第42話 飲食店 R ④ 【モグの酒席】
悟空は加速装置で副店長がぶら下げているカギ束を取り、粘土で型を取り、カギ束を返した。そしてそのまま鍵屋さんに行ってスペアキーをお願いしてきた。受け取りは明日。この間にかかった時間は雉神がテーブルを10㎝ふき始める時間と同等であった。
「さて、なにがでるか?明日の夜、決行しましょう」
「はい、悟空さん」
日曜日のディナータイムが終わりを迎え店に平穏さが戻ってきた。
梶原さんが近づいてきて言った、
「恭子は副店長が好きだった。だから殺された」
「?!なぜ殺される?」
「なんとなく…そう…感じた…鬱病ではなかった」
梶原さんは感性でお話しをされるので理解するのが難解であった。
「そうでしたか。お友達を亡くされてお辛いでしょうね」
「ふたりとも接したことがある妖怪とは違う感じがしたから話しました」
「アハハ、私らは妖怪ではないです。仙人です。でもよく話してくれましたね」
「恭子のかたきをうってください」
「いや、私らはただの派遣社員ですから」
「……じゃそういうことにしておきます」
「………」
(雉神、バレてますよ!)
(いゃそれは不自然でしょ3名同時入社って)
キッチンをを覗くとモグが相変わらず6本腕で食器を洗っていた。
───────────────────
「雉神、カギをさすよ」
「はい、ダイヤルを回します」
雉神は、ダイヤルを左右に回しながら番号を探って行った。
「カチャ」
「開きました。悟空さんお願いします」
「はい。すべてをコピーしてきます」
「はい」
「戻りました。なおします」
「はい。カギをしめて出ましょう」
「そうしましょう」
こうして金庫内のすべての書類の写しを手に手に入れた。
「雉神、手分けしてそれらしき物を捜しましょう」
「はい」
「ない」
「──────────────ない」
悟空「何かしらあると思ったんだけどな?」
雉神「何かしらの契約書とかですね?」
「ただね、去年の8月の売上が非常に高いんだよね。前年比130%。何かしらのお金が動いている可能性が高い。河上恭子さんが亡くなったのが去年の7月だ」
「なるほど。しかし証拠としては弱い。何か悪事で得た利益を売上に乗せるとは考えにくい」
「うん、そうだね。そもそも金庫内にも入れてないだろう」
「悟空さん、どうしますか?」
「三蔵法師にお知恵を拝借しよう」
「それがいいと思います」
「夜遅くに何しているの?」
「モグ?!」
「どうしたの?何か面倒でも?」
悟空「いや、例の件を調べていたのよ」
「え~~~まだ解決してないの?」
「うん」
「僕ね、今、飲んだ帰りなんだけどね!店の仲間と……」
「気楽だな」
「それで聞いてきたよ。絶対内緒と言われたけどふたりには話ししてもいいよね?」
悟空・雉神「いい」
「えっとね~」
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