」

「友人が具視軍団とドキドキ懐かし直立ティラノ軍団で注目を集めているところに、風雲折れ鍬城の折れ鍬砲を撃ちこんでも反射されて、全てを有耶無耶に流せ直流和式ダムにぶっ刺さったからな。また作り直さないと」

「もの凄く気になるワードがたくさんあり過ぎるんですが」

「具視は無限再生だからいいんだがティラノはもうすぐ核搭載型になったんだがなぁ」

「お前のところは村人あにまるが進化するのいいよな~」

「古生代に戻るのは進化なのかなぁ」

「折れ鍬砲は絶対に湊ちゃんの案だよね?」


 私達がお風呂から上がったら、周平君おかあさんのおもてなしを受け。

 その間に茶柱がたくさん立った茶葉たっぷりのお茶を、モリモリ食べているトモヒトの足首を掴んで周平君はお風呂に向かった。

 ドッパンドッパンと浴室から大音量の音がしたので、湊ちゃんと二人で見に行く。

 心配だからです。ええ、来年あたりの参考にはなりますが。

 覗いたら男二人で手のひらを少し曲げて湯面に叩きつけてキャッキャしていた。


「「キャアァァッ!えっちぃ!」」


 二人して胸を隠すのはおかしいと思った。

 そして犯罪でありません。心配して見に行ったので仕方がないことですし、お互いの彼女に許可は取っているので。


 その後は雨乞い2.14以外のゲームをしたり。


「おい。雨乞い以外で勝てねえぞ」

「おかしいよな。若干一名運動神経が死んでいるのにな」

「…」

「ぬをっ!なんで俺が集中攻撃を受けるんだよ!」

「雉も鳴かずば撃たれまいだよ友人君。意味わかるかな?無理だね。眞子ちゃんをお助け~」

「周平助けろよっ!」

「無理。眞子さんが俺の周囲をキッチリ地雷原にしてからお前に向かっている」


 時東穂高家両親のツイスターゲームをトモヒトと周平君の男性限定でしたり。


「はーい、次は右足青ね」

「まってまって、脱いだらTバックの周平のお稲荷さんが近づいてくるの」

「眞子さんパシャパシャ撮らないで。これ以上は俺も嫌なの」

「いえいえいえいえ、もう少し近づけますよね。トモヒトも頭を上げて三センチまでいきましょうか」

「「こえーよ」」

「二次元ならいいけど三次元では少しキモいね」


 カメラを持ってきていてよかった。資料が増えた。

 周平君の食べ物で遊ぼうコーナーでは、チョコフォンデュで〇ッキー手作り体験をした。


「あ~、やっぱりこういうのはセンスが出るよな」

「眞子ちゃんのは凄いね」

「こういうのを作るのは好きです」

「そのMSに追加装甲を装着させて、フル装備でデン〇ビウムに合体したのを食べるのは俺か?」


 遊びはするけど、お残しは許さない周平君の監修のもと、出来たポッキーはスタッフ(ともひと)が美味しく食べてくれた。


 夜も更け始めたらダラダラと映画を観る。


「いやいや、〇ヴァは止めろ。全部観ると朝になる」

「しかも旧の方とは私に対しての挑戦ですか?お父さんたちが学生の頃に初デートでもの〇け姫とどちらかで悩んで、観たら観客完全置いてけぼり状態。エンディングロールに同じ名前が何度出てくるのかを数えるだけが印象に残ったと、遠い目で娘の私に語った旧の方ですね」

「ボケのつもりだったんだがなぁ」

「私達の親もトラウマものだと厳重封印指定していただけはあるね」


 湊ちゃん周平君のボケは強烈過ぎるので、宇宙でロボットで戦うアニメに変更。

 これにはトモヒトが食いついた。

 トモヒトが雨乞い2.14をしている間に部屋にある積みプラを消費していた私も興味が湧いた。


「青春恋愛物はね~」

「ファンタジーな部分以外が二人で観ても普通過ぎて微妙なんだよな」

「「あー」」


 湊ちゃん達の中学生時代を基準にしたら大半は微妙になるだろう。


 始まった映画鑑賞は、最初は全員であのキャラは初代で関わっていたとか、このMSは追加装甲が良いとか。

 いやいやモノアイが最高だろう。

 あ?エース機が一番だろうが。

 バカだなぁ。量産機、やられ機体がいないと目立たないだろう。

 角がついてこそ魅力的になるんだろうが。

 いーや、汎用こそいいんだよ。お前もプラモ買っているだろう。

 新しいの出たら買うしかないだろうよ。そういや、その新しく買ったのが無くなっていたんだが。

 …最近のやられ機体はかっこいいよな。

 てめぇ…。せめて綺麗に作って返せよ。


 途中からは殆ど男子の会話だけになり始めたのは観ている映画そういうのだからしょうがない。

 四人みんなソファーの前に座り各々くつろいで観ていると、湊ちゃんは周平君に寄り掛かっている。

 トモヒト達が見るより会話が中心になり始めると、湊ちゃんは動き始めて周平君の体の間にヨジヨジと入り込んだ。

 周平君も当たり前の様に迎え入れ、湊ちゃんは定位置が定まると周平君の腕を取って自分の前で交差させて、ムフーッと満足気な顔でアニメを見始める。


 当たり前の様に甘え、当たり前の様に受け止める関係。

 羨ましい。

 ジーと見ていると、気づいた湊ちゃんニヤリと笑った。


「友人君友人君」

「あん?」


 呼ばれて首を傾げるトモヒト。

 湊ちゃんが私を指差す。


「そこに寂しそうなわんこがいるよ」

「ひゃうっ!?」


 ななな、何を言うのかな湊ちゃん!


