第29話周平君の休日(蛇足編)

フッフッフッ映画デート編で終わるとでも!( ´∀`)

前話のあとがきで読者の皆様にご迷惑をかけたので、血涙する周平のお話を書いてみました。

皆様、砂糖を吐くご覚悟を!

フィクションですよ。周平みたいな男はいません(;・ω・)





周平視点


 湊との映画デートが終わって帰宅すると、父が釣ってきた大量の魚が待っていた。


 久しぶりに帰ってきた湊パパもいて両家両親達が穂高家で酒盛り状態。


 酔っ払いが絡んでくる。えぇぇいうっとおしい!

 湊パパが湊に抱きつこうとするが酒臭いので拒否された。体育座りになってそのまま横に倒れてすねる湊パパ、中年のおっさんがしても気持ち悪いだけですよ。

 オヤジはそれを肴に黙って飲むな。


 酔っ払い達が餌の補給を俺に頼んでくる。

 自前で作った分はすでに残り少なくなっているらしい。

 酔ったまま調理するのは控える理性は残っていたようだ。


 俺と湊の分の魚を貰うことで了承する。

 自宅に戻って調理を始める。自分の慣れた台所じゃないと素早く作れないからな。


 最初に欠食両家両親の為に刺身を用意する。

 下処理した魚を湊に渡す。

 切るのだけは俺より湊の方が上手いのだ。

 ・・・もしかして俺が浮気したら切るために練習しているとか。

 ソンナコトナイヨネ?こちらを向いてください湊さん。


 よし、前準備は終わった。

 カレイは煮つけにして、小鯵は素揚げで南蛮漬けにする。

 魚料理のレパートリーはあまりないんだよな。


「お刺身出来たから持っていくねー」

「おー」


 大皿に盛りつけた刺身を持っていく湊。

 すごいな普通に店で出てきそうだったぞ。


 あ、アサリがあった。地元で買ってきたのだろう。これは酒蒸しだな。


 だんだん面倒くさくなってきた。

 こういう時はスマホで検索・・・刺身か焼くか煮付けるか南蛮漬けぐらいしかねぇ!


 仕方ない揚げたものにあんかけとかでごまかそう。


最後にカレイの煮つけを湊が持っていく。


「あ~疲れた」


 定番料理を作るのは苦ではないが、創作しながらだと頭を使うので疲れる。途中でイラッとしたから唐辛子をふんだんにからめた揚げた魚料理を出したが中年達の胃は大丈夫だろうか。


「ただいま~」

「おかえり~」


 余った魚を冷蔵庫にしまい。台所の片づけをしていると湊が戻ってきた。


「テーブルに出しといて」

「はいはい」


 自分達用に取り置きしていたのを湊に持っていってもらう。その間に片づけを終わらせる。後ですると面倒なのだ。

 一通り終わらせてリビングに行く。


「お疲れ様」

「そっちもお疲れ」


 お互いの奮闘をたたえる。


「まずはメシだメシ。さすがに腹が減った」

「帰ってきてそのまま調理だったからね。私もお腹が空いたよ」


 いただきますをして食べ始める。


 うん、アジの刺身が美味い。

 二人で料理の味を批評したり、今日の映画のことを話しながら食事をする。


「あ、周平パパママは今晩あっちに泊まるって」

「タフだよな俺達の親。釣りと仕事と徹夜で海外ドラマだろ」

「ママ達はシーズン3に突入だ、て言ってた」

「高校生の俺達よりタフ過ぎね?」


 スマホでタイトルを調べたらシーズン12まであるのだが、さすがに家庭をほったらかしにして見ないよな。


 食べ終わると俺は片付け、湊は風呂に入る。自宅で入ればいいのに、ノゾキマセンヨ?

 その後は二人でしばらくダラダラして、湊は自宅に戻って行った。


 俺も眠くなってきたので風呂に入る。やばい料理に頭を使ったのでかなり眠い。

 なんとか風呂を上がり、寝間着に着替える。


 フラフラしながら自室に入りベッドに倒れるようにダイブする。


「キャッ」

「・・・」


 何か聞こえた。

 毛布を少しめくる。


「周平のエッチ♪」


 湊が毛布から顔を出していた。


「湊さん」

「はい」

「さきほど自宅に戻られたはずでは」

「一度は帰りました。でも周平がお風呂に入っている間に戻ってきました」

「帰れ」

「聞いて周平。パパ達は酔って大声で話してうるさいし、ママ達もテレビの音量がどんどん大きくなっていくの。あまりにもうるさいからこっちに退避してきたわけ」


 酔っ払いの声は大きいよな、テレビは眠気防止に音量を上げているのだろう。


「よくわかった。でも男のベッドに潜り込む理由にはならん」

「大丈夫です。透け透けのネグリジェは着てません」


 神様、彼女と意思疎通が出来ません。え、リア充は爆死しろ?こっちは数年先まで手を出せない生殺しなんだよ!


「もういい。寝る、眠い」


 眠気がかなりきつい。

毛布の中に潜り込む。

チラリと湊を見るとちゃんと普通のパジャマ姿だ。ホッとするが少し残念気分もある。


「周平周平」

「なんだよ?」


 今の俺は眠気で煩悩と戦っているのだ。胸元を見せるな顔を近づけるな、眠気が負けるだろうが。


「パジャマは着ているけど下着は付けてません」

「ブフォオッ!?」


 こいつ!今なんて言った!?


「襲っても・・・いいよ?」

「・・・」


 理性がグラグラ揺らぐ。ユー食べちゃいなよ!と本能が叫ぶ。


「ん」


 腕を湊の頭の下に通す。


「俺は眠いんだ。俺の理性を試した罰で眠るまで今日の楽しかったことを話せ」


 腕枕された湊は目をパチクリしたあと笑った。


「しょうがないヘタレだね周平は。いいよ眠るまで話し相手になってあげる」


 ああ、俺はヘタレだよ。湊が大切だからな。


 話しているうちにいつの間にか眠っていた。



「ヘタレで可愛いなぁ周平は」

「スースー」

「キスくらいならいいよね?」



ーーーーーーー

この小説は周平の血涙のおかげでノクターン行きになりません。

地獄だな周平♪ヽ(´▽`)/

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