第3話 濃茶についてのあれこれ

濃茶は難しい。

単純にいえば、薄茶に比べ茶器の仕覆をほどいて、脱がす手順が追加されているから手順が増えた分、間違いも増えている。


まず茶入れにお茶を仕込み、清めたあとで、仕覆に包み、結ぶという手順が発生する。

これは、お客様には見えない水屋(台所)の作業だ。


水屋はキッチンみたいなところで、お菓子を用意したり、お茶を整えたり、お茶碗を洗ったり準備を諸々を行う。


仕覆の結ぶのにも作法があり、何通りもの結びかたが存在する。

先生がおっしゃるには

「正確に結べていない場合には、誰かが結び直したと考えられる。昔だったら毒がはいっているかも」

とのこと。

しっかりと結べていれば、自分が結んでから誰も触っていないことが確定する。と言うわけだ。

毒殺とか考えたこともありませんでした。


濃さに関しても個人的な分量では茶杓4杯分をお茶にお湯が浸る程度まで入れる。

ドロドロになるまで、茶筅で伸ばしていくがこのときに玉とかムラがなくなる様によーく練る。

練ったら、少しお湯を足す。が、お湯を足しすぎる傾向が私はあるので少なめを意識している。

まだまだたくさんの注意点はあるが、あとは時間である。

一手前(お茶椀を持って席入り、お茶をたてる、お菓子を頂く、仕舞い、問答)まで約30分が理想的とされている。


「お客様の正座の許容時間=30分」

ということらしく、お待たせする時間はなるべく短縮する必要がある為だ。

お客様には負担を感じさせず、お菓子とお茶を楽しんで貰う

言うは易し、するは難し……。


ともあれ、思い出せるだけでも3つの項目に注意しなければならない。

細かくいえば、角度、置き方、テンポ、などいろいろあるが、1つづつ確実に脳が覚えたのち、考えずともできるようになるのがいまのところの目標としている。


以上



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