第75話基本、家(巣)ではイチャイチャの二人
イチャイチャですよーっ!( ´∀`)
湊視点
「あー疲れた」
「お疲れ様周平。はい」
「おうありがとうな湊」
私が持ってきたオレンジジュースの入ったコップを受け取る周平。
自宅に帰った私達は着替えてから周平の部屋に集まっている。
休みのリビングは私達二人のものだけど平日はママと周平ママもいるのでイチャイチャ出来ないので周平の部屋なのだ。
周平は私の家には来るけど余程のことが無い限り私の部屋に入ることは無い。女性の部屋はみだりに見てはならないという周平パパの考えによるものだ。よくケンカしている二人だけど周平は周平パパのことを深く尊敬しているのでわりとその考えを守っているのだ。
周平パパにもう少し周平の考えが緩むようにお願いという誘導をしてみたけど、さすが親子自分のパーソナリティが強い強い。周平ママも頑固だからと笑っていた。
まあそれ以外はどちらも緩々なので私を平気で周平の部屋に入れるんだけど。早く間違って手を出してもらいたいものである。
ベッドを背もたれがわりにする周平の横に座る。
周平の部屋はベッド、テーブル、本棚、テレビ、ゲーム機、クローゼットとシンプルだ。机は昔あったけど基本私がいるので個人で作業する机は処分された。机も私の敵である。
「久しぶりに説教したらあいつ反論してたよ」
「それは珍しい。友人君も成長したのかな?」
周平の肩にもたれかかり顔をスリスリする。うーんいい匂い落ち着くなー。
「すぐに正論で潰したけどな。あーやっぱり眞子さんが関係したから意固地になったか?」
「うーん、秋夜姉さんの件もあったけど眞子ちゃんやっぱり閑名兄弟に目を付けられているよね」
お昼に食べられた周平特製のポテチとおからクッキーの残りとジュースをテーブルの上に置いてたのだけど、そのクッキーを一枚周平は手に取り私の口元にもってきた。
アーンと三分の一ほどを食べた。残りは周平がそのまま持っていてくれる。お世話されるのは何度されても嬉しい。
「あの二人に目を付けられるなんて眞子さん前世で悪いことでもしたのか?」
「こらっ、私の親友に冗談でもそんなこと言っちゃダメ」
「痛い痛いごめんごめん」
ポカポカ脚を叩く。痛くは叩いてはいない厳重注意みたいなものだ。
「まあ友人はしばらくは大丈夫と思う。放課後に目から光が無くなるくらいに説教したからな」
「ああ~それはしばらく大丈夫そうだね」
周平の脚を胡坐にして頭を乗せてと、よしちょうどいい枕になった。はいアーンもぐもぐ、うんあまり甘くないのが好みだね。これは私用に作ったんだろう。梅田先生には・・・仕方ない少しは譲歩譲歩。
「友人が萎んでいくほどに眞子さんがおろおろし始めてな」
「優しいから眞子ちゃん」
「中途半端に止めると反省しないからな仕方なく仕方なーく。正座込みの一時間に省略した」
「あははは、それは友人君にとって二時間説教よりどっちがよかったのやら」
ワンコがイタズラして怒られている光景が浮かぶ。そしてそれを見ている眞子ちゃんがオロオロしているの。
私も生徒会の方に顔を出す必要があったからその場にいられなかったけど見たかったな。
「湊はしたない」
おっと脚をバタバタ動かしたせいでスカートが捲りあがっていた。周平ならこのまま見てもらっても嬉しいけどそこは淑女としてはしたない。フトモモまでならオッケー。注意するぐらいは私の脚を見ている周平です。
「両足プルプル、精神的にボロボロでも眞子さんを送ろうとしてたのはあいつなりに悪いと感じていたからかもな」
おや本当に友人君は成長したのかな?友達としてか小さな恋か。何度か人に迷惑かけないと恋心が成長しないのは閑名家特有だろうか。
まあ私と周平も人のことを言えないぐらい迷惑かけたけどね。そのときの恩ぐらいは友人君を応援してあげよう。私は眞子ちゃんの親友だからそこまで積極的には出来ないけどね。
