第30話坪川眞子は結構優秀な人です(腐ってますが)

眞子ちゃん、じわじわと筆者のお気に入りに(;・ω・)




眞子視点


「眞子さん眞子さん、数学の授業でわからないところがあったので教えてください」

「眞子ちゃん眞子ちゃん、数学の授業が全く理解出来なかったので教えてください」


 HRが終わり、帰りの準備をしていると周平くんと友人くんからお願いされた。


「二人ともまたですか」


 呆れの声が出てしまう。


 二人と湊ちゃんと知り合ってからよく話すようになった。

 昼食はときどきご相伴になっている。

 周平くんは普通だ普通と言っているが、太るからと唐揚げを遠慮していた私をみて、皮なしむね肉、ささみの唐揚げを作って来てくれた。

 下処理することでジューシーさはあり、揚げ焼きで油を少量に抑える。中に大葉やプチトマトを入れて食べ応えと一個の総カロリーを減らす。一口サイズに作ることで自分の適量で食べれると当たり前の様に言っていた。

 普通は食べる相手の事をそこまで考えて作りませんよ。日が経つにつれて、ローカロリーのおかずが増えていってるし。


 友人くんは猫だ。

 周平くんといるときは変な行動をとっているが、普段はふらりといつ間にかいなくなったりしている。三年生のグループに混じっていたり、二年生と一年生の喧嘩の仲裁とかをしているのを見たことがある。あとよく白目で寝ている。慣れてきてもいきなりだとビクッとなってしまう。

 周平くんと湊ちゃんは馬鹿だけど親友と言っていた。その表情は感謝の表していた。


「高校になったら授業のレベルが急に上がってない?」

「中学の時は何となくわかっていたような気もするけど、今はサッパリわからん!」


 周平君には同意するけど、友人君は中学の時も理解していなかったということじゃないかな。どうやってこの高校に入ったの?


「しょうがないですね。教えますから机を合わせて下さい」


 仲良くなった二人を見捨てることが出来ない。

 友人君は隣の席なので自分の机を持ってくる。

 周平くんは帰ろうとしていた男子に断りを入れて机を借りていた。


「それでは今日も眞子ちゃん先生のお勉強会が始まるよ~」

「友人君、先生は止めて」


 友人君が軽く言うが、先生呼びだけは止めて趣味の方で呼ばれているからドキッとしてしまう。

 周平君が私を優しい目で見つめている。本にする許可はをもらったから知られているけど、その目は止めてーっ!


「きょ、今日はどこがわからなかったのかな」


 場を進めよう。少しどもったけど優しい目をされるよりはいい。


「ん、ああこことここが理解する前に進んだから怪しいんだよ」


 周平君の教えてもらいたい箇所はそう難しいところではなかった。


「俺は寝てたから全然わからん。必要なところだけ教えて」


 そうだね。友人君は数学の授業の間、白目で寝てたもんね。教えないといけないのかなぁ。


「じゃあ、最初は周平君から・・・」


 周平君はわからない箇所を補強する感じで、友人君は要点を一気に教える。

 凄いのは友人君は一度教えると完璧に理解するのだ。地頭はかなりいいのに勉強をするというのが最初から抜けている。

 一度、なぜしないのか聞いてみたら、他にもいろいろとしたいことがあるからしたくないものから捨てたら勉強が最初だったらしい。本当によく高校に受かったね。



 一通り教えると二人に拝まれた。


「ありがたやありがたや、この御恩は明日の昼飯に反映させましょうぞ。何か希望は?」

「え、じゃあお魚系でなにか」

「んーフライ、干物、焼き物、、ヘルシー系、ガッツリ系のどれがいい?」

「・・・ヘルシー系で」


 周平君は女性の天敵だ。

 男としてではなく、料理関係で同年代の女子は完全に敗北している。

 毎回、昼食で新しい品が入っていると説明してくれる。なぜか湊ちゃんが自慢気な顔をしているけど、彼氏自慢なのかな。


「二人とも、湊ちゃんには教えてもらわないの?」


 ふと気づいたので聞いてみた。

 私はクラスでは成績は良い方だが、湊ちゃんは桁が違う。全国で100位より上の成績らしい。美人で天才、嫉妬する気も起きない。


「あー湊はな、学校では忙しいし」

「あー確かに」


 困ったような顔の周平君の言葉に理解する。


 湊ちゃんは学校ではいつも周りに人がいる。

 美人で頭が良くて人当たりも良い。優秀なクラスの委員長もしているし、生徒会にも入ることがほぼ確定している噂がある。

 そんな湊ちゃんには取り巻きが付いてくるし、相談する人、指示待ちの人がいつも傍にいるのだ。


 湊ちゃんに一度ツラくないのか聞いたことがあるが、本人はこれでも楽しんでしていると言っていた。人の上に立つ人の考えは凄い。


 周平君はそんな湊ちゃんの意思を尊重しているようで、入学式と初日以外は湊ちゃんから関わってこないかぎり接することはしていない。

 まあ登下校は一緒だし、私も参加している昼食は別だが。

 心で繋がっている感が、私は興奮してしまう。棚から進化した脳内フォルダも日々更新されて少し困っている。


「それに湊に勉強を教わるのはちょっとな・・・」


 なんだろう?彼氏として優秀な彼女に教えてもらうのは嫌なのだろうか。・・・よし、次の本の資料にしよう。彼氏に劣等感を抱く男性、彼氏はそんな男性の気持ちをわかっていながら翻弄する。うん売れる。


「あー湊ちゃんは無理」


 友人君が顔の前で手を横に振る。


「天才が天才たる所以を思い知らされされるだけで勉強にならねえもん」

「???」


 意味がわからない。


「それじゃ、眞子さんがわからないだろう。・・・そうだな、今度の連休に泊まりで勉強会でもしてみる?眞子さんは湊の家に泊まって、この馬鹿は俺の家に泊まる形で、その時に湊に教わるのが無理なのかわかるからさ」

「行きます!」


 周平君の誘いに即決した。

 資料が大量に増える♪じゃなく湊ちゃんの家でのお泊り会だ。行かなくてどうする。


 周平君は私の勢いに少し引きながらも湊ちゃんに連絡してくれた。


「オッケーでいいと。眞子さんが泊まりにきてくれるのは嬉しいって」


 秒で返事が返ってきた。周平君の時だけ異常に返信が早いね湊ちゃん。


「え~、俺も勉強しないといけねえの~」

「お前は夜に俺の雨乞いフィーバータイム2の攻略サイトになるんだよ」


 面倒くさがる友人君をたしなめる周平君。


 というかなにっ!?夜に二人でフィーバータイム2てなんなの!?2て二回目!どっちが攻略されるの!


「あ、やばい眞子さんが意識を飛ばしてる」


 周平君の声は私に届かなかった。


 次の日のお弁当で出た鮭と豆腐のハンバーグ和風野菜餡かけは絶品だった。


周平「う~ん腐の人じゃなければきっとモテるのにな」

湊「それが眞子ちゃんの良いところじゃないかな」

周平「え、おさげ眼鏡巨乳委員長のほうじゃないの」

湊「ちょっと校舎裏に行こうか周平」



ーーーーーーー

クラスを一人だけ別にしたから学校編で湊が絡む話が書きにくい。湊は湊で忙しいので更に拍車をかけてしまう(;・ω・)

というわけで、次からは眞子ちゃん湊の家にお泊まりするの回でず。

ヅカ美人とおさげ眼鏡巨乳委員長の組み合わせ・・・イケるな!(о´∀`о)

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