釣り合う二人はバカップル

第166話満たされない心

　周平視点

　半裸エプロンの掴みはオッケーだった。

　馬鹿は白い棒状のモノを口と鼻から出して窒息死・・・は無理だった。せき込むだけでチュルンと出てくるから詰まることが無かったようだ。

　鼻を白いモノが塞いで窒息死、友人にしては恰好いい死にざまだと思う。

　眞子さんには湊がヒントを与えていたので笑われるだけで済まされたのはボケ側としては微妙、その状態でキッチンでこそこそジャージを穿くのはなかなかきついものがあった。

　あ、写真を撮らないでっ。そこまで人の尊厳は捨ててないからぁっ！

　穂高家を休日に借りるために時東家にいる母ズのところにもうどんを持っていった。挨拶したいという眞子さんも連れて三人で、鼻うどんは笑い死にしかけていたので放置。

　そしてなぜか俺は実母と義母の前に半裸エプロンで登場する羽目になる。

　玄関から玄関までの間の寒さよりも寒かった。

　湊はＭであるがドＳだというのがわかる。うどんが伸びるからという理由ですぐに穂高家に戻れたが眞子ちゃんの挨拶だけなら俺は母ズ用に作ったきつねうどんを一気食いして自死しなければならなかった。

　玄関を上がるときに見たらダメだよと小さい声だけどハッキリと聞こえておいなりさんがヒュンッと小さくなる事態に。男の性と言っても弁明にはなりそうになかった。

「あ～食った食った」

「今までで一番うどんを食べたと思います」

　追いうどんをした昼食は大好評だったようだ。

　薬味は勢ぞろいにしたし、つゆは濃ゆい出汁、ポン酢、ごまだれ、辛くて酸味があるもの、変わり種にビーフシチューチーズ入りも作ってみた。市販のルーを使ったのが納得いかないけど、それを言ったら眞子さんが引かれたのはホワイ？

「さて何するか」

「どきどきツイスターゲームがあるよ」

　俺の言葉に湊が四色の丸が書かれたマットを笑顔で持ってくる。

「なぜ私のいる世界ぐらいでしか見ないものがあるんですか・・・」

「俺残ったうどん全部食べたから、それをすると凄い色の物体が口と鼻から噴射してもいいならするが？」

　眞子さん聞かないでください、両親ズが酔った時にたまにしているんです。ただし相手は同性同士限定という鉄の掟付き、性別オスのおっさん二人が夏に半裸に汗だくで絡まり合ったのを中一の時に見たときは現世にも地獄は存在するんだと思い、湊の膝枕で回復したことがあるんです。

