第5話
高貴な身分の人間が髪を切るのは、「父母が死んだ時」か、「罪を犯した時」のみだ。
父を亡くし、罪人でもある璃夏が髪を切るのは間違ってはいない。
けれど、母によく似ていると撫でてくれた父や、綺麗だと褒めてくれた弟を思うと、あんな形で断ち切られた事が悲しかった。
同時に、人の尊厳を無視し、心を踏みにじるようなやり方に、激しい憤りを感じる。
けれど、それももう終わる。
明日、璃夏は断罪される。
すべての罪を負って、死ぬのだ。
それでもいい、この苦しみから解放されるのなら。
願わくば自分の死後、国と民が苦しまないようーーーー
そんな璃夏の願いは届くことはなく、繁栄を極めた蕭(しょう)国は徐々に陰りを見せはじめる。
熟しきった果実が腐って落ちるように、
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