「あー…」

「はうぅ」


 周平君との会話に夢中になっていたトモヒトが私を見てきた。

 はうっ。

 物欲しそうにしているのを見られるなんて、恥ずかし過ぎて死にそうになる。


「…悪い。あのバカップルは無理」

「そうですよね~…」


 私も後ろから抱きしめられたら、熱暴走でシャットダウンしそうな気がする。あと一℃上がったら駄目だ。


「おいバカップル認定だよ湊さん」

「いやいや、照れますな周平さん。友人君、彼女の友達として忠告。わんこを甘やかしなさいっ!」

「へいへーい、お前も泥沼に沈もうぜ。程よい温かさで眠くなるがな」

「お前らのは程よくじゃねえ、銅を溶かした沼だろうが」


 ニヤニヤヘラヘライライラ、三者三葉の表情の三人に、私はどんな顔をしているのだろうか、湊ちゃん鏡を取ろうとしないで。


「はぁ~、こいつらの前だからこのくらいで勘弁してくれ」


 困ったような照れくささを隠すように大きく息を吐いて、トモヒトは片膝で私がいる側の太ももを半胡坐でポンポンと叩いた。

 それは閑名宅でゲーム中のトモヒトが、暇を持て余した私にしてくれる合図。

 でも今は親友で悪戯猫と極悪鼬の巣窟でさすがにそういうことはっ。


「いいから」

「はい…」


 再度勧められて、仕方なく。ええ、仕方なく、その膝の上に頭を乗せた。

 ヒューヒューと吹けない口笛をする二匹は意図的に無視する。そうしないと羞恥でファンが停止、CPU脳が溶けて買いなおし案件だ。


「で、では失礼しまして」


 お尻をずらして二人の間に隙間を空け、ゆっくりと身体を横にしていって頭を太ももに乗せた。

 かなり硬めの筋肉がみっちり詰まった腿の枕が、高さの位置をちょうどいいぐらいに変えてくる。いつもしてくれる時に私がきつくないようにしてくれるのだ。


「おおうっ…。俺達はこれを今まで見せつけていたのか。湊がいなければ微妙な熱さのオリーブオイルを友人にぶっかけていたところだ」

「え?私達を見てみんなそんなことになるの?私は微笑ましいと思うし、次してもらおうと思うけどな」

「湊のそのメンタル強者はなんなの?恥じらいはどこに行った?」

「おーい、見ねえならファーストを全話流すぞ」


 せめてニューにしてくれと騒ぐ周平君達を私は見ない

 動くなという風に大きな手でポンポンと頭を叩く感触に、わんこは大人しくなるのです。今見ているアニメはBDを買おう。

 たしかトモヒトの部屋に積んであったから主人公二人のMSを制作する。

 まあ、今年は無理ですが。



 周平視点

「唐揚げマシマシ、タルタル柚子胡椒ツナマヨ明太マヨトッピングで」

「おま、メインよりトッピングの方がめんどいだろうが」

「作り置きしてんのはわかってんだよ。これからの時間はカロリーがもの言う漢おとこ時間だからな」

「湊んちの材料を使ったから普段の数ランク上の食材になっているからな。あとで折半で金出すぞ」


 友人達が来る前に作り置きしていた唐揚げをチンして、トッピングもテーブルに並べる。そこには大量に余った菓子類も置いてあった。


「飲み物は?」

「炭酸系」

「ほい」


 渡されたのは1.5ℓ超狂炭酸ドラッグランナーズハイ。

 …いや、すっげーわけわからんのを渡されたが、これ買ってきたのはあのコンビニだよな?今度店長にキワモノは止めましょうと優しく伝えよう。

 ちなみに友人のは豪激炭酸レインボーマウンテン。

 おそらく同じ会社なのは間違いない。

 積み重ねるようなレインボー色は比重で出しているのだろうか。でも、無色なのにドラッグでランナーズハイなのもかなりな恐怖である。


 宇宙歴なロボットアニメは湊と眞子さん達にはあまりお勧めでなかったらしく、最後の戦闘シーンが終わるころには二人共眠りに落ちていた。

 日中から遊びまくっていたので流石に疲れていたのだろう。

 友人と湊の部屋まで連れて行った。

 ベッドに乗せると、湊が眞子さんを抱き寄せたので毛布を被せて退散する。なんとなくだが、あの湊なのでロクでもないことをしそうにみえるが、眠っている時は人に抱きつきたいだけなので安全だ。