「もち私と友人君、眞子ちゃんと周平の組み合わせはしないよ。メインは周平と友人君で」

「「恐ろしいことを言いやがる」」

「じゃあビキニ姿で」

「「え？」」

　お腹いっぱいで少しボーとしている眞子様から恐ろしい提案が出たので中止で。湊が友人にエロ服の眞子ちゃんと密着する機会だったのに～と悪魔の誘惑をしていた。

　残りの物を残さず食べてグロッキー状態の友人、それにもたれかかっている眞子さんがお腹が落ち着くまで何もしたくないとのことなので映画鑑賞をすることに。

　ご要望はおまかせだったので湊と親のコレクションから選んでくる。

「この野郎・・・」

「ぷ、くすくすいいチョイスです」

「「イェ～イ」」

　友人にはジト目で見られ、眞子ちゃんにはお褒めいただいので大成功と湊とハイタッチする。

『ふおおぉぉぉおお！』

　テレビの中では俺の先達がお叫びなさっている。

　湊が俺のビキニに網タイツを穿かせようとして拒否したがああいうのとイチャつきたいのだろうか、そこまで変態にはなりたくないんだけどなぁ。

「トモヒトのＴバックも見たかったな～」

「眞子さん？俺しないよ？」

　エンディングロールでポツリと眞子様が呟かれて寄っかかられたまま首から上を逃そうとする友人。

「さすがにもう一つはないんだよね。周平のはあげれないし」

「それを穿けと強制されたらどんな手を使ってでも逃げるからな」

「その前に俺が嫌だ」

　なにが楽しくてＴバックを親友と共有しなければならんのだ。

「赤フンなら新品があるけど穿く？」

「「なぜに赤フン」」

「ほら周平の固有キャラは赤フンだからちょっと見てみたいかなと思ってネットを見てたらついポチっと」

「湊が恐ろしい」

「周平君が赤フンなら金フンか・・・年末に売れたら買えるかな」

「穿かないよ？頼むからスマホで調べないで、あるから一度調べてあるの知ってるから」

　恋人に震える男子だった。

　友人は眞子さんが寄りかかっているし、俺の方は湊が太ももを枕にしてソファーに寝ておりますのでどちらとも逃げれません。

　その後は眞子さんが俺達の昔の話を聞きたいというので、湊の所有の小中の卒業アルバムを持ち出してきた。

　アルバムは諸事情により見せられない。

「うん、基本周平の写っているのだけでまとめているから私。ちゃんとしたのは閑名家で見た方がいいかな」

「そこはかとないストーカー臭」

「しっ！それを言っちゃダメです」

　うん時東家のアルバムからも抜き取っているからね。一応家族で写っているのは見逃しているけど一人のは全てありません。あとどこに置いてあるかも知らないよ。

「湊ちゃんは髪長かったんですね」

「切ったのは中学だから、たまたま切ることになったけど今は風呂上がりに乾かすのが超楽になったから戻すつもりはないね」

「まだ女の子だったな」

「ああ王子様は中学の途中ぐらいかだったか」

「二人は今からフンドシ一丁で活動する？」

　小学生の卒業アルバムを見てはしゃぐ女子二人に男子二人で茶々を入れたら恐ろしい提案をされたので黙った。

「周平君は何故坊主頭に・・・」

　眞子さんが次に見たのは俺の写真、青々したイガグリ頭で切りたていうのよくわかる。

「その写真の三日前に池を卒業しようとして秋夜姉さんと閑名両親にしこたま怒られたあげく坊主にされたのです」

「？？？」

「俺もやられたんだよな」

　眞子ちゃんが捲っていたアルバムを友人が数ページ捲ると青い友人が微妙に変な顔で写っていた。

　何度もふざけると怒られるから一発勝負でやらかした親友の爪あとである。具視になった連中と他校にいった仲間達がこれを見て悔しがっていた。

「人類代表にでもならないと無理な池越えを二人で竹を切って両反対から走り棒高跳びの要領で飛び越えようとしたもんね」

「湊には俺達が頂点に来たときに写真に撮ってくれとお願いしたよな」

「止めようよと言っているのにこれが最後っ最後だからって強制撮影させて」

「竹を差し込む位置をミスって丁度頂点で衝突、なかなかの勢いでかなりの高さから池にボッッチャンだった」

「衝突の衝撃で失神したから湊が秋夜姉さんを呼びに行ってくれなかったらどっちかが溺死だったな」

「そのときは周平を助けているよ」

「俺死にかけてたのか・・・」

「友達達が卒業アルバムを見るだけでおかしいことを言っています・・・」

　成長するとわかるガキの頃のやらかしが超怖い。

　池関連で秋夜姉さんに助けられたのは・・・小さい頃からだから回数がわからないわ。

「あの卒業アルバムの大半の写真に三人の誰かが写っているんですが」

「それはね周平がどれだけ写れるかやってみようぜとお馬鹿な提案をして、それにすぐ同調する友人君と大人しかった私は頷くしかなかったんだよね」

「・・・最初はたしかにそうだったけど途中からはノリノリだったよな」

「湊ちゃん校長にもいい顔してアルバムの最初に校長一人の写真を他の連中も一緒に写っているし」

　俺達三人が在籍していないクラスの集合写真にもよーく見ると後方に小さく写っていたりしている三人です。

　この頃から湊は自己主張が激しくなってきているような。もしかして俺のせいか？

「あ、ここっ！ここですっ！トモヒトが飛んでいますっ」

「何で周平は女子の中に紛れているのかな？」

「まてそれは紛れてないし、顔半分写真に入っているだけだろうっ」

「なあ、これ周平か？周平にしてはやけに暗そうな」

　途中から俺達三人を探せになった。

　友人が心霊写真らしきものを見つけてちょっと室内の温度が数度下がったけど、よく考えれば閑名家の蔵の方がヤバいと落ち着いた。

　眞子さんがえ、何ですかそれ？としつこく聞いてきたけど詳細は自分の恋人に聞いてください。俺は最近会っていないのでどうなっているのかわかりませんので。

　もう影にしか見えないのも全員判定と本人の記憶を思い出させてなかなか小学生卒業アルバム自分達を探せは白熱した。

　それに比べ中学生アルバムは個人とクラスの集合写真以外は湊が少し写るぐらいではぐれ〇タルを探せをするぐらいで、最終的には俺と友人の写真はなかった。

　俺はまあ三年の半分は学校に行っていないしその後も運動会や体を使うものは参加していないのでしょうがないのだが。

「トモヒトがいませんよ？」

「お前はどこに写っている」

「いや運動会とかは活躍したぞ。いやいやだが頑張ったぞ」

「あ～、やる気が無さそうだから採用されなかったんじゃないかな」

「ひでぇひでぇよ・・・周平と湊ちゃんがいないからお前が生贄だとか言われて、サボろうとしても姉貴まで出てきて強制労働させられるし」

「あ、それ俺が頼んだ」

「私も」

「お前らかああぁぁっ！」

　まあ寂しい卒業アルバムだったが親友の頑張りがゼロというのもわかって面白かった。

「眞子さんは・・・」

「聞かないでください。私の卒業アルバムは生涯見せません」

「は、はい」

　ちょっと気になって聞いてみたら瞬時に闇に包まれる眞子さん。

　何があったのだろうか、オタオタするな恋人そこは肩を抱いて頭をポンポ、ほら遅いから湊に取られてしまった。

　要修行な親友だ。

　そのあともダラダラとお菓子を食べながら話す。

「この二人、じゃなくてあと数人いるんだけど不良とかタチの悪いのがクラスメイトにちょっかいを出してきてら全員埋めてたの」

「え、それは・・・」

「うん、裏の意味はないよ。普通に落とし穴に落としてその穴の周囲で変な踊りをしてバカにしてキレ始めたら、上から人が嫌悪する物を落としてまた踊りを繰り返し、泣いて後悔するまでそれを繰り返すの」

