第2話 半東

茶会で、半東というミッションを承ることがある。事前通告はない。

稽古が始まる前に先生がお決めになるのだ。

「●●さん。半東さんお願い」

そう言われたら、やらねばならない。


半東とは、お茶をたてる人の補佐みたいな役割をする人のことだ。


半東の要点としては、とにかく周りをみて動く事なのだと思う。

能力として、お客様へ掛け軸、花、香合の口頭での説明ができることが求められる。

また、主人(茶をたてる方)の補佐の役割をするため、お茶碗を下げたり、お菓子を出したり、というような作業をお客様の動きを見て行わなくてはならない。


結構大変なのである。

正座→跪坐(爪先をたてた正座)→立つ→跪坐を繰り返し行うことになるので身体的に負荷が多い。

説明のための知識も持っている必要がある。


これがなんの淀みもなくできると、ウェイターやバリスタのような職業にも応用できるような気がする。

茶道を習得するのに何十年もかかるのは相手の動きを読むことができるようになる年月なのだとも思う。


今回の設え

軸:白雲抱幽石(はくうんゆうせきをいだく)

花器:青蘭。形はそろり。材質は青い銅でできていて涼しい印象を受けた。

花:ムクゲ。祇園守り。

香合:扇の香合のうらに梶の葉が蒔絵でかかれている。


今回は軸の説明が面白かった。

白雲抱幽石は、先生が言うにはベイマックスなんだそうな。

石を白雲が包んでいる。

イメージとして白雲がふわふわのオブラートの役目を果たしている⇒人当たり良く生きていくのも大事だとおっしゃっていた。


花はムクゲだった。が、今回は祇園守りという名がついていることがわかった。

7月終わりは、京都は祇園祭りの時期にあたり、祇園祭りを守る花としてムクゲが選ばれているとのこと。

梶の葉は七夕祭りの笹の葉の前に使用されていた植物らしい。


今回の注意点

頭を必要以上に下げない

(お辞儀の角度に注意)


以上



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