ポテチを取って周平の口に持っていく。アーンして一口で食べる周平。
「む、油を使ってないぶん味の付きがいまいちだな」
「揚げるのはそれなりに理由があるみたいだね」
手に付いたポテチの塩を舐める。ふふふ間接間接。
「まあ友人はしばらくはバカなことはやらないと思う」
「うん、ご苦労様です」
やはり友人君への対処は周平だね。対閑名兄弟最終兵器周平は伊達じゃない。私でもあの二人に言うこと聞かせることは出来ない。よくわからない絆が三人にはあるみたい。
嫉妬はする、けど昔ほどじゃない。今の私は周平の彼女ですから。
「ところで秋夜姉さんは・・・」
「あー彼氏さんにね」
「いや聞かない。聞きたくない。絶対に心のダメージが凄いことになる」
耳を塞いでいやいやする周平。
まあ姉と思っている人が三日ほど彼氏さんのところにいるというのは聞きたくないかもね。友人君にはわざと電話の内容を聞かせたけど確かにダメージを受けてたもんね。
彼氏さんも秋夜姉さんの行動はダメと判断してくれたから反省させると約束してくれた。エロエロと注文はしたけどどんなことをされるんだろう。後学のために知りたい。
私達の間では閑名兄弟は基本放置、ただし眞子ちゃんが萎れてきた場合は問答無用で周平長時間説教と彼氏さんに応相談することになった。
「やってもいいがあとがめんどい」
が周平が秋夜姉さんに説教したくない理由で年上で姉同然は苦手みたい。いい対処相手が出来てよかった。
「梅田先生が言ってたのはどうするの~?」
「んあ~部活と体育祭だっけか?」
周平は適当に置いてある漫画本を読みだし、私はスマホで動物の動画を見ながら喋りあう。各々自由に好きな事をしているけど会話しているし、アーンして食べさせ合っている。
「部活と体育祭と試験ね。ちゃんと勉強しようね周平」
「・・・まあ、友人と一緒に眞子さんに教えてもらう」
「それでよしよし」
前向きなので頭をよしよししてあげる。
食べ物に釣られまくっていた梅田先生だけど最後はちゃんと一学期の残りにしないといけないことを教えてから去っていった。その手には周平手作りのお菓子を持っていたけど。
勉強は私は一緒にしてあげることぐらいしかできない。私は教えるのがとても下手なようなのでお役には立てないのだ。一人ぼっちは寂しいからたまには三人に混ぜてもらおう。
「部活はどうすっかな~」
眉根を寄せて悩む周平。下からのアングルもいい。スマホでパシャリと。良いのが撮れたからあとでギリギリを攻めてみましたシリーズの画像を一枚送信しておこう、等価交換です。
「私はパスかな、生徒会の方に集中しようかと考えてるし」
「中学の時の先輩が誘ってこないか?」
「二つすると一緒にいられる時間が少なくなっちゃうけどいいの?」
「・・・」
質問に質問で返す少し意地の悪いことしちゃう。
周平は下を向いて私と目を合わせた後に髪を撫でてくれた。気持ち良くてくすぐったくて猫ならグルグルと鳴いちゃいそう。
私は中学生のころは全国に出れるくらいの陸上選手だった。ただ、周平の身体のことで三年時の大会は全部辞退した。私の優先順位は今も昔も周平が一番なので、あの頃は周平以外で余程迷惑を掛けること以外は全て切り捨てたんだよね。
陸上もその一つ、個人競技だったのでたぶん真っ先に切り捨てたような・・・。まあ私にとって周平以外はそのくらいでしかないのである。才能で上位には上がれるけどトップなれるほどの情熱は無い。
生徒会は裏方、まとめ役、運営などに慣れるために入ろうと思っている。交際する前の私にはそこまでする余裕はなかったしね。余裕がある今、自分に必要な事を経験していくつもり、私は私の青春を謳歌するためにちゃんと取捨選択しているのである。部活はそこから落選しました。
