第5話:四人で過ごす
最初は同級生の
二年生に進級した夏休みに莉里華が女の子を紹介してきた。
一つ年下の
明るい性格の朱音は学校では本当の自分を出すことができなくで悩んでいるという話を聞いた。
僕たちの間でそういう思いをせずにいられるのなら、と一緒に過ごす様になった。
妹ができたみたいだ。
それから間も無くして、買い物帰りにしつこいナンパ男が嫌がる女性の腕を掴んで道を塞いでいたので『そこ、邪魔なんで退いてくれませんか?』と言って退いてもらおうとしたら絡まれた。周りの人が来た事でナンパ男は去っていったのだが、僕が
お礼として夕飯を作ってもらい、ラノベの話とかをしているうちに親睦を深めていき、珠衣さんは莉里華や朱音とも仲良くなっていった。
高校二年の夏休みに三人は頻繁に僕の家を訪ねる様になった。
惰眠を貪りたくて一度だけ鍵を開け忘れていたら玄関の前で騒がれて収拾に苦労した。
今では僕の部屋のワードローブの中には彼女達の部屋着や化粧品が入っている。一度中を確認したら下着まで入っていた。すごく焦った。
夕飯は珠衣さんか莉里華が作ってくれる。
朱音は掃除や片付けをしてくれるので、みんながいる時に僕は家事をする事が無くなった。
申し訳ない気持ちもあるので手伝ってみたりする。時間が余計にかかり邪魔になっている様な気もするが、みんなは嫌な顔もせずに僕を受け入れてくれる。
彼女たちは時々、僕の家に泊まる。
そんな時、僕は床に布団を敷き、彼女たちにベットを譲る。
ただ、僕のベットで三人は眠れないので三人が泊まる時は僕はソファーで眠る様にしていた。
夜ふかしが過ぎて、全員が泊まる日に布団で眠ってしまった事があった。
あの時は眼を覚ますと珠衣さんが抱きついていたのに驚いた。叫びそうになった時に珠衣さんの胸に抱き抱えられた。
いい匂いと柔らかな双丘の感触に息が止まった。
それからは、なし崩しに三人が泊まる時には全員が僕の部屋でベットと布団に分かれて眠る様になった。
僕は家族が増えたような温かい気持ちになった。
同じ布団で寝ていても僕たちは付き合っていない。
僕には恋はわからない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます