第159話文化祭の後(コメディ版)

周平視点

 祭りのあとはお片付けと後処理だ。

 面倒くさいがきっちり終わらせないと後々に響くのである。


 そして俺は多大なご迷惑を掛けまくったので第二次謝罪行脚の旅に出かけることになった。


「謝罪の相手が倍ぐらいに増えているなぁ」

「来年はゼロにしようね」


 湊が付いて来てくれたから最後までなんとかやり遂げる。

 職員室には暴食フルアーマーを差し入れして太目と女性教師を悩ませ、ついでに調理部にもおすそ分けして『どうすればこんな食感になるのおぉぉっ!』といい悲鳴をいただいた。

 まあ本人がよくわからないのでどう教えようもないと伝えたらさらに追加の悲鳴が。自分達で作りだすっ!と意気込まれたので来年の調理部も安泰だろう。上村先輩が溜息をついていたけど。


 もう一つついでに六組女子にもおすそ分けで暴食フルアーマーを渡したら喜びを、そのあと通常の暴食の何倍かのカロリーがあると伝えたら殺気付きの悲鳴を頂いた。

 まともなのを寄こせと言われたけど、口と次の日のトイレが痛くなる憤怒はどうかな?痩せはするよ痩せは。

 湊が一組の分もというのでカロリー減おからとコンニャクの粉で作った焼きドーナツを提供、大変喜ばれたらしい。それを聞きつけた六組女子に締め上げられたが。


 謝罪行脚中にはもう一人謝罪ではなく反省中の人もいた。


「うぅひもじいですぅ」

「ごめん梅ちゃん、俺達あげれないんだ」

「せめて唐揚げ一個・・・」

「ダメよっ!見つかったら刑が一日延長されるのよっ」

「きゅる~ん、くぅ~ん」

「「「くっ可愛い!!」」」


 文化祭中の行動が教師として問題行動ということで生徒からの昼食のおこぼれを貰うことを禁止された梅ちゃん。

 なのにコンビニにいる貰えないのに甘えてくる野良猫のように、昼食中の生徒の前に首から『餌をあげないでください。躾け中です。』の板を吊り下げて、飯テロならぬ飯妨害テロをしている。


「う~謝罪用のあまりを」

「しっ!見るなよ。クラスでもHRの時には先生が監視にやってくるほど教師勢は本気だからな」

「生徒の方に甚大な被害が出ているよぅ」

「文化祭中に梅ちゃんを引き留めたのが出店の生徒達だったらしい。六組なんて梅ちゃんに何もしてないのにとんだとばっちりだぞ」

「それはちゃんと担任とその生徒に罰を与えているんじゃないかな」


 梅ちゃんの餌付け禁止期間は一週間プラス延長五日で終了した。

 そして餌付けのファンが増えたらしい、これは梅ちゃん本人から聞いたので間違いない。


 文化祭の後半、俺の休憩中に純様VS梅ちゃんの戦いは梅ちゃんの途中強制逃亡により純様の勝利ということで強欲の多重層プリンを作ることになった。

 本気の七色強欲は非常に俺が疲労、材料費で死ぬので三つの味の六層で勘弁してもらう。

 強欲は家に泥棒が発生するから困る、湊に両親ズだ。

 組み合わせで子供から大人まで味が変えられる強欲は大人気大罪である。そして今まで作った本人が味見以外で一度も完成品を食べたことが無いスイーツだ。


「私もパパママも我慢しようと思っているんだよ。でも冷蔵庫に強欲が冷やされているなと思うとつい、ね?」


 てへぺろされても全滅したピスタチオ、高級カカオ、ノーマルの強欲は帰ってこないので両親ズには材料費+お小遣いを、湊は俺の怒りが収まるまで箱消費を罰として科した。

 一人罰になっていないのはしょうがない。放置した方が罰になるのはわかっていたけど、ほら文化祭で我慢していたので、な?