「周平は部に入らないの?」
「あーさほど興味ないしな」
私は自分で部活動を切り捨てるけど、周平は無理して壊れた身体のせいで選ぶ先が極端に制限される。
「調理部は?」
「お前は普段以外から何か作れと?」
うわ、凄くいやそうな顔をしてる。
う~んでも私が生徒会の活動をしている間、周平は放課後待っているつもりみたいなんだよね。それは少し心苦しいのである。
調理部は梅田先生が周平に勧めていた。周囲が女子ばかりは気にくわないけど周平を信じている。嫉妬はする。
「まあ他の二人が何かに入った時はその時には考えるさ」
ポンポンと軽く頭を叩かれた。
周平ならそう考えるよね。眞子ちゃんは部に入るのかな、やっぱり腐の関係で文芸部?でも真面目な部なら無理だよね。友人君はたぶん入らないだろうね、中学の時もどの部に入ってたかは知らないけど幽霊部員だったみたいだし、高校は最初から入らないだろうね。
「じゃあ体育祭は」
「縦割りチーム分けで一年が目立つとは思えんが」
「ぶ~つまんない~。あ、いいこと思いついたっ。私のクラスと周平のクラスで勝負しよう!負けた方が一つだけ言うことを聞くっていうのはどうかな?」
うん、我ながらいい案だ。
勝ったら何してもらおう?添い寝?一緒にお風呂?清い交際がなければもっと考えられるのにっ!
「すでに勝負することになってる顔だし、すでに勝った後のことを考えてるし。しかも邪まそうなことを、普通逆で彼氏の俺が考えるんじゃねえの?」
緩いくせに中心はダイヤモンド並みに硬い周平の倫理に期待はしません。
「それに湊の優等生クラスに勝てるわけないだろう。勝負は無し無し」
「えー、周平のクラスなら面白いことになりそうだと思うんだけどな」
確かに私のクラスは優秀だと思うけど応用性の幅は少ないと思う。それに比べて周平のクラスは担任が絶大な人気を誇る梅田先生で団結力は高いだろうし、私以上の身体能力を持つ友人君、身体的にはダメだけど何をしでかすかわからない周平が軍師で、眞子ちゃんが全体的なサポートをすれば・・・あ、ヤバい負けるかも。
よしギリギリまで勝負をするのは隠しておこう。今すると周平はクラスをまとめだすから準備期間は最小に、それが勝つ為の作戦です。
「よしっ、ゲームしよゲーム」
無理矢理話を変えよう。周平ならのってきてくれる。
膝枕を止めるのは惜しいけど背中を預けて抱きしめられながらゲームするのも乙だ。
「何のゲームが入っているのか?」
「あ、ちょっ」
周平が焦っている声が聞こえるけど私はゲーム機のスイッチを押した。
『雨乞いフィーバータイム2の始まりじゃあぁぁ!』
ジジイの叫び声が部屋に響く。
「・・・」
「・・・」
「周平・・・?」
「はい」
「なんで雨乞い2があるのかな?」
「いや、昨日なネットで購入したのが届いてな」
「買っちゃダメって言ったでしょうがあぁぁっ!」
「やりたかったんだよおぉぉっ!」
幸いに2.14ではない。あれは特殊なUSBを本体に接続してバージョンアップしないとならないと聞いている。
あんな周平と友人君専用みたいなゲームは私達の巣にはいりません。
まったくラブラブイチャイチャだったのにこれから説教タイムだよっ。
ーーーーーーー
秋夜「ほら2.14にバージョンアップできるUSBがあるぜ」
周平「あ、あ、あ、」
湊「それはダメーっ!」
はいオチは雨乞い2です・・・(;´д`)
侵食してくる雨乞い2・・・。湊は食い止めることができるだろうか。
次回、雨乞いフィーバータイム2.14見参!
こういう次の内容がわかる動画を見て筆者笑い死にしそうでした(´-ω-`)次回は普通ですから(;・ω・)
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