第157話文化祭終了だけど青春はここから


 眞子視点

「生徒会です。午後五時をもちまして文化祭の閉幕します。一般参加の皆様は正面校門からお帰り下さい。・・・三十分後から後夜祭始まります。体育館でイベントもありますのでご参加ください」

「「「終わったーっ!!」」」


 黒板の上のスピーカーから放送が流れるとクラスメイトが執事とメイドと具視とヒャッハーの皮を脱いだ。


「まだですよ最後のお客様がお帰りになるまでがお仕事ですよ」

「「「はっ、申し訳ございませんご主人様」」」


 私の注意に破きかけた皮を被りなおす。


 湊ちゃんと周平君がいなくなってトモヒトが指示出しに就任したけど十分もしないうちに反乱が起きた。


「元具視は信用出来ねえ」

「お姉さま達を無視しようとする奴は許せないわ」

「白目はちょっと」

「具視脱退者は死ねっ」

「お前が出店前でモテてたのは見ているんだからなっ」

「白目は嫌」


 反乱の理由がほとんどが過去の所業だった。そのモテていたのは気になります。ええ気になりますよ。白目は一応わざとみたい・・・わざとだよね?

 そして移譲先は純ちゃんのクッションになっていた私。


「ひでえよ~、ほとんど何もしてねえのに」

「あっはっはっはっ、なんだお前のクラスでの地位は一番下か?」


 トモヒトは教室のすみでいじけて秋夜姉さんに笑われた。

 その暴君は女帝と一瞬で六組の頂点に立ちましたもんね。


 文化祭が終わるまでに起きたことは、梅田先生が見回りの先生に見つかり連行されたこと。午後に見回りに出てから行方不明になっていたらしい。

 六組の皆が『アホの子や』と呟いてしまった。

 梅田先生はクラスメイトの暴食の半分と炊飯ケーキを確保して職員室に連行される。スイーツは袖の下にするらしかった。

 六組の担任だけはあるなと少し納得する。


 他には具視の他にヒャッハーが増えた。

 はい意味がわかりませんよね、私とトモヒトと女王二人ぐらいしかわかりませんでしたよ。


「ヒャッハーいないの?」


 コテン


 戦う相手がいなくなった純ちゃんが秋夜姉さんの膝の上に着席しての一言がそれだった。

 無視すればいいのにそれを聞き逃さないのが六組の宿業のようで。


「ヒャッハーてなんだ?」

「誰か知ってる」

「ふっ、俺が知っているぜ」

「「「閑名か~」」」


 この時、湊ちゃんが周平君を調子に乗らせたらダメと言っていたように、トモヒトは一人で放置したらダメというのがわかった。

 学校では交際していることを秘密にしているので、私は一歩出遅れてしまう。


「純さんが見たいのはこれだっ」


 トモヒトがスマホに基本ヒャッハーをクラスメイトに見せつける。


「あ~モヒカンか~」

「衣装の中にトゲ付き肩パットがあったのになんで具視に装着しないんだろうと思ってた」

「顔のペイントは閑名君用のボディペイントのでいけるかな?」

「純様、剃らないといけない部分は武士の情けで五分刈りでもよろしいですか?」

「んっ、情けは雨乞いでもたまにする」

「「「さすが純様お優しい」」」

「そのあと背後から撲殺が王道」

「「「おおぅ・・・」」」

「ヒャッハーは即滅が基本だぞ」

「鬼二号わかってる」

「「「話がわかんない・・・」」」

「それはな純様愛用の雨乞いというゲームが・・・」


 ヒャッハーの姿を知ろうとしていた六組のみんなをいつの間にか雨乞いの沼に引き込んでいるトモヒトが。

 その時、私はちょうど梅田先生の引き渡しに立ち会っていたので防ぐことが出来なかった。


「「「雨乞いフィーバータイム2を買います純様っ」」」

「ん、2.1の世界で待つ」


 数名の男子が数分の間に狂気のゲームに興味を持ってしまった。

 そしてその中のさらに二名が・・・。


「「ヒャッハー!」」


 サイド五分刈りのモヒカンでトゲ付き肩パットの赤フンのヒャッハーが誕生してしまう。


「クックックッ馬鹿どもめ、あー午前中の鬱憤が晴れるな~」


 トモヒトはやはり周平君の親友でした。沼に同級生を引き込み、純ちゃんの一言から被害を大きくしています。


 私は関わりません。

 雨乞いにはあまり関わりたくないので、閑名家でトモヒトとしてみたらキャラ選択で八割ぐらいの確立で強制的に白フン男装巨乳女武将に変更されるゲームには。

 現実世界では具視で限界なのです。

 なので秋夜姉さん達の傍に逃げましたよ。


「ねえ、坪川さんは時東と閑名の友達だよね」

「なら雨乞いってゲーム知っているでしょう?」

「女性が出来るまともなキャラはいないのっ」


 女子に掴まり尋問されましたが、レオさんの私達は2はしていないわねの一言で興味を失ってくれた。

 ええ、たしかにお二人は2はやっていない。やっているのは狂気の2ではなく狂喜の2.14ですから。


「んっ、次は五分刈りじゃなく全剃りで」

「「厳しーっ!」」


 容赦なく採点する純ちゃんだけど、具視の時とは違いトモヒトをお共に激写。そしてサインももらっていた。

 剃ーれ剃ーれと楽しそうに純ちゃんと囃し立てているトモヒトは内容を無視すれば楽しそう。


「懐かしいな」

「あの髪型に迷いなくできるって最近の高校生は凄いわね」

「帰りに打っていこうかな」

「俺も俺も」


 ヒャッハーはなぜかお客様にもすんなりと受け入れられた。たぶん具視で耐性がついたからだろう。