「あ～あれは結構楽しかったな」

「結構頑張った奴がいたろ、あの時は投げ込むのが無くなって困ったよな」

「面倒臭くなったから埋めるかって言って土をスコップで入れたら号泣」

「いちいち前日から虫や雑草を潰してヌメヌメするしていたのが馬鹿らしくなったなった」

「いきなり落とし穴に落ちるから私達の上下世代は大人しくなったよ。悪いことすると地獄に続く穴に落とされるって結構有名」

「何をやっているんですか二人は・・・」

「だいたい夕方から暗くなるぐらいに起きていたから逆光で穴の中から上を見たら奇声を上げて変な踊りをする影が見えたら怖いよね」

　それは普通に成功したときの踊りだったんだがそんなことになっていたとは。数年ぶりに知った真実だ。

　四人で話しているのに内容の大半が俺と友人の過去のやらかし話になっているのはなぜでしょうか？

　こらこら閑名家の庭にお手製シーソーを作って屋根まで飛んで池に落ちたことは言うなよー服が引っかかって池から上がったらパンイチになったのは恥ずかしいんだぞ。

　外を見るといつの間にか外は暗くなり始めている。

　四人で出し合ってピザを頼むことにする。

　なぜか眞子さんに驚かれたのだが、さすがに作らないよ。作るとしたらピザ窯をノリで造った閑名家でしますので。

　ピザが来るまでの微妙な時間帯にゲームしようと友人が言い出した。

「雨乞いは嫌です」

「私も嫌かな～」

　二対二だが彼女に勝てる男二人ではない。

　しぶしぶ友人が持ってきた鉄道の足の引っ張り合いゲームをチョイスした。

　女子二人もこれならと喜んでくれる。

「・・・なんでしょうこの微妙な感じ」

「こう爽快感がないかな？」

　俺達をボロボロにしてくれた湊と眞子さんが首を傾げる。

「二人は自分の彼氏を狙い撃ちにして楽しくなかったと」

「後半ほぼ俺か周平に神様がついてたのにか」

　もう楽しむよりどうやって立て直すかのゲームになっていた男達には勝者が喜ばないのは不満だ。

「う～ん、こう運が大半だとやった感がないので」

「罠に嵌めて絶望した周平が見たいかな」

「なあ運が全振りで悪かった俺に刺さること言っているよな」

「俺ある意味一筋なこと言われているよ」

　女子二人が悩んでいるとピザがやって来た。

　男二人で取りに行く。

「やっぱあの二人も影響出ているよな」

「ああ、変にゲームが上手いと運要素のが物足りなくなるんだよな」

　友人と受け取ったピザを持ったまま廊下で話す。

　湊達が納得いかないのはしょうがない。

　複数でする格闘ゲームなら楽しいかもしれないが実力差如実に表れるので、さらに俺と友人は女子に負けてしまうからしない。

「俺持ってきていないって言ったから怒られるかも」

「ふ、俺なんてバレたときにしこたま怒られたから怖くないもんな～。ただ監視付きでしかできねえけど」

　ピザを友人に全て持たせて俺は穂高家の階段下の倉庫を開ける。

　友人達が来る前に湊にわからないように倉庫に隠したのだ。

「・・・なんか暗闇にただあるだけなのに存在感があるな」

「ただの本体なのにデータってオーラが出るのか？」

　ゴクリと一緒に喉が鳴る。

　ゆっくりとそれを取り出す。ただの黒光りしたプラスチック製品なのに早く俺を解き放てと言っているようみえた。

ーーーーーー

周平「ヤツが呼んでいる・・・」

友人「ああ、俺にも聞こえるぞ」

湊「昔の映画でも見たかな？」

眞子「ああ、あれ最初の方は知っていても後半を知らない人多いですよね」

湊「とうもろこし畑を普段着で歩くと首筋に切り傷ができてすごく痒いんだって俳優さんたち痒かっただろうね」

周平&友人「夢を壊すようなことを言わないでっ！」

ダーダンダーダン、ようやく書けるとこまで書けた・・・(;´д｀)

その間に変な過去を書いているし・・・(--;)

さあ、筆者は書けるのか！今回は超大まかなあらすじも考えていませんよ～＼(^o^)／

明日の筆者よ頑張れっ！

明日の筆者「死ねっ！」

現在の筆者「グバファッ！」

☆(゜o(○=(゜ο゜)o