第49話 友達が出来た

 名前は桜 桃子。かわいい不思議ちゃん。


 通学途中で、


「アリアどう思う?前世のことは思い出せても後世のことは思い出せない意味がわからない」


「何の話?」


「漫画」


「ほー」


「終わったことと今から始まることの違いわ」


「桃子、私、全くわからないよ。桃子がそんなこと考えていることさえも……」


「そう……」


「ただ時系列に流れているとは限らないとは思う」


「うんうん」


「未来を生きて過去を生きるのよ。私なんか記憶があったけど消されちゃった」


「記憶をあてにするからよ!」


「え?!」


「記憶もうないのよ」


「酷い言い方」


「だって学校復帰して半年でしょ。なんか思い出した?」


「……うんん」


「アリアが悪いわけじゃなくて、そうなってるんだと思うのよ。今は高校生をして生きなさいみたいなね」


「うん、わからない」


「だからわからないでいいのよ。微粉積分もわからないでしょ?」


「それはお互いさまでしょ」


「アハハあはは」


 学校に着いた。

 今から半日はつまらない授業に時間を費やすだけだ。終われば楽しみな部活がまってる。


 ちよっと考えてみよう。


1.「遠い空」国 王女


2. 吸収木の件


3. ロナルド王子と結婚


4.鬱発病


5.孫悟空になる


6.妖怪消滅


7.孫悟空として逝去


8.アリアとして目覚める


9.女子高生をしている


 王女としてのアリアと孫悟空のアリアの記憶は他の人には秘密だがハッキリしていた。


 お父様、お母様、モグ、ロナルド王子、マックス、ルーじいさん、ルータス……etc


 これらの人々は何者なの?顔さえ思い出せるのに……未来or過去、現実or仮想……

わからない!


 あ?!三蔵法師様、雉神、モグ、白龍

みんな……架空の人物だったの?


 アリアは学校の机の限られたスペースの中でもがいた。


「大丈夫??」


 後ろの席の桃子が声を掛けてくれた。


「大丈夫。ありがとう。桃子、未来って変えれる?」


「ま~結果は同じで終わるでしょうね」


「……………大変だ」


「微粉積分できないことが?」


「同じくらい……」


「桃子は雉と犬連れて鬼ヶ島にいったのよね?」


「行ってないわよ」


「そうだっけ。じゃひとりでなんとかしなくちゃ」


「アリア?なんか思い出したの?」


「70億人を助けなきゃ!」


「70億?!保健室いこ!」


「どうしよう、どうしよう」


「落ち着きなさい」


「保健室テレビあった?」


「ある」


「じゃ、行こう」


「先生、アリアが気分が悪いので保健室に行ってきます!さあ、行こう」


「テレビ、テレビのニュース」




「東欧諸国に武力介入したロシアは原子炉を抑えました。今後は首都を目指して侵攻する見込みです……」



「やっぱりだ。どうしよう」

アリアはベッドに仰向けになった。


「なに?!」



「未来は繰り返す……」








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る