 周平君は煽るほうだと思っていたけど六組の暴れん坊達をちゃんとまとめていたんだとわかる。煽るのは恋人のトモヒトのほうでした。


 教壇の上で具視VSヒャッハーの即席ショーが始まり純ちゃんは無表情でも大興奮、お客様も大喜びだったのでトモヒトにスマホで連絡して鎮圧させる。

 私は格好いいキャラが勝つのが好きな派なので、変な頭に勝たせることはさせません。少しは反省もさせないと、あとトモヒトの地位も上げないと私は不満です。

 でも倒した変な頭を重ねてその上に足をのせて拳を上げるのは次の回で暗殺されそうですから止めて欲しい。


 そして文化祭の閉会時間が近づくと少しずつ人は減っていき。


「服はやる。余ったぶんはショタがあとで取りに来るからな」

「良い生地だから汚した時はクリーニングに出してね」

「「「お姉さまっ」」」

「ん、楽しかった。また来る」

「「「純様っ」」」


 最後のお客になった三人に集まるクラスメイト。

 秋夜姉さんとレオさんにはメイドが集まり、純ちゃんの前には執事と変態が膝をついてむせび泣いている。


「周平のせいで六組の変態度が増したな・・・」

「クラスメイトの性癖がぶれぶれにされましたよ」


 すでに純ちゃんとの別れの挨拶を終えた私はみんなの後方でトモヒトと片付けを始めていた。


 約半年でクラスのみんながおかしくなった・・・うん、トモヒトと周平君のせいです。

 普段はトモヒトの奇行で慣れさせて行事の度に周平君が悪魔の誘いを仕掛けたせいでこんなにもおかしくなったんですね。

 ええ元からと言ったら私もその一人になるから嫌です。


「バハハーイ」

「「「バハハーイッ」」」


 秋夜姉さんの片腕に抱かれた純ちゃんとレオさんが手を振り去っていく。

 すぐに廊下の方からキャーと歓声が上がるのはさすがあの三人だ。


「「「「「うう、純様・・・」」」」」

「「純様は俺達の女王様だっ!」」

「あん?具視を見に純様は来てくれたんだよっ」

「雑魚は変な悲鳴出して死ねっ」

「うるせえっ、数でしか笑いが取れなくなっている具視がっ」

「お前ら純さんに関わり過ぎるとマジで消されるからな」

「「「「「「「消されるってマジなの?」」」」」」」


 トモヒトの注意に鎮火する変態ヘアー。

 たぶん本当ですから、その消す人は女性の骨を折れる人なので男性にはもっと容赦ないと思います。


「ああ、お姉さま・・・」

「はあこの変態達を生贄にしないと来てくれないのかな」

「純様の保護者みたいだったし」

「閑名の姉弟だから・・・」

「いや無理、白目剥くし、登校中に道に転がっている奇人なんて」

「この前は体育館で変態達と上半身裸になってオネエポーズをとって部活を妨害していたし」

「「「お姉さま達には会いたいけど閑名と変態は無理」」」

「・・・」


 そのトモヒトが狙われてるのっ!?と反応しかけたら彼との交際を全否定されてしまった。

 悲しくはないです、ええ素のトモヒトを知っているのは少数でいいですから。

 でも自分の彼氏が変態と同一、そういえば最近の朝の道で寝ているトモヒトを起こす私が殆どですね。それが奇人の行動というのを当たり前になっていて忘れていましたよ。


「はい後夜祭が始まるまで時間がありませんよ。後夜祭が本番だと思っている人はいるでしょうけど、ある程度片付けなければ行けませんからね」


「「「アイマムッ!」」」


 私の言葉に素直に後片付けに動いてくれるクラスメイト。

 男子は重い物を移動解体して、女子はテーブルクロスや軽い物を片付ける。


 自分の欲には忠実過ぎるというのが実情だけど行動力は学年一位かもしれない。変態度はたぶん校内で断トツ一位だ。


 私も女子に交じって分別をしていく。

 トモヒトは木材や燃える紙類を男子達と分けていた。

 キャンプファイヤーというものが昔はやっていたと聞いたことはあるけど私達の学校ではしない。

 体育館で後夜祭のイベントをして、屋台をしていたクラスや部が無料で作ったものを提供する場らしい。


 学校では交際しているのを隠している私とトモヒトはそういう場所では二人ではいられない。

 寂しいとは感じるけど男子は男子、女子は女子で楽しむのもいいのかもしれない。

 帰りぐらいは一緒にいたいけど。


「は~い坪川ちゃ~ん」

「ちょっと付き合ってくれる」

「はい?」


 汐戸さんに顎でクイッと廊下を指され、左当さんに背後から私の肩を掴まれた。


ーーーーーーー

汐戸「ちょ、ついて来いや」

眞子「ガクガクブルブル」

佐当「大丈夫だよ~痛くはしないから~」

眞子「ひえっ!?」


もう少しだけ文化祭の一日は続きます( ̄▽ ̄;)

ツンデレ汐戸に腹黒佐当に捕まった眞子の運命は!?

ちょっとお話を分けます。コメは終了~ラブを書かないとっ!!( ̄□ ̄)

純様がいるとコメの方が強くなるんですよね(;・ω・)


純様は2.14を主にしていますが2.1もしている雨乞いヘビーユーザーです。2.14は固有キャラで2.1はいろんなキャラでネット対戦をしています。ただ謎の護衛がついていますが(;´д`)

雨乞いをしていない雨乞いフィーバータイム2.14・・・。2.1の方はストーリーモードでは雨乞いしています(; ̄ー ̄A

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