「我は帰ってきた」

「「「純様ぁーっ!!」」」

「まさか母校に二回も短期間に来るとはなぁ」

「私結構忙しいのよ」

「「「お姉様ぁーっ!!」」


 どうやって渡そうか暴君姉に相談したら翌日の放課後に純様と女王様二人が再び学校に御降臨なされた。

 喜ぶ元メイドと執事と具視とヒャッハー。


「うまうま」

「周平なんでウチに来る時にこれを持ってこねえ?」

「あら美味しいわ。ショタなら作れるかしら」

「「「はあぁぁ尊いぃ・・・」」」


 アンケート調査で文化祭で一番印象に残ったのは?で断トツ一位をかっさらっていった三人(プラス珍獣梅ちゃん)を六組にいさせると廊下の観客が凄いことになった。

 なので中庭の昼食で使うテーブルに移動したら、中庭が見れる窓の全てに生徒が張り付く怪異現象が。

 友人と眞子ちゃんには逃げられて湊、だけではなく強欲に寄ってきた飢えた獣(梅ちゃん)で接待する羽目に。

 ウザいから近寄るなと暴君に言われて近寄れない六組メンバーが血涙を流すのかと思うぐらいに悔しがっていたのが優越感より恐怖が増す。


「梅も食べる?」

「っ!?いいんですかっ!」

「ん、ライバルに施すのも一興」

「わぁーい!」


 この時強欲を食べたのが二日分の延長期間になった梅ちゃんである。


「なあ時東、十二層まではいけたんがそれ以上は味のバランスがな」

「天才ですか上村先輩」


 純様達が食べているのを見ていた上村先輩が軽く原作者を超えるものを作ったのは戦慄した。

 料理の専門学校に進む上村先輩だが、そのあとはある人物の会社の食堂に就職してみないかのちに相談する羽目に。

『六層まではいけたんだよっ!でも純さんが微妙って言うんだ・・・』とたまに俺に直で電話してくる暴君の彼氏さんが面倒臭かったので、尊敬する先輩を売ることになった。


「反省せず再びご迷惑をおかけして申し訳ありません」

「本当に彼氏がご迷惑をおかけして申し訳ありません」


 最後の謝罪は本命生徒会。

 土下座・・・は引かれるので深々と頭を下げる。

 悪魔の誘惑クッキーでは追いつかないくらい忙しかったと湊からお小言を受けたのでさすがに後悔した。まともな人がちゃんと下で支えてくれているのを忘れてはいけないのに。


 生徒会長は謝罪を受けてくれた。

 さすが会長となると度量があるなと思ったら、これ以降会長が関わる大きい行事は生徒会選挙だけなので俺から解放されるからの懐の深さだったようだ。

 副会長からはお願いだから何かする時は生徒会に知らせてからにしてくれと、大きなモノをユサユサ揺らしながら懇願された。

 頷くしかなかったよ、見えないところでつねるのは止めて欲しい。


 校長?あの人はやらかす側だったので謝罪は無しで、暴食をねだられても先生達から検査で引っかかったから餌を与えるなと言われているので大罪の番外、無価値の水ゼリーを与える。泣くぐらい喜ばれた。


 これで一週間かけた謝罪行脚は終了。

 久しぶりにゆったりとした休日を過ごせることになりそうだ。



ーーーーーーー

周平「マジ疲れた」

湊「これからが本番だけどね」


まあサクッと謝罪行脚は終了です。ひとつひとつを書くと体育祭の時より長くなりそうだったので(-_-;)


そして今話で気づいた現在の副会長の性別がころころ変わっていたことに!Σ( ̄□ ̄;)

球技大会の時は男で書いてましたよ。修正していますがあと何ヵ所あるやら・・・(;´д`)

男の会長なんていらないんです。三年連続女子生徒会長がいい筆者です(*´∀`)あと巨乳であれジュッ!

湊「死ね」


さあ一週間かけて謝罪行脚した周平、ゆったりとした休日?

湊がそんなこと許すと思うかっ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る