 二階から降りるときに本当に大丈夫か?と何度も聞くな友人。


 そして女子が寝た後は漢おとこ達のナイトなフィーバータイムが始まる。


 ピッ、ピコン。


「きたな」

「ああ、時間通りだな」


 勝手にゲーム機とテレビが起動した。

 ゲーム機より先にテレビが点いたのが気になるところなので、今度から湊と二人っきりの時はシンクの下に本体は置いておくと決意する。


『やあ、待たせ雨かな乞いフィーバータイム2.14の始まりじゃあっ!』


 スピーカーから若い男性の声とジジイの声が重なって鳴った。


「約束の時間通りです」

「そっちは大丈夫なんですか?」

『あ~、純さんがぐずったけど。秋夜と常盤さん、えっと白衣クマを使っていた女性だね。その二人が一緒に寝てくれるから、時間が取れたよ』


 会話の相手はハーレムマスター彼氏さん。

 秋夜姉さん、彼氏さん、純様に完全敗北を喫した俺達二人は、深夜の再戦を申し込んでいた。

 秋夜姉さんは弟達をボコボコにして大満足しており、彼氏さんは夜のお勤めをキャンセル出来たらオッケー、純様は夜十時にはおねむ時間らしく、どうか漢おとこ達のナイトなフィーバータイムには眠りについてほしかったのだが、それはクリアされたらしい。

 つまり、俺と友人と彼氏さんの一晩ぶっ続けの楽しい時間が始まるのである!


『いや~、久しぶりの自由な夜の時間だよ。その分、明日からサービスしないといけないんだけど。何人同時になるんだろう』

「ツッコみたくねぇ…」

「流したほうがいいですよね?」

『…ツッコんでくれると少し嬉しいかな~。最近、数人しかいない友達の一人が泥酔して大のレバーを引きつつ便器で溺死したんで寂しいんだよね』


 くっ!しんみりするはずが死亡原因が秀逸すぎて、笑いとごちゃ混ぜになりそうだ。

 あと学生に夜の事情を言ってほしくない。

 こちとら健全な青少年なのでリアルハーレム内容はドン引き。


『さて、貴重な時間だから始めようか。飲み物食料は完備しているかな?』

「こっちは現役男子高校生ですよ。徹夜ゲームの準備は完璧です」

「動きが止まったら、謎ドリンクで本体が一時行動不能と思ってください」

『いいな~。俺もそんな高校生活を送りたかったけど、同年代の男友達ゼロだったんだよね』


 そりゃあハーレム築いてたら男子学生は近寄って来ない。


『では始めようか』

「全員フンドシ村長で、三十分は村強化で仕掛けるのは無し」

「赤フン、黄フン、黒フンの周平、俺、貴光さんで」

『周平君は折れ鍬を使用したら三分フリーのペナルティだよ』

「はっはっはっ、折れ鍬に頼る俺じゃありませんよ。固定キャラが赤フンを舐めないでください」

『ふっふっふっ、純さんの接待雨乞いをしているのを舐めないでもらいたいねっ』

「それほぼ負けてません?」


 いやー、久しぶりに楽しい徹夜になりそうだ。

 育て上げた折れ鍬砲で貫通攻撃や、回転して飛行する亀のコメット堕とし、無限反射増幅ヒャッハーも面白いが。

 同じラインから始めるのも楽しいのだ。


『ちなみに今回のデータは今後の雨乞いにフィードバックされるから』

「まだ悪化するんすか…」

「せめて村育成の部分は残してください」


 やばいな今後の雨乞い2.14に支障が出そうハラハラゲームになるようだぜ。


 うん。翌朝、湊と眞子さんに徹夜で脳死しているのに正座で説教だった。

 残念ながら朝食は作れる体力気力はなく、女子二人に作ってもらった。

 味?友人と一緒に満点を点けた。

 男の俺が作るより美少女二人が作る方が美味しいのは当たり前だ。


 彼氏さんは三日間まともに寝させてもらえなかったらしい。

 全然疲れた様子の無い声に、俺達は恐怖したのは言うまでもない。

 もちろん次の三人での対戦は約束している。



ーーーーーーーー

周平「かなり楽しかった」

友人「まさかあそこで尻にバターを仕掛けられるとは思わなかった」

周平「あれはヤバすぎ。でもお前の墨壺隠しは折れ鍬を使わざるをえなかったんだからな」

湊&眞子「「二人は何を言っているの?」」


これで雨乞い創造主混沌編は終了です( ´∀`)

…ん?何かおかしいタイトルのような?

気のせい気のせい♪(^o^)

雨乞い2.14が出てくる限り正気度の判定は常にファンブルなのですからー!(*´∇`*)


さて、次は何を書きましょうか。

ショタと覇王様も同時進行していたらいつのまにか年が変わっているし(;・ω・)

エロ…は筆者のMPを大量消費するしなー。


星を押してもらえると筆者がピチピチ喜びます(*´∇`*)

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