第74話少しだけ凄い教師、だけどすぐにペット

前回が少なかったので合わせ技で一話分です。



 周平視点


「それで皆さんは休みはどう過ごしましたか。遊んでばかりじゃだめですからね」

「ポテチを食べながら教師が言うセリフではないと思うよ梅ちゃん」

「めっちゃボロボロこぼしているし」

「はいはい口元拭きましょうね」

「服にも落ちてますよ」


 知ってるかいこれが成人した教師なんだぜ。


「あ、油は使っていないからはたくだけで大丈夫だ」

「・・・周平君、あとでそのポテチの作り方を教えてもらえませんか」

「あの・・・私も」

「「「私も」」」

「いや待て。眞子さんはわかるけど周囲にいた女子達はいつのまにっ」


 女子のカロリーに関しての執着度は凄いな。

 そこの彼女の湊さん私が育てましたみたいに胸を張っているがお前の嫉妬の対象がわからないぞ。あとお前が太らないのは体質もあるけど俺がある程度栄養とカロリーを計算しているんだからなっ。


「私は気に入りましたので作ってきてくれればいくらでも食べますよっ。あ、でも今は熱いほうじ茶が欲しいですね」

「饅頭怖いはいかにも教師だけど、今周囲の女生徒を敵に回しているからな梅ちゃん」


 コップにお茶を出して渡す友人。あれは地味に食べる量が少なくて恨んでいるな。けど自分と同じ量を平気で食べられることにも敬意を抱いているからお茶を入れたんだろう。凄いよ梅ちゃん先生、食べるだけで友人に認めさせた人物はいないぞ。


「ん~、坪川さんは休み前より緊張が取れてますね。閑名君は坪川さんへの警戒心が少しなくなっていますか?時東君は相変わらずですが」

「「「!?」」」


 こくこく飲みながら俺達の顔を見て評価していくミニマムティーチャー。

 唐突に出現して餌付けされて、女子達の嫉妬を買う存在だけではなかったみたい。そのマスコット感だけで人気があるというわけではないようだ


「私はどうですか梅田先生」


 一人だけはぶられた湊が聞く。

 ビクッとしてフルフル震えながら湊から視線を逸らす梅ちゃん。


「いや、あの休み前から相変わらずのぶれない心をお持ちのようで・・・どうして私は嫉妬されているんでしょうかボソッ」


 最後の方は俺には聞こえた。

 ぶれない彼女でごめんなさい。それ湊のノーマル状態なんです。でもよくわかりますねミニマムティーチャー、外面は完璧に隠しているよウチの彼女。そして湊を怖がっていたのを今さら思い出したか。


「はいはい、お茶を飲んだら甘いものですね。おからクッキーダークバージョンです」

「はうっ!なんですかその魅惑の名前はっ」


 ごめんなさい梅ちゃん先生。貴方は基本動物に怖がられる湊のペット枠です。ペットでいてもらうために恐怖感を忘れてもらおう。

 その為には放課後食べるために作ったお菓子を供出しようではないか。


「女子の大敵カロリーをクッキーから減らしつつカカオ成分が多いダークチョコを入れて大人向け仕様に作りました」

「下さいっ!私は大人な女子ですっ」


 必死に手を伸ばしてクッキーを取ろうとする梅ちゃん。よし恐怖心は忘れたな。ちょくちょく持ってきて湊の傍に居れば美味しいものを食べれると記憶させよう。


「パブロフの犬・・・」

「しっ、それは言っちゃ駄目です友人君」

「う~ん私の為にしているのはわかるんだけど、女教師を餌付けするというのは彼女としてどうすればいいのやら」


 友人と眞子さんはこそこそ話しているし、湊には俺の行為はもろバレか。

 そしてじりじりと包囲網を縮めてくる女子生徒達。

 俺はすでに売約済みです。下手に近寄ると湊という狂犬が噛みついてくるよ。



ーーーーーーー

休み明けでクラスの生徒達の様子を見て回っていた梅ちゃん先生ですが、周平のワンランク上のお弁当に捕まりました( ´∀`)

ちょっと本能に忠実な梅ちゃん先生ですけど、顔を見ただけで良くなった悪くなったかを判断できるぐらい生徒を見ているいい先生です。


周平は運動能力が激減したぶん、料理関係の能力値が増えてますね。

女子達よ周平を狙うと日照り神様(湊)がジュッしちゃうぞ♪(;・ω・)

物語よ進め~(´-ω-`)

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