第38話 私、孫悟空です。何か?
7月も下旬にかかり、少しばかり暑い。
「アリア、孫悟空になりましょうか?」
「……はい」
「アリアの体に孫悟空仏が憑依します」
「出でよ、孫悟空!」
すると天界から孫悟空仏様の体が降下したきてヌルリとアリアに溶け込んだ。
「わぁ~全身毛だらけだ。しっぽもついてる。強かったんでしょう、皮の鎧で身を固めている。あとは鏡を見ないとわからない」
「最強と言われた仙人のお体だ。大切につかうのですよ」
「はい。私は道中の妖怪をやっつければいいんですか?」
「『吸収木』の時、妖怪いました?」
「え?確かいなかったような……」
「6世紀の時代も高い確率で妖怪は鎮圧されています」
「え?じゃ私らはなにを?」
「全員揃ったところでお話しします」
すると、晴天なのに影がさした。上空をみると巨大な物体だ。悟空は加速装置の準備をし、モグも腕を出すか決めかねた。
「遅くなりました。6世紀案内人、雉大魔王でございます────────」
敵ではないと判断し攻撃準備を止めた。
三蔵「この時代のことは誰もしらないので心細かったですよ」
雉「すいません。妻がお産で卵が2個生まれました!」
「それはよかった。なぁ、みんな!」
「よかった、よかった」
悟空「雉神の神通力は何になるのですか?」
「まず、飛べます。全員乗せることも可能てす。あと目が良いので遠くまで見ることができます。未来を見通せる場合もあります」
「うん、これで全員集合しましたよ」
悟空「あれ~豚とカッパはいないのですか?」
「いないです」
「あれ~猿・犬・雉って桃太郎のお供じゃないですか?」
三蔵「───────────まちがえた!」
悟空「うそ?!」
三蔵「思い込んでいた。雉神ど~する?」
雉「大丈夫ですよ。細かい道まで知っているの私だけでしょ?」
三蔵「ありがたいが、今から話す任務を聞いてからにしておくれ……」
6世紀は大きな地震、異常気象もすくなく、コロナ禍もなかった。それに目を付けたのか22世紀の未来人。タイムトンネルを使い6世紀に工場を作り、現地で人を採用し働かせた。出来た物は22世紀へ出荷した。しかし無法地帯であった。まず税務署が動いたが法人税が回収できれはそれでよしであった。労働者は労働基準法、雇用保険、安衛法などが全く無視されていた。
原則、現代の法規が6世紀の労働者にも適用された。しかし、最低賃金以下での加重労働で労働者は疲弊していた。6世紀と22世紀の争いに人間では対応できす、また時間もかかることゆえに天界が動いた。
悟空「それで」
三蔵「みんなの任務は問題のある会社で派遣社員とし働きながら潜入捜査することです」
悟空「え?!」
モグ「え?!」
雉神「え?!」
玉龍「え?!」
三蔵「これから回る会社は、是正勧告していますのでこれで駄目なら一発アウトです。野放しの妖怪が少ないとはいえ妖怪が現地法人社長しているケースが多く戦闘になる可能性は大です。『吸収木』の時より遥かに大惨事になるであろう[黒い霧]が懸念もされるので、ぜひ皆様の力をお借りしたい」
みんなで顔を見回して、合意したのか悟空が三蔵に言った。
「金しだい……」
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