第184話一家に一台は周平(ただし片付けないと舌打ち機能あり〼)


周平視点


「周平~飲み物~」

「はいはい」


 湊が脱衣所の方から声を掛けてきた。

 すでに少し小さめのコップを出して準備中だ。

 風呂上りの浴室の扉が開く音が聞こえたあたりで、冷凍庫から取り出して少し溶けかけている砂糖をまぶして冷凍していたイチゴをミキサーに入れる。

 あと牛乳とヨーグルトとレモン汁を少々入れてポチッとな。


 ガーガーとミキサーの音が鳴る中に、パタパタとスリッパの音が混じる。


「周平、周平。私達の目指すものは眞子ちゃんの中にあったよっ」

「落ち着け。そういうのは本人に許可を取ってから発言しような」

「湊ちゃぁぁんっ!?」


 リビングの扉をバンッと開けて問題発言をかます、風呂上りか興奮なのか頬を少しピンク色に染めた我が彼女に、親友の彼女兼友達が顔を真っ赤にして後ろから抱きつく。

 まあ仲良きことはいいことだ。

 少しだけ湊の背中に当たっているはずのムニュッとしたものに興味があったのは絶対に表には出すまい。見て記憶に留めるだけだ。


「ごめん眞子さん。ドリンクはもう少しかかるから、そこの友人を餌付けしていくれない」

「え?」


 湊の口を塞ごうと頑張っている眞子さんは、俺が指差したソファの方を見る。

 そこにはグロッキー状態で横になる友人がテーブルにある冷めたピザに、ふるふると手を伸ばしていた。

 そして途中で力尽きてパタリと手は落ちる。


「きゃあぁぁ!トモヒトッ!?」


 湊をポイッして友人に駆け寄る眞子さん。

 だからどうして体のラインが出そうなふわもこワンピースのパジャマを着ているの眞子さん。いや、そのスタイルだとどれでも出るか。


「あれ?珍しいね友人君があの状態になるの」


 解放された湊がキッチンの方にやって来る。

 眞子さんと同じパジャマを着ているということはお揃いで買っていたのだろう。見たことがないから最近買ったのか。


「ああ、暴君と魔王様と純様相手に一人で五分相手させたらぶっ倒れた。眞子さーん、一気にカロリーを消費しただけだから、そこにあるお菓子を適当に口に詰め込んでやって」

「周平って、たまに友人君を容赦なく使うよね」

「たまには頭を働かさないと、あいつ何も考えないで生きていきそうだからな」

「本気よりも遊んでいる秋夜姉さんの相手とか私はしたくないよ」


 湊と話をしながら、程よく混ぜ合わさったイチゴミルクをコップに注ぐ。完全にミキサーしないようにする方が凍っていたイチゴが形を残しているほうが、ちょっとしたお得感があって美味しいと思っている。

 眞子さん眞子さんいくら友人でもエンドレス餌付けは窒息死間違いないよ。

 口の中が容量限界になっているけど、人間には頬袋はないから。


「お饅頭が糖分があっていいのかな」

「ピザ、ポテチ、チョコ、そしてお饅頭はどうかと思うよ」


 湊に止められて饅頭は止めてもらえた友人だ。フルーツ系はなくてよかったなと思ったが、自分が作った物にイチゴが入っているのに気づいたので、仕方がないからお茶でも淹れてやろう。

 イチゴミルクの上に、俺の家でプランター栽培しているミントを浮かべて完成した。


「ほい、湊と眞子さん。大したものではないけど水分補給にどうぞ」


 バーカウンターにいる湊の前にコップをおいて、その隣に眞子さんのも置く。


「ありがとー」

「あ、はい頂きます」


 湊は受け取るとすぐにコクコクと飲み始め。

 せっせと餌付けしていたのに眞子さんはあっさりと止めてカウンターのやって来る。

 …友人よ。同情してやるぞ一グラムだけだが。


 眞子さんはコップを両手持ちでちびちびと飲み。

 湊は腰に左手を置き半分ほど一気に煽る。

 たまにじゃなくてよく思うけど、俺の彼女少しオッサンが入ってね?


「はぁ~、火照ったところにこの冷たさとイチゴの甘さは凶器ですね」

「ヨーグルトを入れるとことろが、自分は出来ますよアピールかな?」

「周平君にはやはり三十代ぐらいの料理研究家の前世が」

「それは違うよ。だってお菓子でも目分量で作っているから、たぶん暇に飽きたお金持ちの六十代主婦だと思うよ」

「仲良く談笑しながら美味しく飲んでくれているのはいいが。なに人の前世を勝手に決めてんの?」


 美女二人の風呂上り姿を見れるのは眼福だけど、貶けなしているようで褒めているような、素直に喜べない人の批評は止めて欲しい。

 普通に美味しいと言ってくれるのが嬉しいのよ。


「しゅ、周平…、み、水くれ。炭酸は無理だ…」


 おっと口内が混沌カオスな友人にお茶をやらないと死んでしまいそうだ。

 眞子さんも心配するけど、自己優先度が高いよな。

 あなたの彼氏がソファをタップして助けを求めているよ?

 ふっ、それほど俺が作ったイチゴミルクは魅了するのか。罪なレベルになったな俺の調理技術も。

 明日の朝食はお任せください。

 オヤジが釣ってきたサバのミリン干し(私が作りました)に、椎茸(裏庭製)と長ネギ(庭産)の味噌汁、ほうれん草(近所のおばちゃんから)のおひたし、漬物(閑名家で物々交換)の買うと地味にお高いホッと和の朝食を作りましょうぞ。

 さて温めのお茶を淹れてやらないとな。

 湯呑みにダイレクト茶葉で熱湯をどばー。



ーーーーーーーーー

友人「流石にピザに酸っぱいグミとハ○チューはダメ」

眞子「はい…」

周平「やるな眞子さん」

湊「私の親友だからねっ!」


家政婦周平の回です(^^)

短いですが、変に長くするより収まりがよかったので(^_^;)


少し落ち着いた回になりました。まあ、友人は少し天に召されかけて、魔王様にロックオンされたとき以来の生命の危機でした(;・ω・)

よし、雨乞い2.14は抜けてきましたね。書いているときは楽しいのですが、次回を書くときに大変困るのが雨乞い2.14です(;´д`)

あ~、こんな壊れたゲームをしたいな~。最近はアプリゲームが流行りですが、FCからPS2まではなかなかイッている迷作があったんですよね(*´∀`)

ガンパ○ードマーチ、ライ○レード、奏楽都市OSAKA…(;・ω・)

PSばかりだっ!Σ( ̄□ ̄;)

サ○ーンもしましたよ!恋愛アドベンチャーで峠レースとか、カオスな時代ですな(>_<)

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