第二章 新たなる真紅
第0話 新紅
『
だけど、
だから、俺はその可能性を広げたい。俺が
リュートにとって、彼は何者でもない。案内人に貰った小さな盾と言う道具でしかない。だが、彼は言った。『今の俺が望んだ意志でもある』と。
道具に生命は宿らない、生命が宿らなければ意志も宿らない。だが、彼には意志がある。意志があるのならば、彼は一つの生命体であり、決して道具なのではない。
彼にも、リュートの知らない過去があるのだろう。生きているのならば、そんなものはいくらでもある。
親や兄弟、友人や恋人。どんな間柄を述べようとも、皆それぞれが違う時間を過ごし、たまたま重なった一部分の時間を共有しているに過ぎないからだ。
だから、深くは聞かない。彼が話したい時に話してくれればそれでいい。
彼にも彼の人生があった、それだけのことなのだ。
「…………」
リュートは静かに瞳を閉じ、呼吸を整える。そして、叫ぶのだ。
「
真紅の竜装が弾け飛ぶ。弾け飛んだ竜装の破片が辺り一帯を高速で舞い、ミレアとローズの四肢を拘束する魔女の森を切り裂くと、二人は華麗に着地した。
弾け飛んだ竜装の中から出てきたのは、丸を連想させる頭部をした鎧だった。
色は従来の鎧同様だが、形体が明らかに異なっていた。
従来の鎧が重量感のある筋骨隆々のイメージだったのに対し、今回の鎧は装甲などが軽量化されており、脆いように見える。
最低限の鎧、そんな印象を受けた。
スタイリッシュになった、と言った方が表現の印象はいいだろうか。
『TYPE・ネイキッドコンバッド。これが新しい主の力だぜ!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます